遊びをせんとや

毎日できるだけアンテナを張って
おもしろがりながら楽しみたい。
人は「遊びをせんとや生まれけん」です。

私がバグダッドカフェが一番好きなわけ、宮沢賢治がきらいなわけ

2011-05-21 15:32:58 | 舞台、映画、DVD
 一番好きな映画は?と聞かれると、、。色々思い浮かべるのだけど
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」も捨てがたいし
と思うがやはりこれが最後に私の中では一歩抜きん出る映画になる。

 もうかれこれ20年以上前、
休みの日に美術館などに出かけた次の週は
よくツタヤで1,2本ビデオを
借りてきてのんびりと自宅で観たものだ。

 若かりし頃にジョニー・デップとレオナルドデカプリオが
競演した「ギルバート・グレイプ」も感心したものだが
 ふと借りた地味な映画「バクダッド・カフェ」が心に
残っていた。



                              

 


あらためて最近、完全ノーカット版のDVDが発売されたので
安くダンナが買ってきてくれた。
 それを私が見る前に娘が見ていた。

 ドイツの監督さんだったんだ。
主演の女優さんも美人で有名というわけでもなく
脇の人も聞いたことがない役者ばかり。しいて言えば
古い西部劇に出ていたジャック・パランスが出てる。

でもとりわけ観終わるとなんだかほんわりとするストーリー。

 一言で言えば、砂漠の中の一軒のモーテルも兼ねているカフェ。
そこでささやかに繰り広げられる旅行者のすれ違いのロードムービー
のような映画と思いきや結末はそうでもない。

 近年なんでこんなにこの映画に惹かれるのかとふと考えた。

それは「今ある現状に困難を明るく自分のできうる力で打破し
かつ自分も心楽しく暮らしていく。」というコンセプトを
感じるからだと気がついた。

 最近、宮沢賢治の「やまなし」
が新聞に載っていた。
 娘がこの話が小学生の時
教科書に載っていてとても印象に残っている部分が
あるという。
 それはそこにでてくる川に流れている
「やまなし」がいつの間にやら熟してお酒になってそれを
かにが飲むという部分だそうだ。
 娘は子ども心に「やまなし」で作ったお酒ってどんなに
おいしいんだろうって思ったそうだ。梨のすっぱさと
甘さがあいまってお酒になっているなんて!
 小学生にとって心浮き立つ飲み物だったそうだ。
 
 私は宮沢賢治が嫌いだ。
 「よだかの星」のように誰かが犠牲になって
みんなの幸せを作るというのがどうもうさんくさい。
だれも犠牲にならないで、みんなが幸せになるような
システムがあれば一番いいと思っている。

 バクダッド・カフェの主人公は自分も幸せになり
周りに貢献でき、場を幸せにする。

 そんなふうに年齢を重ねていけたらいいなと
ふと最近思う。