川本ちょっとメモ

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安倍首相は選挙直近になると「株高」対策を打つ

2016-05-18 16:30:25 | Weblog

<2016年7月参院選>

アベノミクス手法が「円安株高」の実現にあることは周知のとおりです。円安になると輸出産業が潤います。その可能性を期待できると、日経平均株価も上がります。そうすると大衆投資家の動きが活発になって、世間の雰囲気が明るくなります。

この官製相場、株価に勢いがある間に選挙投票日を迎えるというのが、安倍政権の経済対策の特徴です。


 2015年歳末の株取引概況解説(毎日新聞記事 2015年12月31日)

 今年最後の取引日となる大納会を迎えた30日の東京株式市場は、日経平均株価の終値が1万9033円71銭となり、昨年末終値と比べて1582円94銭(9.1%)上昇して、2012年から4年連続で前年の終値を上回った。4年連続の上昇は2003~2006年以来。また、年末の終値としては1996年以来19年ぶりの高水準となった。

 この日の日経平均株価は、前日の米株高を受けて3日連続で上昇した。終値は前日比51円48銭高となり、約2週間ぶりに1万9000円台を回復した。

 株高の背景には、日銀の大規模な金融緩和が続き、大量の投資資金が株式市場に流入したことがある。金融緩和に伴う円安基調が、自動車など輸出関連企業の業績を押し上げたことも寄与した。日経平均株価は4月(2015年)、約15年ぶりに2万円の大台を回復した。

 だが、8月以降、中国の景気減速で世界的な株安に陥り、9月下旬には1万7000円を割り込んだ。その後は米国経済の回復などを受けて持ち直し、12月に再び2万円台をつける場面もあった。

 市場関係者には「円安などを背景に2016年も上昇が続く」と見込む声が強いが、日本経済の成長が鈍いことに加え、米国の利上げペースや中国経済の動向など懸念材料も多い。

 一方、30日の東京外国為替市場の円相場は午後5時時点で1ドル=120円41~42銭。今年の対ドルでの高値と安値の差は10円01銭で、1973年に変動相場制に移行して以来、最も小さくなっている。


 東証、年頭6営業日続落の衝撃

2015年12月30日大納会の日経平均株価終値は19,033.71円でした。上の新聞記事を見てください。株価を巡る環境はこのようなものでした。ところが年明け早々、日経平均株価終値が6営業日つづけて下落しました。三賀日の前と後の落差に驚きます。

 2016年1月4日 18,450.98 円   1月7日 17,767.34 円
      1月5日 18,374.00 円   1月8日 17,697.96 円
     1月6日 18,191.32 円   1月12日 17,218.96 円               (※9日、10日、11日は土日祝で証取休場)

年頭6営業日続落は、各界に衝撃を与えました。その後も株価は下がりつづけました。各月末の日経平均株価終値は下の通りです。

 2016年1月29日 17,518.30 円   4月28日 16,666.05 円
      2月29日 16,026.76 円   5月17日 16,652.80 円
     3月31日 16,758.67 円


 対ドル円相場の動き 年明けはずっと「円高株安」傾向
  データ出所:FRB(米国連邦準備制度理事会)
  https://research.stlouisfed.org/fred2/series/DEXJPUS

2011年(平成23年)前半 概ね1ドル80~85円 かなりの円高
 この間、3月11日、東日本大震災と東北沿岸大津波発生、福島第1原発がメ
 ルトダウンして、未曽有の大災害が起りました。

2011年8月~2012年9月まで1年余り 1ドル76円、77円台
 近年では最高値の円高で推移しました。

2012年9月13日、1ドル77.41円 ~ 2013年5月22日、1ドル103.52円
 たった8カ月で円安坂を下りました。この間、2012年9月26日、安倍晋三自
 民党総裁、誕生。同12月16日衆院選、自民党大勝利で政権復帰、民主党大
 敗で政権喪失下野。同12月26日、安倍晋三内閣、成立。2013年4月4日、日
 銀、異次元金融緩和を決定。

2013年6月~11月までの半年間 1ドル95円~100円をもみ合う
 7月21日参院選、自民党大勝利。

2013年12月~2014年7月 1ドル102円、103円辺りで安定

2014年8月1日、1ドル102.45円 ~ 12月5日、121.38円
 4カ月で円安を大幅に更新しました。10月31日、日銀、第2回金融緩和 /
 GPIF、ポートフォリオ変更

2014年12月~2016年1月 1ドル120円ライン付近で安定
 12月14日衆院選

2016年2月1日、1ドル121.06円 ~ 5月13日、1ドル109.14円
 一貫して円高更新傾向。


 参院選向け経済対策=株高対策
  証券市場が待っています、私は株高対策なんか反対ですが

2016年の今、東証株価とドル円レートの現況を政府・日銀が黙って見ているわけがありません。日銀の金融操作に手詰まり感があるとはいえ、何もできないわけではない。6回にわたった国際金融経済分析会合も終わった。

EUも米国も日本の財政出動を待っています。外為対策としての円安対策を望んではいません。国際金融経済分析会合での外国識者も、この点で足並みがそろっています。

5月26日、27日の伊勢志摩サミット首脳会議が終れば、満を持した政府経済対策が出てくるでしょう。それは大型の財政出動を伴うはずです。

サミットが終れば一気に、大型経済対策でもちきりとなり、株価も持ち直すのではないでしょうか。そしてその勢いで参院選投票日を迎えます。安倍流選挙直前対策です。対策を早く出してしまえば、投票日のころには熱がさめてしまいます。


 消費税増税は延期か?

