サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

デフリンピックは続く 女子バレーに注目!

2017年07月25日 | デフリンピック

トルコサムスンで開催中のデフリンピックにおいて、サッカー男子日本代表は残念ながらグループリーグ敗退。出来ればその戦いぶりを肉眼で見ておきたかったのだが、今大会は残念ながら現地に赴くことが出来なかった。
初戦のウクライナ戦に勝利したあたりから「少なくとも決勝トーナメントからは行くべきではないか」と、毎日毎日航空券のサイトを覗いていた。
 「行くか?行かないか?」
結局は、予約できるぎりぎりのタイミングで断念。グループリーグ最終戦キックオフの11時間前のことだった。決勝トーナメント進出は確信していたが、こちら側の諸事情で「行けない」という判断だった。
もし「行ける」ということになり航空券を予約していたら、敗戦のショックはさらに凄まじいものになっていただろう。

行きたいという気持ちは、男子サッカーの戦いぶりを生で観たいというだけではなかった。女子バレーと水泳を観たいということも大きかった。
サッカー男子決勝トーナメントとともに、女子バレー準々決勝、準決勝、決勝、水泳の最終日、卓球の個人戦、女子サッカー決勝、空いている時間で陸上観戦、その他は現地で考える。そういった仮の旅程を組んだ。
結局は行かないことになったわけだが、今大会はライブ中継やハイライト動画配信がある。

そこで注目なのが女子バレーだ。
前回大会では国内合宿を何度か取材、現地のブルガリアでもほとんどの試合に立ち会った。
女子バレーに注目した理由は2つ。前回大会の取材は男女サッカーがメインだったが正直メダルはつらいかと思っていたということもあり、メダルを取れそうな女子の団体競技であったということ。もう一点は北京五輪に出場した狩野美雪さんが監督だったから。その狩野(川北)監督が今大会も引き続き監督を務めている。
 

女子バレー日本代表は先ほど準々決勝でブラジルと対戦。第1セットを先取したが、第2セットは先行を許す展開、しかし逆転でものにすると、第3セットも連取。終わってみれば3−0で準決勝進出を決めた。
日本はグループリ−グの4試合、そして準々決勝となんと1セットも失っていない。 

準決勝の相手はウクライナとロシアの勝者。前回圧倒的な強さで金メダルを取ったウクライナが勝ち上がってくると思われるが、現在ロシアと試合中。1セットを先に取られて追う展開。ウクライナも4年前ほどの強さはないのだろうか?
(追記 ウクライナがロシアに3-1で勝利。準決勝進出)

日本は前回大会銀メダルを獲得したが、グループリーグ、決勝の2戦で勝てなかった相手がウクライナ。ウクライナはだんトツの力を見せつけ3連覇。今大会はアメリカにグループリーグで敗れているが強敵には間違いないだろう。

ウクライナを倒すためにも、日本の4年間はあっただろう。まったく取材に行けなかったんですが…。
ともかくこの試合は目の離せない試合となるはずだ。
日本時間、明日26日水曜日17時〜。
今日の準々決勝は中継がなかったが明日はきっとあるだろう。あってほしい。

そしてウクライナを倒して決勝に進めば、待ち受けているのはおそらくアメリカ。前回大会では準決勝で対戦。激闘に次ぐ激闘で勝利をもぎ取った試合だった。
前回大会の模様は過去の記事を参照してください。
 デフリンピック通信8~女子バレーチーム決勝進出!

あらゆる障害者スポーツの試合の生観戦で、最も感動した試合でした。 

決勝は(日本時間)28日金曜日21時〜 。決勝は間違いなくyou tubeのデフリンピックチャンネルで中継があるでしょう。
準決勝、決勝(に進んでくれるでしょう)ともに必見です。 

ちなみに前回、大会後スポナビに書いた記事はこちら。
https://sports.yahoo.co.jp/m/column/detail/201308050008-spnavi


今大会、アメリカ選手団の団体競技の多くは参加を見送ったがバレー男女だけがデフリンピックに参加している。
陸上、水泳、自転車、マウンテンバイク、テニス、ゴルフなどの個人競技は参加。
他の団体競技は、バスケットチームの以下のfacebookの書込みにあるようにテロ等を警戒して参加を見送ったものと思われる。
“We regrettably inform you that USA Deaf Basketball has reached a decision to withdraw from the 2017 Deaflympic Games in Samsun, Turkey amid safety concerns. ”

強豪バスケットチームを始め、4連覇中の女子サッカーも不参加。そのなかでバレーは強い思いがあったのか?デフリンピックへの参加を決めている。
そういった意味でもバレー競技の金メダルは正真正銘の世界一だ。 


テロについて言えば、開催都市サムスンは地理的政治的にもっともテロが起きそうにない都市に思える、逆に言えばテロを起こすメリットが感じられない都市かと思う。そういった観点でも選ばれたのかもしれない。
もちろんイスタンブールの空港は狙われる可能性はあるだろうが、デフリンピック選手団はトルコの威信にかけてでも守るだろう。
またデフリンピックそのものもオリンピックとは違い、ターゲットにしにくい存在だろう。少なくとも現在では社会的弱者(の側面もある人々)の大会でもあるデフリンピック、パラリンピックはターゲットにはならないだろう。
ちなみにサッカーも地球一番のメジャースポーツで貧しい者も多くがプレーしていることからサッカーはテロのターゲットに成りえないと思っていたが、もはや聖域ではなくなった。 


ともかく女子バレーの2試合は、最近、初めてデフリンピックを知った人にとっても格好の試合かと思う。
日本から応援しましょう!

(追記)
日本はウクライナをセットカウント3-0で下し決勝進出。
決勝の相手はアメリカを接戦の末破ったイタリア。