荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

読書の巻。

2013年04月29日 | 枯渇した生活に豊潤な読書を
趣味らしい趣味を持たない僕にとって読書は大事な自分自身の時間であります。

まぁ、独身ですから自分の時間も家族の時間もあったもんじゃないんですが。

この数年、本屋さんで書籍を購入をする事がめっきりなくなりました。

そう、もっぱら図書館を利用しております。

以前は1000冊を越える蔵書があったのですが、ほとんどをBOOK OFFに売却してしまいました。

その後も断捨離完全遂行の為、大好きなシリーズ物の新刊くらいしか購入しません。

購入しても読了となれば、やはりBOOK OFF送致となります。

図書館で書籍を借りるという点で最も優れているなぁと思うのは『単行本で読む事が出来る。すなわち文庫化迄待たなくて良い』という事であります。

やはり好きな作家の新刊は発売同時に読みたいもの。文庫化にはおおむね2~4年を要しますからな。

とはいえ図書館では、人気作の場合260人待ちなんてザラにありますけど。

最近ようやく借りられた天童荒太著【歓喜の仔】なんて半年位待ちました。

桐野夏生著【ハピネス】なんて300人待ち以上です。

タダなので文句を言えた義理ではありませんが。

歳をとるに従い、それ迄読んでいた作家から距離を置く様にもなりました。

僕が変わったのか、作家のテイストが変わったのか・・・。

作家も歳をとると作風が変質します。

ざっくりした意見で申し訳ありませんが、やはり作家の旬というのは40~50代だと思います。

60を過ぎますと、どうしても過去の作品との類似性が顕著になったり、作品そのもののメッセージが年寄り特有の独りよがりになる傾向があると思っております。

白紙の状態から物語を紡ぎ出す、という計り知れない労力というのは、いかな作家といえども年寄りには難しい事なのかも知れません。

好きな作家が枯渇していく様を見るのはまことに寂しいものであります。

『書籍ほど信頼できる友はいない』アーネスト・ミラー・ヘミングウェイ(米国の小説家・1899~1961)

トランカーの巻、ふたたび。

2013年04月26日 | 偽りの人生に優れたエンターテイメントを
米国映画【マイレージ、マイライフ】を観ました。

『バックパックに入らない人生の荷物はいっさい背負わない』をモットーにしているおじさんが主人公。

職業はリストラ宣告人。様々な企業から委託を受け、様々な人間に馘首を申し渡す因果な稼業。

垣根涼介の【君たちに明日はないシリーズ】みたいなもんですな。

委託先は多岐に渡り、おじさんは全米をウロウロする毎日であります。

結果、自宅アパートメントに居住するのは年間40日程度、すなわち320日以上は出張という生活。

当然、おじさんは旅慣れており、所持品は機内持込サイズのキャリーケースひとつだけ。モットーとは違い、バックパックではないんですな。

マイレージもがんがん貯まっておりまして、1000万マイルが目標値。

1000万マイルが貯まりますと、飛行機に自分の名前を掲げてくれ、航空界のカリスマ機長・フィンチさんと面会する権利がもれなく付いて来ます。

前述の様な身軽な価値観ですので、恋愛すらも重荷に感じるプレイボーイでもあるおじさんなんですが、結局なんやかやあって『人生には荷物があってもいいじゃないか』と従来の考え方が少し変化して物語は幕を閉じます。

はっきり申し上げまして、物語としては決して面白味のある作品ではありませんでした。

観客ターゲットも、おじさん役のジョージ・クルーニーファンのおばさんくらいなもんでしょう。

ただし、おじさんの【旅慣れた感】や【スマート感】を満喫する事は出来ます。

『トランクひとつで生活する』という2chのトランクスレを眺めていますと、この【マイレージ、マイライフ】ネタがたまに見受けられます。

そういう見方としては、かなりお手本になる作品でありました。

あぁ、あらためてトランクひとつでどこかに行きたい。

いよいよGWですね・・・。





ルイ・ヴィトンのパッキング術!美しい!


