川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
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小企業社長のささやかな脱税

2009-12-16 12:31:26 | Weblog

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私は一つ年上のおじさんの仕事を手伝うために奈良県に移住しました。1983年のことでした。

創業3年目のそのとき、おじさんの会社は小さな貸事務所1室を借りていました。私は4人目の従業員で、身内である私は社長の右腕として勤めました。それが4車線の主要地方道に面する優良の地に4階建ての自社ビルを建て、最大約30人の従業員を抱えるまで発展しました。1998年に退職したとき、会社はほぼ全盛期にありました。

私は社長の右腕として経営を手伝い、営業と総務・経理事務のすべてに従事してきました。自社ビルが建つまでの間には、毎年税務調査が入った時期がありました。

そのころの税務調査は、主として社長であるおじさんの個人問題に焦点を宛てていました。大阪の繁華街での飲食や買い物を交際費計上しているものについて、徹底的にチェックしていました。

社長は、お歳暮やお中元の時期に自分用のオーダーシャツやオーダースーツを作っていました。あるとき、税務調査にやってきた係員がデパートの請求内訳を手に持って尋ねました。

「これも贈答用ですか」
「そうですよ、得意先の人です」
「そうですか、デパートで発注伝票を見せてもらったら、ネーム入れ指示が社長さんと同じ名前でしたが……」

この一言で、社長はかぶとを脱ぎました。修正申告をして追加納税をしました。そんなごまかし経験をしてから、社長は三人の子どもに合法的な無税贈与を積み重ねていきました。毎年、無税の限度額きっちりの金額を子ども個人名義の預金通帳に入金していきました。20年たったらたいそうな金額になりました。その社長は昨年夏に亡くなりました。縁えにし深い、わたしの伯父でした。

このようにお金を稼ぐ人は、ふつうの勤め人よりはるかに金勘定に敏感です。もうけることに敏感であり、お金を自分や家族に残すことに敏感であり、税金を可能な限り払わないということにも敏感です。このことはしかし、人の気持ちとしてあたりまえのことです。ただし、ごまかしがない限り……。



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