遊びをせんとや

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ザリガニの鳴くところ ~自然の中の動物としての人間~

2023-07-30 08:20:55 | ブックリスト
本屋に並んでいる時から読んでみたかったが、新刊を買うのはためらわれた。
映画化もされた。

ザリガニの鳴くところ

遅ればせながら、図書館で予約したら70番目くらいだった。幸い15冊くらい冊数があるのでそのうちに回ってくるだろうと待ち望んでいた。
借りてきて2日間で読了。
最初の日に午後から夕食を挟んで珍しく夜中の12時までで3分の2ほど読んでしまった。

作者は動物学者のディーリア・オーエンス

写真はWebからお借りしました。
驚くことに小説を書くのは初めてという。69歳にしての処女作。
それまでにノンフィクションの動物に関する本は出していたが、、、。
瞬く間に全米でベストセラーに

全体の構成、描かれている社会の問題、自然の営、自然の美しさ、人間の業、そしてミステリーとしてもハラハラする。
動物学者としてアフリカにも滞在し、今もアイダホ州に住み、動物保護活動を続くけている作者の描く自然は本当の観察と洞察が裏打ちされているので圧巻である。そして作中に散りばめられている詩。小さなころから小説家にもなりたかったそうだ。
その夢を70歳近くなって実現するのは凄いエネルギーだと思う。尊敬。
和訳も読みやすく引き込まれた。

週末に娘が帰ってくる夕方までに午後からすぐに映画も観た。

写真は全てWebからお借りしました。
よくできていたが、先に原作を読んでからで良かったと思う。
私は原作では酷い小屋となっていたが、カイアの小屋内の様子がとても素敵だと思った。

いつもベッドがある玄関ポーチ。原作では穴だらけの網で囲まれたポーチとあるが、こんな風になっていたのねと。
室内

カイアの描いた生物画や採集した羽や貝が素敵。

原作の湿地はノース・カロライナ州の架空の湿地となっているが、モデルとなった湿地帯は今は動物自然保護区となり州立公園になっているそうだ。