アウトレイジの巻。

2013年04月24日 | 偽りの人生に優れたエンターテイメントを
ニッポン映画、世界のキタノの【アウトレイジ ビヨンド】を観て来ました。

勿論、前作も観ております。

前作は単純ながら非常に面白く観劇出来たのですが、今回はつまんなかったなぁ。

関東暴力団の巨大組織・山王会を壊滅すべく警視庁組織犯罪対策部の刑事・片岡(小日向文世)がいろいろたきつけて回るんですが、巨大組織をたったひとりでいじくるってのは、あまりにもリアリティがありません。

名高達男と光石研は全然ヤクザに見えないんですよね。

中尾彬に至ってはバラエティーに出過ぎのせいか、俳優にすら見えませんし。

西田敏行は関西弁でまくしたてるんですが、この関西弁が恐ろしく下手。

そもそも東北出身者ですし、最近、滑舌が異様に悪くなった様に感じるのは僕だけでしょうか。セリフ回しが不自然なんです。入歯なんですかね。

関西弁というのは非常に難しい。

基本、関西圏出身でないヒトが使用するのは危険だと思います。

結果、【極妻シリーズ】みたいな超チープな作品になっちゃいました。

加瀬亮は始終喚き散らしてるだけ。

前作も『バカヤロー!コノヤロー!』と怒号が飛び交うシーンだらけでしたが、なにかが違う。



ヒトの殺し方も前作に比べると、創意工夫に欠けます。

そんな低空飛行な作品なのですが、なかなか良かったのが中野英雄と高橋克典です。

中野英雄はビートたけしとのやりとりがとても良かった。

『昨日の敵は今日の友』という少年ジャンプのコンセプトの様な関係を上手く演じていました。

高橋克典は今作ではまったくセリフがありません。

このレベルの俳優さんにセリフを与えないというのは、次回作への伏線か・・・と考えるのは穿ち過ぎでしょうか。



全編、なんかちゃかちゃかしてしまい、キタノ作品という感じがありませんでした。

しばらくはバイオレンス物はやらないんじゃないですかね。

恋愛の巻、ふたたび。

2013年04月22日 | 聖なるブログに名も無きカテゴリを
21歳年下の女のコと、する事をしたので『改めてちゃんと付き合おうよ』なんて戯言をほざいていたのですが、相手がピンと来ていない様子。

まぁ、僕も『若い女のコと付き合いたい』ってだけの理由なので、その地色が滲み出てしまったに違いありません。

離婚を経験し、この歳になりますと『所帯を持ちたい』なんて希望は小指の爪の先ほどもありません。

ただただ『若い女のコと付き合いたい』って感情だけなんです。

ここでのポイントは『ヤりたい』だけではないんです。

ちゃんと『付き合いたい』んです。

しかしながら、明確に恋するガールがいるわけではないんですね。

前述しました様に『若い女のコと付き合っている自分』が誇らしい訳ですな。

これじゃあ付き合ってくれるガールにも失礼ってもんです。

僕もいい歳ぶっこいたおじさんなので、その程度の事実認識は出来るんです。

が、認識はしても納得は出来ないんです。

これは困った。

北方謙三じゃあるまいし、ソープに行ったってなんの解決にも至りません。

しばらく一旦、そっち系には色気を出さずに静かにしていようかなぁ、とも思わないではないのですが、僕も大して先は長くありませんからねぇ。

ゴーサインを待つ孤独な殺し屋みたいに待機なんてしてたら、あっという間に50歳ですよ。

恋愛力学、今日も格闘中~♪ってところですかね。

はーっ・・・アラフィフが言う言葉じゃありませんな。



やはり『ガリレオ』は柴咲コウじゃなきゃ。

こだわりの巻。

2013年04月19日 | 聖なるブログに名も無きカテゴリを
先日、行きつけのチャイニーズ垢すりでスッキリした僕は、そこから2分、やはり行きつけのスナックの扉を叩きました。

