川本ちょっとメモ

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安倍首相の政治スタイルから同日選を考えてみる

2016-05-27 14:28:18 | Weblog


第2次安倍内閣が成立してからというもの、安倍首相の政治スタイルをウォッチしてきました。


年金積立金「平成27年度業務概況書」発表日の予測が当たった

さいわいにも、安倍ウォッチの結果として、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の「平成27年度業務概況書」発表日が7月参院選後だろうという予測は当たりました。7月29日です。

第2次安倍内閣成立以後の発表日は、厚生労働省のホームページによれば、平成24年度運用状況が2013年7月2日掲載、平成25年度運用状況が2014年7月4日掲載、平成26年度運用状況が2015年7月10日掲載、となっています。違いは明らかです。

安倍政治には、「選挙時期が想定される段階で、国民世論の不興を買うような情報を徹底的に隠す」という特性があります。これが予測の根拠でした。

2016/02/11 安倍内閣の大罪 国民の年金積立金を「株高」誘導に投入 運用の株式比率は20%から50%へ(4止) で下のように書きました。

わたしたち国民の老後のための資産は、安倍内閣の厚生労働大臣の監督下で、政策利用されています。安倍内閣の大罪です。平成27年度の赤字がどれほどの巨額になるのか、しっかり見ておきたいものです。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が「平成27年度業務概況書」を発表するのは今年の夏、7月中旬~下旬です。参議院選投票日以前には発表しないかもしれません。〇〇兆円という規模の収益赤字、こんな悪材料を参議院選投票日前に発表したくはないでしょうから。


2016/03/31 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)平成28年度計画5ページ (3) で下のように書いています。

 平成27年度の管理及び運用実績の状況(運用資産全体の状況、運用資産ごとの状況及び各運用受託機関等の状況並びに新たな運用対象を追加する場合を始めとする年金積立金の運用手法、運用管理委託手数料、運用受託機関等の選定過程・結果を含む。)については7月29日に、四半期の運用状況については8月26日、11月25日及び3月3日にホームページ等により情報を公開する。



株高に直結する経済対策を打つ

安倍政治には、「選挙投票日前2ヵ月くらいの段階で、株高に直結する経済対策を打つ」という実績があります。東証株価は、常に政策期待に寄りかかる習性があって、敏感に反応します。株価上下は毎日ニュースで伝えられるうえ、株高=好景気イメージとして国民の胸に、即、響きます。この勢いで投票日に向うのが安倍スタイルです。

円高株安

2015年夏の日経平均株価は、2015年8月17日20,620.26円上値から9月29日16,930.84円下値まで落ち続けています。その理由説明は、中国経済先行き不安と原油価格低迷先行き不安によるものとされています。

この株価大幅下落の影響を受けて、平成27年度第2四半期GPIF運用状況報告書の期間収益は、株式赤字-7兆9,706億円、債券黒字+614億円、と記載されています。安倍内閣の株式偏重運用の弊害がここに顕れています。

東証株価は2015年秋から年末にかけて持ち直すのですが、2016年頭初日からドカンと株価水準を下げました。その後今に至るまで概況は変わりません。しかも円高も同時進行ですから、アベノミクスは完全に失敗しているのです。

GPIFの平成27年度年間運用状況の赤字額も10兆円前後に及ぶと思われます。

それで、春のうちに参院選用経済対策を打ち出したいところですが、安倍首相はアベノミクス失敗のイメージを避けたかった。

「選挙時期が想定される段階で、国民世論の不興を買うような情報を徹底的に隠す」という安倍政治の特性がここにも表われています。

結果は、伊勢志摩サミットの国際的な盟約の一環としての経済対策という大義名分を正義の冠にして、そこから一気に参院選に打って出る作戦を採用しました。「国際金融分析会合」開催の理由がそこにあります。

日銀メッキ剥げる、財政出動へ

2016年前半は円高株安で持続しています。安倍内閣の経済運営は、日銀の金融緩和による円安導入と、年金積立金を象徴とする公的資金の巨額投入による株高操作オンリーです。実体経済を置いて先行する金融操作偏重のメッキ政策が剥げつつあり、日銀マイナス金利実施を見て、国民一般もようやく目覚めつつあります。

