「言魂」を読みました。免疫学者の多田富雄さんと石牟礼道子の往復書簡集です。
心にしみる一冊でした。
多田富雄さんは、脳梗塞で倒れ、右半身の麻痺と言語障害、嚥下障害という後遺
症が残っているそうです。その上に、前立腺癌がみつかり、食べるのも排尿をする
のもとても苦しい状態だそうです。
石牟礼道子さんは、水俣の苦海をえがき続けてこられました。石牟礼さんもパー
キンソン病と闘っておられます。
自らの病苦と闘いながら、弱者を切り捨てるリハビリ打ち切りや後期高齢者医療
制度と闘っておられる多田さんの姿や、水俣病の患者の方が「ふつうの人生」が歩
めるようにと50年間支え続けておられる石牟礼さんの姿には、ほんとうにこころ
がうたれます。胎児の時に水俣病に罹患した方は、もう50歳。今も病に苦しんで
おられるのですね。この本を読んで、チッソ資本と政府にあらためて怒りを感じま
した。
多田富雄さんは、次のように書かれています。
「私にとって、日常とは本能的な死との闘いです。苦しみが日常になっているか
ら、それに耐えることも日常になったのです。」
「人間は受苦によって成長しますが、気を許すと人格まで破壊されます。今は苦し
みと対抗して、何とか魂のほうが優位に立つことが、私のささやかな生きがいにな
っています。いやいや、まだ破壊はされていないぞと、毎日勝利宣言をしているの
が心の支えになっています。それも浄土かなと思います。」
多田さんは74歳。これから僕が迎えていく60代、70代の人生に向けて、
「苦しみに耐えることを日常」とする心構えの大切さをあらためて実感した一冊で
した。
心にしみる一冊でした。
多田富雄さんは、脳梗塞で倒れ、右半身の麻痺と言語障害、嚥下障害という後遺
症が残っているそうです。その上に、前立腺癌がみつかり、食べるのも排尿をする
のもとても苦しい状態だそうです。
石牟礼道子さんは、水俣の苦海をえがき続けてこられました。石牟礼さんもパー
キンソン病と闘っておられます。
自らの病苦と闘いながら、弱者を切り捨てるリハビリ打ち切りや後期高齢者医療
制度と闘っておられる多田さんの姿や、水俣病の患者の方が「ふつうの人生」が歩
めるようにと50年間支え続けておられる石牟礼さんの姿には、ほんとうにこころ
がうたれます。胎児の時に水俣病に罹患した方は、もう50歳。今も病に苦しんで
おられるのですね。この本を読んで、チッソ資本と政府にあらためて怒りを感じま
した。
多田富雄さんは、次のように書かれています。
「私にとって、日常とは本能的な死との闘いです。苦しみが日常になっているか
ら、それに耐えることも日常になったのです。」
「人間は受苦によって成長しますが、気を許すと人格まで破壊されます。今は苦し
みと対抗して、何とか魂のほうが優位に立つことが、私のささやかな生きがいにな
っています。いやいや、まだ破壊はされていないぞと、毎日勝利宣言をしているの
が心の支えになっています。それも浄土かなと思います。」
多田さんは74歳。これから僕が迎えていく60代、70代の人生に向けて、
「苦しみに耐えることを日常」とする心構えの大切さをあらためて実感した一冊で
した。
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