先客は3組。年配男性の2人組とやはり年配の男性ひとり、そして僕と同年輩、すなわち40代なかばの男性。

やがて年配男性、都合3人が帰路につきました。時刻は22時。年寄りにゃおねむの時間です。

すると残った同年輩の男性が『あれを用意して』と志穂美悦子似のママになにやら命じます。

『はいはい』と悦ちゃんママは背後の棚から6Pチーズ大の小箱とライターと鼻毛用ハサミみたいなのを男性に差し出しました。

果たしてそれは、葉巻と専用ライター、そして吸い口を切るハサミだったのです。

葉巻は葉巻界の読売ジャイアンツ、【コイーバ】でした。

よくよく見ますと、彼の手元には僕が見た事もないスコッチのボトルが鎮座しております。

また、彼のシャツの袖にはボタンカバーがかぶっております。カフスじゃないとこがどこか可愛らしい。

『ははぁ、こだわり君なのね』僕は心の中でつぶやきました。

僕も30そこそこの時は安葉巻を随分吸ったものですし、比較的近年も【コイーバ】の細巻すなわちシガリロを吸っていましたから、そのお客のメンタリティーは分からんでもありません。

しかしながら、ショットバーやシガーバーならいざ知らず、東京のダウンタウンのスナックで【葉巻キープ】。

なんかずれてる様な気がしました。

聞けば、1本の葉巻を吸いながら、3杯のスコッチのロックを飲むんだそうです。

勿論、氷はまぁるいのがグラスに沈んでいます。

いやはやなんとも・・・。

僕も若い頃は生活全般こだわっておりました。

酒は○○じゃなきゃ、煙草は○○じゃなきゃ、洋服は○○じゃなきゃ、音楽は○○じゃなきゃ・・・、と。

しかし、歳をとって分かったのです。

こだわりがないのがこだわりだと。

生活のこまごました事にこだわる暇があったら、もっと別な事考えろよ、と。

本当にこだわるのは生き様だと僕は今、そう思っています。



コイーバには紙巻きもあるでよ。



『登山で一番重要なのは、登ることじゃなくて、執着しないということ』栗城史多(ニッポンの登山家・1982~)

芝居の巻。

2013年04月17日 | 偽りの人生に優れたエンターテイメントを
先日、知り合いの女のコが舞台に出演するってんで観に行って参りました。

芝居小屋は新宿二丁目・仲通り沿い。

偶然にも僕が数年来入り浸っているオカマバーの目の前でした。

探偵はオカマバーにいる。



さて、その舞台自体は非常に良く出来ており、大変面白いものでした。

知り合いの女のコも夏菜似で20歳過ぎ、ロケットおっぱいの魅力があるコであります。

なのにマイナー。超マイナー。

関係者の皆さんは自身にどう折り合いをつけて芝居を創造したり、演出したり、演じたりしているのでしょう。

舞台人として成功するなんて、ほんの一握り。

ましてやテレビで人気者になるなんざぁ、ほんの一つまみ以下です。

今時『いつかビッグになってやる!』なんてヒト、いませんよ。

なのに表現をする。

そのメンタリティーが分からないんです。

若い時って表現したくてしたくて堪らないじゃないですか。

だから変なファッションしてみたり、変な音楽聴いてみたり、変な理屈コネてみたりするわけです。

しかしながら、社会人としてお金を稼ぐ、すなわち経済循環の中に身を置きますと自己表現なんてなんの意味も成さないのであります。

早い話が『表現はいいから結果出せよ』って事です。

なのに表現をしたがる。

20歳そこそこの女のコならいざ知らず、いい歳ぶっこいたおじさんやおばさんが表現をしたがる・・・。

歳をとったら口数も少なく、行動も目立たせない方が良いと思うんですけどねぇ。

いったい何に突き動かされて舞台人として存在したいのか、もうしばらく探る必要がありそうです。



【探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点】。早く観たいっす。

横山秀夫の巻。

2013年04月15日 | 枯渇した生活に豊潤な読書を
平成の松本清張=横山秀夫著【64(ロクヨン)】を読了しました。

実に7年振りの作品だそうです。

いやぁ面白かった。

いわゆる【弁当箱】サイズの640ページを越える大作であります。

僕は横山秀夫の作品は大好きで【顔 FACE】を除く全てを読破しております。

警察組織が舞台でありながら、切った張ったのデカ物語ではなく、管理部門・事務屋をメインとしたフィクションとしては比較的陽の当たらない部署の人間たちの心理を描く物語の多い作家です。