2016年4月28日、日銀政策決定会合は、日銀の有効手が狭まり、手詰まりに陥っていることを印象づけました。

事前の金融・証券筋の期待に反して「追加緩和」を見送ったのです。毎日新聞4月28日夕刊はこう伝えています。――追加緩和見送りを受けて、東京外国為替市場の円相場は一時、1ドル=108円台まで円高・ドル安が進み、東京証券取引所では株価が急落。日経平均株価は前日終値比500円超下落し、1万7000円を大幅に割り込んだ。

安倍首相は、財政出動と、消費税増税延期に傾きました。安倍首相の思いを表したのが、2016年3月16日~5月19日、7回にわたる国際金融経済分析会合です。テレビの報道カメラを入れて大々的に「分析会合」ニュースの便宜をはかったことや、G7参加国を意識した、ノーベル経済学賞学者など著名有識者を招いて聴聞したことから、安倍首相の思惑を推測できます。

日本経済の足踏みはG7諸国と共通するところがある。アベノミクスの失敗ではない。G7諸国に共通の国際的与件によるもので、日本は国際社会の有力な一員としての責務を果たすため、大型財政出動による経済浮揚を図る、という大義名分の下地を整えました。


消費税増税延期の予測が当たった

今朝(2016/05/27)の新聞で、「消費増税延期」のニュースを知りました。昨日の5月26日伊勢志摩サミット首脳会議で、「現在の世界経済の情勢を2008年のリーマンショック直前と似ていると分析」(05/27毎日朝刊)したことが延期確定だとして、一斉に報道されています。

2016/05/18 安倍首相は選挙直近になると「株高」対策を打つ消費税増税は延期か? の項目で下のように書きました。

したがって、私の結論は「消費税増税延期決定」です。予測が当たればいいのですが……。


昨年2015年8月~9月の株価下落を招いた国内外の経済概況は、今も同じ状態で続いています。むしろ現時から立ち返ってみれば、2015年秋の株価回復の動きの方が一時的な振れだったと言えます。

経済状況が足踏み状態から下振れへの恐れがある現在、なんらかの経済対策を打ったところで、消費税10%増税をすれば帳消しになるでしょう。帳消し以上の逆効果さえ見込まれます。

だから、大型財政出動は10%増税延期とワンセットになっています。



衆参同日選は「有り」と思います

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安倍首相の「美しい日本」への使命感、憲法改正への執念

安倍首相は、戦後日本を「美しい日本」へ作り変えることに強い使命感を持っています。尊敬する人に吉田松陰があり、明治維新の原動力になった長州人であることを誇りに思っています。そこには安倍首相自身は東京育ちの東京人なので、東京人が長州人を誇るという滑稽さがあります。

しかし安倍首相の胸には松下村塾が生きているのでしょう。彼の志は松下村塾の塾生として吉田松陰と共に生きていて、彼の気概としては「回天」の意気に燃えているのでしょう。安倍晋三はあり得ないことに、自民党一強国会を基盤にする強力総理大臣として返り咲くことができた。美しい日本へ日本を作り変える! これこそ神国日本の神が、我を日本の指導者に復活させた使命であろう――そういう思いに燃えているのではないでしょうか。

安倍首相の言う「戦後レジームからの脱却」とは、「美しい日本を作る」ことと同じ内容を持つ。そして美しい日本への回天の骨格になるのが自民党憲法草案であり、これを目標に憲法改正をすることに彼は執念を燃やしています。


安倍首相のスケジュール

安倍首相は2012年9月20日、自民党総裁に就任しました。自民党総裁の任期は1期3年、2期までです。総裁任期は2018年9月で終わります。あと2年余り。総裁任期終了まであと2年しかないとなれば、今回の同日選に賭けたいという思いが強いでしょう。

どの道、アベノミクスの今後が抜本的に良くなることは考えられません。だから今が華なのかもしれません。まだ自民党が強い間に衆院選も済ませておけば、2年後に衆院選をやってダメージを受けるよりは比べものにならないほどいい結果を得られる。そう考えるなら、衆院選は一日でも早い方が良い。

