川本ちょっとメモ

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原発学習(11) 放射線――ガンは若い人ほど起こりやすい、ガンの成長は数年後から数十年後

2011-06-13 07:05:29 | Weblog


05/04 ■ 原発学習(1)初歩の初歩から勉強をすることにしました
05/05 ■ 原発学習(2)固体1立方センチにびっしり詰まっている原子とサハ
     ラ砂漠を5メートルの高さで埋め尽くす砂粒

05/06 ■ 原発学習(3)「原子番号」は陽子の数を示し、アイソトープとは
     日本語で「同位元素」のこと

05/13 ■ 原発学習(4)原子は崩壊して放射線を放つ、そして元素が変わる
05/14 ■ 原発学習(5)原発使用済み燃料に1mまで近寄ると1分で死にま
     す!

05/22 ■ 原発学習(6)放射能・放射線の単位、人体への影響の測定用語
06/05 ■ 原発学習(7)ベクレル(Bq)からシーベルト(Sv)への換算方法
     解説

06/06 ■ 原発学習(8)「直ちに人体に影響を及ぼすものではない」とは、
     「いつかは影響がある」ということか?

06/08 ■ 原発学習(9)目安の数字は1時間当たり0.12と2.29マイクロ
     シーベルト

06/12 ■ 原発学習(10)放射線はDNAを傷つける
06/13 ■ 原発学習(11)放射線――ガンは若い人ほど起こりやすい、ガンの
     成長は数年後から数十年後

06/14 ■ 原発学習(12)お腹の中の赤ちゃんと放射能
06/15 ■ 原発学習(13)高線量被ばく死亡――染色体全破壊、すなわちDN
     A全破壊の実例

06/16 ■ 原発学習(14)高線量被ばく死亡――皮膚も内臓粘膜も筋肉もすべ
     て壊れた

06/17 ■ 原発学習(15終)半減期 半分じゃダメ ゼロになるのはいつ?
06/18 ■ 原発学習のためのリンク集
06/29 ■ 電力十社 十大株主リスト 機関投資家は原発をどうする‥‥



柳澤桂子著・地湧社刊「放射能はなぜこわい――生命科学の視点から」(1988.11.10.初版)からアトランダムにノート2日目です。小見出しは私がつけました。「P40」という表記は本書記述箇所のページを示しています。

◇柳澤桂子略歴
お茶の水女子大学理学部植物学科卒、コロンビア大学動物学科大学院修了Ph.D.取得(遺伝学専攻)、慶應義塾大学医学部分子生物学教室助手、三菱化成生命科学研究所主任研究員、東北大学理学博士、現在サイエンスライター


細胞分裂が盛んであるほど放射線の悪影響がある
P40 人間のおとなのからだは、六十兆個の細胞からできていますが、この細胞はすべて一個の受精卵が分裂を繰り返してできたものです。したがって、母親のお腹の中にいる間や、おとなになるまでの成長期には細胞は二個が四個になり、四個が八個になるというように、盛んに分裂して増えます。成長がとまるころにはからだの中の大部分の細胞も分裂しなくなります。

P41 けれども、おとなのからだの中でも盛んに増えている細胞がいく種類かあります。背骨の中心にある骨髄では、血液や細胞になるべき細胞が盛んに分裂しています。

P46 盛んに分裂している細胞ほど放射線に弱いということになります。そのために、おとなでは骨髄のような盛んに分裂しているところで細胞のガン化が起こりやすいのです。

P64 骨髄に放射線を浴びると白血病になる率があがります。

P41 胃や腸の内壁の細胞もおとなでも分裂する細胞です。

P41 精子をつくる細胞、髪の毛の根元の細胞などが特に速く分裂している細胞ですが、皮膚などでも垢として死んで落ちた細胞を補うためにいくらかの細胞は分裂して新しく生まれています。

P42 このような細胞の情報テープが放射線によっていためつけられると、その傷は細胞が増えるときにコピーされて確実に新しい細胞に伝えられます。


ガンの成長は数年後から数十年後に現れる
P42 放射線による情報テープの傷がその人にとって何も害にならないこともたくさんあるでしょう。しかし、弱い(※急性障害を引き起こすほどでない)放射線はガンを引き起こすことが知られています。

P42 おとなになると、大部分の細胞は分裂をやめます。成長期の子どもでも、お母さんのお腹にいるときよりは細胞の分裂の速さが遅くなっています。そのようなからだの中で、お母さんのお腹の中にいたときと同じような速さで分裂をはじめるのがガン細胞です。この細胞は止まるときを知らず、その人が死ぬまで分裂を続けます。

P43 少なくとも一部のガンでは、ガン細胞の中に細胞をガン化する情報がテープの中に書き込まれていることがわかっています。

P43 人間の情報テープ(※遺伝子情報のこと)は一細胞当たり三十億個の文字(※DNAを構成する4種類計30億個の分子のこと)でできています。そしてたった一文字が変化しただけで細胞がガン化する場合があります。

P44 ひとつのガン細胞は、直径が0.01ミリという小さいものですから、これが大きなかたまりになって、お医者さんの目で発見されるまでには何年もかかります。おそらく、からだの中ではガン細胞と免疫機構との間で戦いが繰り広げられ、ガン細胞が増えたり、その一部が殺されたりということが繰り返されて、最終的にガン細胞のかたまりができあがるのでしょう。

P44 ですから、ひとつのガン細胞が生まれてから、実際にかたまりとしてのガンが発見されるまでには数年から数十年かかります。


放射能による環境汚染
P46 人間が年を取るにつれて、自然に起こる情報テープの写しちがいは増えてきますし、免疫機構の力も弱くなります。ですから、一般にガンは成人病ですが、放射線によって引き起こされるガンは細胞の分裂の速い、若い人ほど起こりやすいということになります。

P77 自然の発ガン率がなぜこんなに高いのでしょうか。人間が長寿になったこととも関連があるでしょう。けれども、いろいろな環境汚染が関係しているということはないのでしょうか。もし、環境汚染がガンの原因になっていても、その因果関係をつきとめるのは、なかなかむずかしいのです。

P77 これまでに地上でおこなわれた、核爆弾の実験で地球上に降った放射能はチェルノブイリの事故による放射能の十~二十倍であると、カリフォルニア大学のゴールドマン氏は計算しておられます。




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