古い話で恐縮ですが、真保裕一の【小役人シリーズ】を彷彿させますな。

横山秀さんは【半落ち】で直木賞候補となりましたが、北方ソープ謙三や林デブス真理子の謀略により受賞には至りませんでした。

【欠陥】と北方ソープや林デブスが指摘した事項は、実際【欠陥】ではなかった事が後に判明しました。どうしてくれんだよ!

北方ソープは直木賞の選考委員でありながら、直木賞貰ってませんから意地悪に及んだんでしょう。

林デブス如きに作品の優劣を語る資格なんぞありません。おまけにこのデブスババアは読者迄愚弄しやがりました。

さて【64(ロクヨン)】、久々の横山秀さん作品という事もあったので【D県警】という表記がありながら【エース・二渡】の名が出て来る迄【D県警シリーズ】とは気がつきませんでした。

このヒトは本当に小事を大事として描くのが上手いなぁ、と今更ながら感じました。

又、その心理描写が紋切り型ではなく、ありとあらゆるヒトに理解出来るものとして存在するのです。

涙を流す人間を【脆い】と評する割には自身もちょいちょい泣いちゃうD県警広報官・三上が主人公。

その三上が、昭和64年に発生し、いまだ未解決である幼女誘拐殺人事件に端を発した警務部と刑事部の暗闘に巻き込まれる、といった内容が主軸です。

ただ、どうしても最後の解決に導くプロットがあまりにも薄い感覚であったのは否めませんでした。

物語のほとんどに重いリアリティが流れていただけに、いささか残念です。

この感覚は実は【半落ち】でもありました。

ラスト、主人公の動機がどうしても薄く感じでしまい、理解出来なかったのです。

とまぁ、どんな作品でも引っかかるトコってのはあるもんです。

もうひとつ引っかかったのが【暴力団関係者】を【マル暴】と呼称した事です。

これはこの作品に限った事ではありません。

勿論、本来の使用方法としては正しいのでしょうが、エンターテイメントの場合は通常【マルB】と読んだ方が通りが良い様な気がします。

【マル暴】というとどうしても『暴力団担当の警察官』という印象が強いと思います。鮫の読みすぎかなぁ。

今回、捜一課長の松岡とその下につく敏腕刑事の緒方と峰岸が良かった。

捜一出動直前迄の陰湿な警察官の描き方と異なり、読者にカタルシスを与えるキャラクターとしての登場であります。

エンターテイメントはこうでなきゃ。やっぱ。

僕も松岡の下で働きたいですよ。そりゃ。



TBSで二渡を演じる上川隆也。三上は誰が演じたらしっくり来ますかね。

屋形船の巻。

2013年04月12日 | 聖なるブログに名も無きカテゴリを
毎年恒例の屋形船に乗ろうとワクワクしてたのですが、例の大荒れの天気で中止の憂き目にあってしまいました。