今、同日選を済ませておけば衆院任期は4年後の2020年です。安倍首相の自民党総裁任期は2018年。総裁3選を可能にすれば、憲法改正への年月的ゆとりが生まれます。今回衆参同日選で勝利した後、安倍首相は緊急事態法を仕上げようとするでしょう。そして、自民党総裁任期3選をして総理大臣在任を確実にして、憲法改正を確実にする――という安倍政治の絵があるのではないでしょうか。7月の選挙、国民大衆の力で、そうはさせじ。安倍首相退陣に近づけたいと願っています。

衆参同日選をやるだろうと思います

安倍首相のこれまでの政治家にないほどの「美しい日本」への日本改造と憲法改正への、使命感、執念の強さ、そして総裁任期を強く意識しなければいけない時期に入っていることを考慮すれば、首相の同日選への意欲は固い。同日選の結果しだいでは総裁3選への道もなくはない。

そのうえ、G7サミットはオバマ大統領の広島訪問が重なって、日本国内では大きくイメージアップして成功しました。サミット大舞台とリンクさせた大型財政出動と消費税10%増税延期という重大案件を掲げた選挙は、安倍首相にとっては、最良の選挙舞台になりました。

安倍首相は、参院選に向けて経済対策を打ちます。消費税増税なら経済対策を打っても効果がありません。だから消費増税延期はワンセットになります。消費税の再延期は、安倍首相にとって大きな賭けになります。それだけの賭けをするのは安倍内閣延命のためですから、そこまでの賭けをするなら同日選挙もやる、ということになります。アベノミクスは失敗しているという見方が広がっていますから、衆院選が後になればなるほど選挙結果は悪くなるに違いありません。それなら今、衆参同日選をやっていく方がまだ良い。

――こんな流れを想像すると、安倍首相は同日選をやるだろう、というのが私の結論です。勉強のために予測してみました。当たればいいのですが……。

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<私のアピール> 安倍総理退陣を願う

安倍内閣はデモクラシー日本を食い破る強権内閣です。
安倍総理退陣まで、国政で安倍自民党に“No”を !
安倍総理を支持する政党、政治家、安倍総理にすり寄る候補者に、
次の参院選・衆院選で彼ら彼女らに“No”を !

安倍内閣はデモクラシー日本を食い破る強権内閣です。
安倍首相は「戦後レジームからの脱却」をめざしています。
安倍首相の抱く国家像は「明治維新リメーク型日本」です。
平和な暮らしで栄えてきたデモクラシー日本。なぜ壊すのですか?

2012年12月26日、安倍内閣が成立しました。
アベノミクス効果で円安・株高が実現しました。
それは、日銀の過剰な国債購入、GPIFの過剰な株式買い入れを伴っています。

円安効果で輸出大企業が栄えました。同じ円安効果で食品など生活関連品、電気代などエネルギー費が値上がりして、大衆には生活費切り詰め効果がありました。

アベノミクスの円安・株高効果の本質とは、なんでしょう?
国民大衆の生活費で、少数の大企業や株投資家の金庫を富ませている結果ではありませんか?
国の財政を浪費して危険度を高め、年金資金を危ないリスクに賭けることではありませんか?
これまでの実績を見ていると、アベノミクスで国民一般が潤うときは来ません。
そのうえ、アベノミクスはすでに、行き詰まっています。

安倍内閣下で特定秘密保護法が成立しました。安保関連諸法が成立しました。内閣法制局長官と、自民党・高村副総裁と、公明党・北側副代表の三者で手を握って、憲法違反の集団的自衛権を合憲だと、押し通しました。NHKの経営委員や会長には、安倍首相の息のかかった人が座りました。

政府に「批判的な」テレビ論調に政府・自民党の圧力がかかりました。
政府に「同調的な」テレビ論調に、圧力はありません。政府・自民党が「公平でない」のです。
テレビ局や公共の会館管理者などに自主規制が広がっているように見えます。
安倍内閣はデモクラシー日本を食い破る強権内閣です。安倍総理退陣を願っています。

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