荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

シンプルの巻、よたび。

2013年10月21日 | 華麗な生活に極めたシンプルを
ドミニック・ローホー先生著【「限りなく少なく」豊かに生きる】を読了しました。

いや、今回は残念なご本となっておりました。

今までは、シンプルに生きるための具体的な指南を、ビジュアルも加えて分かりやすく説いてくれていたのですが、今回は、自己と向き合えば心穏やかに暮らせますよ、というかなりスピリチュアル系な内容。

僕は別段、偉い坊さんになりたい訳でもないので、心のありようなんてどうでもいいんです。

ただシンプルに生きるためのモチベーションを上げてくれる内容であれば。

とはいえ、先生もご本を随分と上梓されてますから、ネタが尽きたんですかねぇ。

表現者の限界はこういったところに表れますな。

断捨離でおなじみ、著書がいっぱいのやましたひでこも同じ様な軌跡をたどっておる様です。

尤も、彼女の場合はマルチ臭がプンプンするんですよね。

どうも俗っぽい。

そのうち、『やましたひでこさんとdinosが開発した簡単便利鍋!』とかやりそうな感じ。

『良いモノは結局お得です、ね』とかいうコピーがついて。

良いモノを修理しながら長く使用する、って考えは僕も大賛成です。

てか、マトモでありゃ大多数のヒトが、そう考えると思うんですよ。

でも、安モノだってキチンと使用すれば結構長持ちするもんです。

要は、モノに対してどれだけ真摯に向き合えるか、でありましょう。

dinosの巻末の方見て、『3品で10,488円!安いわ!便利だわ!買っちゃおう!』とか言ってるヤツは真逆の存在っすよ。

『シンプルに生きましょう』って煽って、モノを買わせようとするdinosやMUJIには要注意ですぞ、奥さん。

『人生は複雑じゃない。私たちの方が複雑だ。人生はシンプルで、シンプルなことが正しいことなんだ』オスカー・ワイルド(アイルランドの詩人・1854~1900)


本日の処分品。


ちょい馬鹿オヤジがしてるらしい、足用の指輪。前の彼女から貰ったモノです。


クリップ。要りませんなぁ。

全然、関係ないんですが・・・。


銀座で開催されているアルテックの展示会。すっげぇつまんねぇ。

会場設計はクライン・ダイサム・アーキテクツ。

開催意図が全く分かりませんでした。

インテリアの巻。

2013年10月18日 | 華麗な生活に極めたシンプルを
輸入インテリア業界に足を踏み入れて早19年。

基本的に、北欧中心のヨーロッパ家具を、小売りではなく物件ごとにロットで卸す仕事をして来ました。

何社も渡り歩きましたが、取り扱うメーカーはおおむね同じ、お客さんも業者さんも変わらず、って事で非常にやり易い履歴であります。

さて、そんな仕事生活だったので、【椅子】というものに異様に反応してしまうのです。

扱っているカテゴリーがカテゴリーだけに、北欧家具の椅子には過剰に反応しますな。

結婚し、マンションを購入した際は、一気にインテリア北欧計画を進めました。

選んだ椅子は、木製椅子として、この世でもっとも有名なデンマーク・カールハンセン&サン社のCH24、すなわち【Yチェア】。

テーブルは伸張式で、やはりデンマークのブローダーネ・アンダーセン社のもの。

2人掛ソファは、今や会社自体がなくなったクヴィスト社のJ148。

ちなみに現在では、J148はフレデリシア社に生産が移っております。

照明はルイス・ポールセン社のPH5。電話機はB&O社のBeoCom2500。

とまぁ、イルムスあたりの商品展示となんら変わらない構成でありました。

当時の画像っす。



その後、離婚して1回の引越しを経て、現在のマンションに移って来ます。

断捨離を決行していたところに3・11の衝撃が更に重なり、完全に捨て神が憑依した変態になってしまいました。

J148とBeoCom2500は売却。

他にも柳宗理のバタフライスツールや川崎和男によるナナオのテレビEIZO FORIS、菅沢光政のヘロンチェア、深澤直人の±0の液晶テレビといったデザイン家具・家電も所持しておったのですが、これも売却や処分をしました。

捨て神憑きの変態といえど、これだけ家具・家電の売却や処分が続きますと、家具が欲しくなって来るんですな。とくに椅子。

もちろん、ひとつ購入したらふたつ捨てる、という兵法の極意は忘れておりません。

2脚あるYチェアの1脚を売却する事は既に決定済み。

問題は、なにを購入するか・・・。

深澤直人のHIROSHIMAもいいなぁ、とか、イームズのシェルチェアのプライウッドバージョンもいいなぁ、とか、いろいろ思いを馳せるのは、とても楽しい。

ですが、ここはもっとも欲しかった椅子を購入する事に決めました。

それは、【バレットチェア】。先に挙げましたYチェアと同じデザイナーであるハンス・J・ウェグナーの作品です。

背の笠木にあたるところがハンガー状になっておりますので、ジャケットを、また、座を跳ね上げますと、パンツをそれぞれ掛ける事が出来ます。

座の下には小物入れがあり、ネクタイや時計、財布等を収納する事が出来る、といった召使いの椅子、すなわち【バレットチェア】。

どーん!!!