まぁ、恒例といっても昨年初めて参加したのですが。

一昨年も誘いは貰ったのですが、なにぶん震災直後であった為ワイワイと酒を飲む気になれなかったので辞退しました。

さて、昨年のお話。

この企画立案はゴールデン街の某酒場の女経営者でありまして、幹事はそのお店の常連さん。

僕自身はそのお店に行った事はないのですが、僕の知り合いのオカマさんがそのお店のお客さんという事で毎年、声を掛けて貰っているのです。

勿論、そのオカマさんも参加します。

その他にもチラホラ女装したオジサンが参加しているんですね。よく分からない構図です。ちなみにオカマさんと女装オジサンは全くの無関係。

んで、前述の女経営者に『荻窪鮫さんは女装しないの?』と尋ねられました。

長い間生きて来ましたが『女装しないの?』と言われる事はありませんでしたねぇ。

17時乗船。

全体で25人くらいでしょうか。とりあえずマイクが回って来て自己紹介タイム。

それにしても変なヤツらばかり。

女装オジサンは言うに及ばず、自分の事を格好良いと思っているちょーダサいオジサン、『ボク、官僚でぇーす』を連呼するデブ、緑の和服を着た謎の美女、ニッポンに23回も来てるのに挨拶ひとつ出来ないイタリア人、月商2億円を稼ぐ女公認会計士・・・。

しかし、月商2億の経営者がゴールデン街で飲むか?

とまぁ、ネタの宝庫ですわ。

つまらない日常に飽き飽きしている御仁には、是非ともお薦めのレジャーです。

肝腎のお食事は、天ぷらも刺身も焼き鳥もまっずーいんですがね。



つっ立ってるデブが『ボク、官僚君』でぇーす。

離婚の巻。

2013年04月10日 | 聖なるブログに名も無きカテゴリを
離婚して今年5月で丸6年となります。

よく『離婚は結婚の3倍労力を要する』と言いますが、僕の場合は別段しんどい事はありませんでした。

分譲マンションは収入合算していなかったので、問題なし。僕が返済し続けるのみ。

貯金はほとんどなかったのですが、カミさんが新しくアパートを借りたり、電化製品を買ったり、と物入りだったので約100万円与えて終わり。

浮気・ギャンブル依存・DV等、僕側の落ち度も全くなく、協議離婚でしたので金銭の授受も一切なし。

まぁ、なによりもガキがいなかったのが離婚をスムーズにさせた最大のポイントでありましょう。

『子はかすがい』と申しますが、僕の場合ももしガキがいたら離婚迄には至らなかったでしょうな。

さて、僕の周りは比較的離婚者が少ない様に思っております。

俗に『3組に1組は離婚している』なんてぇフレーズをテレビなんぞで目にしますが、ほんとかなぁ、と首を傾げざるを得ません。

もし、それ程離婚者が多かったら、一緒に遊んでくれるヒトが増えて僕的にはウェルカムなんですが。

それにしても芸能人って、なんで何回も結婚・離婚を繰り返すんでしょうね。

僕なんか1回で十分。

せっかく、手かせ足かせがはずれ、自由に羽ばたける身になったのにわざわざ茨の道を選択するなんて。

『過ちて改めざる、是を過ちと謂う』と申しますが、まぁ結婚を過ちというのもアレか・・・。



【かすがい】とはこの様な建築金物です。

『人は間違った理由で結婚し、正しい理由で離婚する』宮本美智子(ニッポンの作家・1945~1997)

