川本ちょっとメモ

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「主婦こきおろし」税調委員批判-「主婦」がいなければ地域社会が成り立たない!

2005-07-24 13:47:38 | Weblog

7月23日の記事「家でごろごろしている主婦」-専業主婦侮蔑発言をお読みください。政府税調委員会の議事録を転載しました。

◇「地域力」が求められています
最近よく「地域力」ということばが使われています。警察を中心とする防犯関係の会議や講演会で、「地域の協力が重要なカギ」だというような話がくりかえされています。

学童・生徒の非行防止や生活指導、痴漢追放についての教育関係の会議や講演会でも、「家庭の教育力が落ちた、地域の協力が必要だ」などという話がくりかえされます。独居老人のアフタケアなどについても、福祉行政では地域のボランティア活動に頼る部分があります。

◇「地域力」-自治会と防犯
「地域力」って何でしょう? 私が400世帯ばかりの自治会の会長をしていた4年前に、隣接の自治会長さんと力を合わせてニュータウンの半分で6自治会連絡会を立ち上げました。6自治会連絡会はその後順調に運営されていて、防犯に成果をあげています。昨年は優秀な自治会長さんの下で空き巣ゼロを達成しました。

一つの自治会には20人~30人の班長さんがいますから、毎年100人以上の班長さんが防犯活動に心を砕いているわけで、これが自治会活動の一環として継続されています。そして班長さんのほとんどが「主婦」です。

◇「地域力」-PTA、子供会、老人会、青年会議所
学童・生徒の安全を守るということについては、このごろでは緊急避難所としての黄色い旗を立てている家が目立ちます。それらは小中学校のPTA役員、子供会役員、老人会会員、あるいはそれらの役職経験者の家がほとんどです。また地元育ちで地元で仕事をしている青年会議所のメンバーも、よく活動をしています。

◇独居老人の世話
独居老人の家に配食するボランティアがいます。この人たちは、配食サービスをすると同時にその老人の健康状態にも気をつけています。無事に毎日をすごしているかどうか、気配りをしています

私が住んでいる所の老人会では、独居であるかどうかを別にして、老人会の会合に欠席しがちな老人の自宅を家庭訪問しています。当人の元気が出るよう、心配りをしています。

◇「主婦こきおろし」政府税調委員は「地域」で仕事をしていない?
政府税制調査会の委員の一人が、5月の委員会で主婦をこきおろしました。

おそらく「主婦こきおろし」政府税調委員は、地域のお世話をする仕事をしたことがないのでしょう。地域社会の発展とか、地域や家庭の教育とか、そういったことにいろいろと講演をしているとしても、実際に体を使って働いたことのない委員さんでしょう。

地域で体を使ってお世話した経験のある人なら、決して言えない発言でありました。そういった分別のない人が国の政策にアドバイスをする審議会委員であることを、嘆くとともに憤りを覚えます。

◇報酬のない仕事はやりません!
人々が職場で働いているウィークデーにも、その人たちの居住地が無人のまま守られているのではありません。行政役所、学校、警察、消防だけが地域を守っているわけではありません。

ここのところが現役で働いている人たち、とりわけ指導的な立場にある有能な人たちにはなかなか理解できないようです。そういう人たちは頭がいいうえに口も達者ですから、わかったようなことをいいます。しかし住んでいる場所で何もしていない人に、地域のことがわかるわけもありません。何しろこの人達の多くは報酬のない仕事をしません。

◇「銭勘定」で評価できない物事について「無能な人」
社会の第一線で優秀な仕事をしている人たちのほとんどは、仕事の値打ちや仕事をする人の値打ちを経済効果、すなわち金銭で測定する癖が心底身についています。

売り上げ、生産原価。公共事業にあっては事業費の算定、予算計上。年金、健康保険、税金の税制論議。証券会社、銀行・信金、サラ金、カードローンなど金で金を生む仕事。有り体にいえば、すべては「銭勘定」です。「銭勘定」は仕事を進めるうえで必須の能力です。

社会で優秀と認められている人たちの多くがこういう生活にどっぷりつかっていますから、「銭勘定」という尺度で評価できない物事について、「無能な人」が多いのです。

◇老人会、幼・保・小・中のPTAや保護者、子供会、宗教団体、ボランティア団体
私の住んでいる郊外住宅地で昼間に活躍している地域の団体は、宗教団体やさまざまなボランティア団体を除けば(ボランティア事情について私はくわしくありません)、老人会、幼・保・小・中のPTAや保護者、子供会です。

◇「主婦」がいなければ地域社会が成り立たない!
自治会の班長さんとして、年ごとの当番の役目を果たしているのは「主婦」です。男性は家庭にあって奥さんの相談役になってはいるでしょうが、自治会の仕事の現場にはほとんどおりません。そういう現場にいる男性は、居住地で仕事をしている自営業等の人で数が少ないのです。

子供会の世話をしているのも、日常は主婦です。幼・保・小・中のPTAも主婦によって運営されています。男性が活動の戦力になるときは、休日イベントに限られます。

◇ゴミ出し、地域清掃-「主婦」が働く女性や病気の女性の身代わりで世話をしています
ついでに言えば、自治会活動の大切な仕事に町の美化があります。美化とは花植えなどもありますが、ほとんどの仕事がゴミ処理と清掃です。

家庭ゴミは指定場所に集積して回収を待ちますが、その指定場所によそから棄てに来る人が時おりいます。回収日の朝は、集積されたゴミ袋を整理したり、カラスから守ったり、回収後の清掃をしたりと、当番の主婦が世話をします。そして共働きや病気の家庭、状況によっては老人家庭の分も、身代わりで世話をしています。

◇税調委員様、 あなたは隣近所の「主婦」の世話になっていませんか?
このごろではフルタイムで働く奥さんもけっこういます。完全な共稼ぎ夫婦です。私が住んでいる郊外住宅地の自治会では、共稼ぎ世帯が地域で分担するべき仕事を、隣近所の主婦が身代わりにやっています。

共稼ぎ世帯が参加できるのは、休日の会議やイベントに限られます。しかし地域の仕事のほとんどがウィークデーに必要とされています。そして、何かの都合で回収日にゴミ袋をだせなかったりすると、よその回収場所へ自動車で持っていく人がいます。そして持って来られたところの当番から苦情が出ます。また出勤の都合で定められた時間内にゴミ袋を出すことができない家庭もあります。勤めがありますから、回収場所の清掃当番はできません。

◇税調委員様、「主婦」は忙しいのです
これらのアフタケアを、すなわちゴミ袋を預かったり、代わりに清掃当番をしたりしているのは、隣近所の主婦です。世話をしている奥さんたちも、このごろでは多くの人がパートで働きに出ています。その時間調整に苦労をしながら地域の仕事をしているのです。

私の住んでいる自治会領域で、平日の午後にピンポーンピンポーンを鳴らします。たいがいはなかなか人が出てきません。留守宅が多いのです。ピンポーンをくりかえして時に人が出てきますと、決まって定年退職男性です。「主婦」は忙しいのです。定年退職男性の奥さんも忙しいのです。



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