さて、気になるお値段は、メープル(かえで)材で\931,350也(税込)・・・。

きゅっきゅっきゅっきゅうじゅうさんまんだぁ!?









本物ならね。

こいつはリプロダクト品なので、その1/20強のお値段でした。

いちおうプロでありながら、リプロダクト品に手を出した僕・・・。

このジレンマに苛まれながら生きるのか・・・。

村上春樹の巻。

2013年10月15日 | 枯渇した生活に豊潤な読書を
ダイナマイトがよ~ダイナマイトが百五十屯~

で、お馴染みのアルフレッド・ノーベルが創設したノーベル賞。

そん中で毎年毎年、バカのひとつ覚えで、ポン人が生暖かい眼で見守るのが【ノーベル文学賞】であります。

そして候補、候補といっつもわめき散らされるのが、村上春樹。

いい加減ウザ過ぎるので、わめくのは止めて頂きたいんですな。

ノーベル賞の候補者や選考過程は50年間の守秘義務があるって事位、もう皆さん知ってるでしょ?

それをブックメーカーだかの情報を丸呑みして、村上春樹ゆかりの地(店)で受賞者発表を待つなんてバカじゃねぇか。

そんな地(店)に集結してるヤツらって、生まれてこの方喧嘩のひとつもした事ない様な、頼もしさゼロオーラ出まくりのオトコと、文学がワタシの恋人よ、ってなちょっと不思議ちゃんオーラ出まくりのブスなオンナばっかです。

僕は村上春樹の作品って、【ノルウェイの森】と【ダンス・ダンス・ダンス】しか読んだ事がありません。

なんかフワフワした男の子と、それこそ不思議ちゃんな女の子が出て来て、通常の生活を営んでいる人間たちでは交わさない様な、妙ちきりんな会話を繰り広げる・・・ってイメージしか印象にありません。

んー、受賞者発表を待ってるヤツらと被りますな。

まぁ、フワフワした男の子はバンバンSEX出来て羨ましいなぁ、といった程度の感想しかありませんでしたな。

なにぶん、20年以上も前の事なんであんまり覚えてないんすよね。

だったら語るんじゃねぇ!とおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、僕の持つ村上春樹の作品イメージって、そんなもんです。

昨年の受賞者は中国の莫言(モー・イエン)。

このヒトが受賞しちゃったから、しばらくアジア人受賞はねぇんじゃねぇか、って事も聞きました。


別段、村上春樹が嫌いな訳ではありません。好きでもないけど。

それより、候補、候補、受賞、受賞とわめき散らしているハルキストとかいう、気持ちの悪いヤツらが嫌いなのです。

こないだの東京オリンピック開催決定時に泣いてた、フェンシングの太田雄貴とおんなじ位気持ちが悪い。

お願いですから、静かにしていて下さい。


あ、あと村上春樹をありがたるヤツって、マックをありがたがるヤツとダブるんですよね。うぜー。

『(村上春樹の)人気を支えているのは、ファッションとして読む人たち』太田光(ニッポンの漫才師・1965~)