うつの巻。

2013年04月08日 | 聖なるブログに名も無きカテゴリを
最近、うつに限らずなんでも病気にしよう・仕向けようというテレビコマーシャルが多いと思います。

不景気で医療に身を委ねるヒトが減ったのでしょう。煽って煽ってヒトを不安にさせ儲けよう、という企みがみえみえです。僕には。

んで、指くわえて傍観していても、お腹は空きますからジェネリックという隙間産業を見出すケースもある訳ですな。

まぁ、普通にモノを販売するのと違って、ヒトの生命や健康を難しいコトバで困惑させている訳ですから、まことに始末が悪い。

世の中の商売で、医者と弁護士と坊主はヒトの不幸で食っている、と俗に言われますし。

さて、うつです。

僕も過去に四回程心療内科に通院していた事があります。

いずれも診断としては【うつ】でありました。

僕の場合はほとんど仕事絡みです。

根が真面目なせいか仕事の事を考えてしまうと全く眠る事が出来なくなったりしました。

デジレル・デパス・ルボックス等いろいろなクスリを処方され服用したものです。

僕は別段【人様に憐れんでもらいたい病】ではないので、処方されたクスリを飲み続けしばらくして『大丈夫そうだな』と思ったら通院もやめてしまいます。

他の病気や怪我と違って心療内科の場合は医者が『直った』と言わない限り終了となりません。

要するにエンドレスで医者が儲かるシステムなのです。

又、患者も【うつでいる私ってかわいそうでしょ】っていうバカが多いから、これまたエンドレスであります。

僕の友人の女房がうつを患いました。育児ノイローゼです。

パートすらしてない専業主婦なのですが、家事が全く出来ない状態となりました。

友人は優しく、且つ器用な男なので、食事・掃除・洗濯・ガキの送り迎え等全てこなしておりました。

僕だったら毎晩キャバクラ通いでしょうね。陰々滅々とした女房のツラぁなんぞ見たくありませんから。

さて、そのガキも成長し小学五年生になりました。偏食も人見知りもない至ってフツーのガキになりました。

ですが、相変わらず女房の具合はよろしくないそうです。

で、僕は思うのです。それは甘えだよ、と。

友人はうつの人間には叱咤激励は厳禁、とトーシロ相手の本で読んだらしく、女房にあくまで優しく接しております。

これが諸悪の根源であります。

所詮、うつなんて贅沢病ですよ。

食うや食わずの状況下にいたら『私ってうつなの。かわいそうなの』なんてぇ戯言言ってられませんよ。

専業主婦のクセに、ろくすっぽ家事もしねぇで家でぼーっとしてるから下らない事考えちまうのです。

ニッポンという国は本当に平和ボケのバカ国家に成り下がったものです。

『精神論はダメ』という意見がダメなのです。

リストカットするヤツぁ、ちゃんと死にやがれ。



【うつ】すら儲けの対象になるんですから、芸能人ってラクですね。



『甘えの構造を叩き直さないと日本に先はない』櫻田武(ニッポンの経営者・1904~1985)

天童荒太の巻。

2013年04月05日 | 枯渇した生活に豊潤な読書を
先日、再放送で【相棒9】の第13話【通報者】を観ました。

神戸尊同様、少年が必死で幼い妹を守ろうとする、いじらしい姿に涙してしまいました。

勿論、本放送時も涙しております。同じ事で泣いてしまうのが、僕の悪い癖。

さて、260人待ちから始まり、ようやく天童荒太の新作【歓喜の仔】を図書館から借りる事が出来ました。

天童荒太の作品はほとんど読了しております。最初に手に取った作品は【永遠の仔】でした。

日本テレビ系でドラマ化されたものを観、『こりゃ原作読まなきゃ話にならん!』と書店に走りました。

未文庫化であったため、カミさんを口説き落とし家計費として単行本を買ったものです。

読後のインパクトはもの凄ぇものがありましたな。

【歓喜の仔】も、彷徨う子ども達に【これでもか】という千本ノック状態の悲劇や不条理が襲いかかります。

ここに登場するおとな達は皆現実社会にいる【自分さえ良ければ良い】という人間ばかり。

結果として、子ども達は自分達を守るためにおとなを信じず【むれて】生きるしかないのです。

僕は豊かな環境で平々凡々と生きて来ましたから、このテの物語に触れてしまいますと、己の情けない履歴にまことに汗顔の思いとなります。

しかしながら、天童荒太というヒトはこういった子どもと不条理を絡み合わせる作品が頭抜けて上手いですな。

これが重松清となりますと、一気にファンタジー色が添加されますからな。

この作品、改行がほとんどなされていないため、ずーっと文字の海であります。

これが池波正太郎の単行本だったら全十冊くらいになるのではないでしょうか。

この改行がないという文体は、天童荒太の意図に他なりません。

文字の海から子ども達の叫びを探し当てる・・・みたいな。

父・母・長男・次男・長女、と一人称・三人称は別として、順繰りに多視点で描かれている様はまさに交響曲。

スピード感も完璧で、お腹いっぱい。

どちらかというと寡作な作家ではありますが、その一冊一冊に宿った思いには、とてつもない深みがあるのです。

みんなも読んでみようず!



