風の詩(kazenouta)2

いつも喜び、たえず祈り、すべてを感謝する
そのような日々を過ごしたい。

『映画を早送りで観る人たち』 稲田豊史 著

2023-09-02 20:05:40 | ドラマ・映画・演劇

図書館に予約して、かなり長く待った本

『映画を早送りで観る人たち』 ファスト映画・ネタバレー コンテンツ消費の現在形

 稲田豊史 著 光文社新書

 

この著者は、仕事として映画をたくさん見て、その要約をするために、

早送りで、たくさんの映画を見ていた、、、という経験がある。

ところが、同じ映画を、普通の速度で見たら、受ける印象が全く違っていて

愕然とする。

そこからこの本は始まっています。

作品のことを、コンテンツ(情報の中身・量)といい。

鑑賞するのではなく、消費するという。

***P25   「鑑賞」は、その行為自体を目的とする。

 描かれているモチーフやテーマが崇高か否か、芸術性が高いか低いかは、問題ではない。

 ただ作品に触れること、味わうこと、没頭すること。

 それそのものが独立的に喜び・悦(よろこ)びの大半を構成している場合、

 これを鑑賞と呼ぶことにする。

****P28   「ファスト映画」 数分から十数分程度の動画で映画1本を結末まで解説するチャンネルが、 

   YouTube上に多数存在する。 ファストfastとは(迅速な・即席の)という意味。

 「ファストシネマ」「あらすじ動画」などとも呼ばれる。

************引用終わり*****

 

著者は、速読や、抄訳とは、次元が違うと言われる。

比較ができないと言われる。

 

このファスト映画という言葉を聞いたときは、

私自身は出来ないのですが、速読と同じかなあと思ったりしました。

時間がかかっても、想像力を働かせて、自分の心と頭と魂を通過させたい。

そう思う私なので、「ファスト映画」を、見る気にはなれません。

 

それは、絵画の本物を見ることと、模写・偽造の作品を見ることの違いに

通じるような気がしています。

では、本物の絵の写真や絵画図鑑は、どうなのか?

しばらく考えてみたいことです。

いや、ずっと考えていることのような気もします。

 

真実と虚偽・・・・本物と偽物、模造品。

これは相反するものだと思います。

 

さて、この本の著者、稲田豊史さんは、どのように解き明かしていくのでしょう。

きちんと読みたい。(ページを飛ばさないで)

 まだ序章を読んだだけです。

 

 花火   一瞬で消える花火・・・・本物は迫力があって、おなかにずしんと響きます

  (野口勝利さんからお借りしました)

  ここ数年、いやもっと、空に上がる花火を見ていないなあ かすかな音は聞こえますが。