本日の処分品。


100均と思われる小物入れ。なんだかんだで10年選手。


ノート。なぜこんなモノを持っているのか不思議です。全く買った記憶がありません。


ステッドラーのシャーペンとノンブランドのシャーペン。


ジッポ。ブラディ・ドールシリーズを読みまくっていた頃、よく使ったものです。


近影。ちなみに次元大介は未使用であります。

吉田修一の巻。

2013年10月08日 | 枯渇した生活に豊潤な読書を
吉田修一著【愛に乱暴】を読了しました。

僕は完全に直木賞派。吉田修一は芥川賞作家なんで、しばらく手を出しておりませんでした。

ですが、数年前、映画【悪人】がヒットしたので読んでみる事にしました。

そしたら、とても面白かった。純文学というよりは大衆文学だと思いました。

その後、【平成猿蟹合戦図】を読了。これも面白かった。

一人称多視点って現在における文芸界のベーシックラインなんですかね。

んで、3冊目に読んだのが【愛に乱暴】なんですね。

日記形式での一人称と、通常の三人称での物語が交互に挿入されております。

このパターンは、明らかに『日記パートに仕掛けがある』と思わせてくれます。

まぁ、ホントに仕掛けはあったんですが、思った以上の効果を僕は感じました。

主人公である40過ぎの主婦・桃子、その夫・真守、真守の愛人・奈央、舅姑、それらを取り巻く登場人物がみんな、ステレオタイプで描かれます。

この、登場人物がステレオタイプである事が、桃子の崩壊を際立たせたのではないか、と読後強く思いました。

別段、珍しい設定でもなければ、珍しいキャラクターがいる訳でもないのに、中盤よりグイグイ引き込まれたのは、ひとえに吉田修一の筆力でありましょう。

桃子の異常性を、チョコチョコと小出しにしていくリズム感も『さずがだ』と感心しました。

さて、僕はオトコですが、夫・真守に激しい怒りが湧きました。

別に、浮気反対派では絶対ないのですが、あまりにもバカな真守が元凶なのかな、と。

ま、裏切るヤツぁ、ふたたび裏切りまからね。


最後に。

【葉月】って誰だったんだろう。

『良書を読むための条件は、悪書を読まないことである』アルトゥル・ショーペンハウアー(ドイツの哲学者・1788~1860)


本日の処分品。


軽量カップ。もう1個軽量カップがあったので処分します。

旅の巻、ふたたび。

2013年10月04日 | 無聊な生活にさすらいの旅を
人生において、8泊9日という久々の長旅であった北海道の旅から戻り、約2週間が経ちました。

それなりにインパクトがあったのか、いまだにボーっとしてしまう時があります。

さて、今回の旅も含め、僕が旅に求める形態というのが、ようやく分かった気がします。

要するに、『流れ歩くバックパッカー的旅行』よりも『グラス片手にバカンス的旅行』ってコトです。

『流れ歩くバックパッカー的旅行』って疲れるんですよ。

まぁ、ある街に行った場合、しばらくその街に逗留するのであれば、疲れは軽減されるのでしょうけど。

今回の北海道の旅は、毎日が移動でしたから、とにかく疲れました。

やっぱ、南国にあるホテルのバルコニーでボーっと海を見ながらビールを飲むって方が良いですな

だって、楽だもん。

歳もあるけど。

また、【疲れる】って以外に【飽きる】ってのもあるんです。

いろんなトコ行って、名所旧跡・寺社仏閣等の観光名所をぼんやり眺め、中心街をブラブラ歩き、そこそこ有名なご飯屋さんで食事をとり、夜はスナックで飲んだくれるって、マジ飽きます。

基本、旅人向きじゃあないのかなぁ・・・。


今回の旅で見かけたヒトのお話しをひとつ。

網走駅近くのコンビニで、中年白人男性が買い物をしてたんですが、このヒト、ホームレスすれすれの旅人でした。

気温が下がったとはいえ、9月中旬の網走は25℃を下回る程度なのに、ダウンを着てます。

なのに、下はチノの半パンで靴はワークブーツという出で立ち。

肩掛けバッグを持っていますが、おそらくあれが全所持品でありましょうな。

まさに、『トランクひとつで暮らしたい』とか、寝言を言っている僕向きのおヒト

なんですがー。

汚いんですよ。その白人のオッサン。

ホームレス程じゃあないんですけど、薄汚れており、臭うんです。

あれが、【旅の垢】なんでしょうな。

大昔、ひとりでスペインを旅した時、ほんのちょびっとだけ接触したニッポン人がいました。

いまから思えば、そのヒトは20代後半位のものでしょう。

それにしても、そのヒトも崩れていました。

まさに【旅の垢】が目に見えて分かっちゃう様な。



トランクひとつの流れ者ってぇのも格好良く思いますが、存外実際はそんなものなのかも知れません。

『人生とは旅の様なもの』とよく耳にします。

スタイリッシュに旅を続けるのは、スタイリッシュに人生をおくる事と同じ位難しいのでしょう。


『あちこち旅をしてまわっても、自分から逃げることはできない』アーネスト・ミラー・ヘミングウェイ(米国の小説家・1899~1961)


本日の処分品。



これを広げると結構大きなバッグになります。海外旅行の際は、お土産用にいつも持って行っていくのですが、購入して20年、一度も使用していないので、処分。



ワイハで大量に買ったマカダミアナッツに付いて来たキャスター付きバッグ。これも『使うかも』って取って置きました。かれこれ10年位。

上記2点はキャリーケースに入ったままだったので、処分に着手出来ておりませんでした。

普段、見慣れないモノもちゃんとチェックしないとダメですね。