直木賞受賞作【悼む人】から4年ぶりの新作だそうです。

小田原の巻。

2013年04月03日 | 無聊な生活にさすらいの旅を
先日、春の大磯を散歩したのですが、翌日は東海道線に乗り、小田原迄足を延ばしました。

東京から近いせいか、僕も何度も来た事のある観光地であります。



↑小田原といえば提灯。てか提灯と鈴廣の蒲鉾位しか知りません。



↑前日よりも天気に恵まれた為、小田原駅もかなりの人出です。



↑ご存知、二宮金治郎尊徳像。東口の顔。最近では『歩きながらの読書は危険』だの『子どもに労働させるのは虐待』だのといった理由で撤去が進んでいるそうです。ニッポンという国はクソですね。



↑2階デッキより小田原城を望む。



↑パッと見、町田とか立川みたいっす。



↑国道一号線に建つ【済生堂薬局小西本店】。関東大震災で倒壊したものを大正年間に復元したそうです。



↑同じく一号線に建つ【ういろう】。思いっきりお城でインパクトは十分。もともと、ういろうは小田原発祥。名古屋は、その派生の様です。



↑桜のトンネル【西海子(さいかち)通り】。豪邸が立ち並びます。



↑小田原文学館。カラフルなアントチェアが・・・。



↑白秋童謡館。小田原文学館と同じく田中顕光の別邸だとか。



↑駅前の【寿庵】にて一献。バイトの十代と思しきオンナのコがかわいかったです。

というわけで、春の週末お散歩でした。

リュックを背負っていた為、腰に負担がかかったらしく、今でも痛いです。

大磯の巻。

2013年04月01日 | 無聊な生活にさすらいの旅を
今年は桜の開花が早かったですね。

桜を見る目的ではなかったのですが、ちょいと大磯に行って参りました。

春風の中を歩く大磯、なかなかの風情であります。



↑大磯駅。関東大震災ではペッシャンコになったそうです。



↑構内。ガラス・照明・壁のレリーフがレトロです。ま、中途半端ではありますが。



↑駅前ロータリー。存外、観光客はあまりウロウロしていませんな。



↑旧山口邸。我が国最古の2×4建築だとか。最古は札幌の時計台って聞いた事がありますが・・・。



↑浄土宗大運寺。高知・海援隊出身の衆議院議長・中島信行が眠る寺。



↑お隣にはこれまたトラディショナルな2×4住宅が。



↑街角にはふつうに干物が鎮座してます。猫が多いわけですな。



↑大磯海岸海水浴場。我が国最古の海水浴場だとか。大磯って最古好き。



↑漁協組合。建築&明朝体の文字がどことなく北朝鮮っぽく感じました。



↑大磯港石碑。釣り人に釣果を問うもボウズの返答。



↑真壁豆腐店にて人生初の豆乳を頂きました。見た目はまさにバリウム。



↑鴫立庵。ウィキによると【日本三大俳諧道場の一つ】らしい。



↑平安末期、西行法師が訪れたそうです。



↑日蓮宗妙昌寺。立派な彫刻です。



↑同寺。百日紅も立派です。脳の静脈図みたい。



↑国道一号線沿いは、塩漬けになった再開発物件ストリートと化しています。



↑国道一号線の松並木。いつもクルマで通り過ぎるだけでした。



↑伊藤博文の別荘であった滄浪閣。紆余曲折を経て大磯プリンスホテル別館の中国料理店として再生したけどリストラ策により、惨死。



↑碑もあるでよ。



↑高級新興住宅街。まるで住宅展示場で生活感ゼロ。存外、ドイツ車率低し。クルマ迄手が回らんのか。



↑一号線沿いの【丸源ラーメン】。高松市発祥だとか。勿論、丸源ビルとは無関係。脱税もしてません。たぶん。



↑県立大磯城山公園の頂より海を臨む。



↑大磯プリンスホテル到着!勿論、ビキニ姿のアイドルはいませんでした。

ピーカンとはいかないお天気でしたが、春の大磯を満喫出来ました。

みんなも行ってみようず!