日銀の金融対策の幅が狭くなってきています。過度な円安介入については対策を取ると、米国が日本に警告を発しています。このため円安誘導には制限があります。

財政出動については、国の赤字財政の観点から制限があります。しかしこれはすでに歯止めが緩んでいるうえに、G7サミットの要望に応えるという大義名分があれば問題になりません。だから財政出動に比重がかかるものと思われます。

そうであれば、消費税増税を予定通り行うと公式表明するだけで、消費停滞が始まります。駆け込み需要は一時的なものです。8%上げの消費生活への影響は定着しています。回復するわけではありません。10%への増税は、経済効果を図るうえでマイナスになります。

今年始めからの経済情勢と参院選対策の観点で、政府・自民党は消費税増税を延期したいでしょう。与党の公明党の反対がなければ、増税延期だろうと私は予測します。

しかし、公明党の消費税に対する気持ちが強いうえに、自民党は参院選で公明党の力を当てにしていますから、どうなるかわかりません。

結論としては、サミットが終わって大型経済対策発表に合わせて、消費税増税延期の発表がなかったときには、消費税増税を予定通り実施することは決まりでしょう。しかし参院選が終わるまで、安倍首相の意思表明が無いと思います。そして、参院選終了後の早い機会に、消費税増税予定通り実施の発表をするだろうと思います。キツイことは選挙が終わりしだいに始めるのも、安倍流ですから。

<追加>
この記事をアップロードした5月18日夕暮れ後の夜に、安倍首相と公明党・山口代表が会談したというニュースに接しました。山口代表は「会談で消費税増税の話はなかった」と言っています。山口代表がこの話に触れなかったのであれば、安倍首相が増税延期を決定した場合の軋轢を避けたということになります。そしてこれは、山口代表が増税延期の確率がかなりあると見こんでいることを表しています。となれば、公明党は増税延期を受け入れるということです。したがって、私の結論は「消費税増税延期決定」です。予測が当たればいいのですが……。


 安倍首相は選挙直近になると「株高」対策を打つ

内紛ばかりの民主党政権への失望と、2011年3月11日東日本大震災の大津
 波、福島第一原発爆発・メルトダウンを経て、国民は世の中が変わることを
 切実に求めていました。

2012年12月16日衆院選で自民党圧勝、公明党大勝利、12月26日自公連立政
 権成立を選択しました。

2013年3月20日、黒田東彦氏が日銀総裁に就任しました。日銀の総裁、副総
 裁、審議委員は、衆参両議院の同意を得て内閣が任命します。要は、安倍首
 相による推薦人事で、これ以後の 黒田日銀は「安倍内閣御用達」一本道を
 進みます。

 籾井勝人NHK会長を通してNHK操縦をするのと同じやり方です。最近知
 ったところでは、骨董品的保守論者の桜井よしこ氏が、中央教育審議会委員
 になっています。こんな例は枚挙にいとまない状況であろうと推測します。

2013年4月4日、日銀が異次元金融緩和政策を決定しました。

ここで、日経平均株価の趨勢を見てみましょう。

2011年1月4日10398.10円~12月30日8455.35円。2011年の年間趨勢は下降線です。

2012年は、1月の概数8400円から3月概数10200円まで駆け上がり、5月末にまた概数8500円まで駈け下り、その後は8800円を中心に400円ほどの上下幅をくり返して、11月13日安値8661.05円をつけます。

2,012年11月13日安値8661.05円~2013年5月22日15627.26円。株価は一直線に上がりつづけて1.8倍になりました。この間、関係するできごとは――

 2012年09月26日 安倍晋三、自民党総裁に就任
     09月27日 日経平均8949.87円
     11月13日 日経平均安値8661.09円
     12月16日 衆院選で自民党圧勝、公明党大勝利
     12月17日 日経平均9828.88円
     12月26日 自公連立政権・安倍内閣成立
     12月27日 日経平均10322.98円
 2013年03月20日 黒田東彦、日銀総裁に就任                   03月21日 日経平均12635.69円
     04月04日 黒田日銀、第1回異次元金融緩和                    2年ていどで物価上昇2%達成を目標にする           04月05日 日経平均12833.64円

この後2013年は、5月22日日経平均15627.26円で高値を打ち、6月13日12445.38円下値まで下がり続け、また7月23日14778.51円上値まで再上昇します。

参院選投票日は2013年7月21日

日経平均は、4月5日、12833.64円。以後5月22日、15627.26円上値へ続伸。以後、6月26日、12834.01円下値へ続落。4月4日日銀異次元金融緩和で急上昇した株価が、元にもどってしまいました。

政府・与党は気をもんだでしょう。しかし幸いにも株価は、6月27日から再上昇過程に入りました。投票日前7月19日、日経平均14589.91円。そして7月21日参院選投票日を迎えます。

それから2013年の秋まで14000円台を中心に上下をくり返して、11月8日14086.80円を下値にして反転、上昇を続けます。12月30日、日経平均16291.31円。

2014年10月31日 日銀第2回金融緩和
          年金積立金投資先50%株式投入へ 
 2014年12月14日 衆院選投票日

前年師走の日経平均株価好調を受けて、2014年1月6日東証大発会終値、15908.88円。

しかし2月4日14008.47円下値まで、年初から一貫して下落が続きました。その後持ち直しますが、15000円を超えることはほとんどないまま14000円台で上下をくり返し、再び5月19日14006.44円下値をつけます。

2014年5月19日下値から上下をくり返しながら株価上昇。日経平均は9月19日16321.17円高値をつけます。そこからまた転落して10月17日14532.51円まで、下落続きです。

後になってみると、そこで下落は止まったのですが、渦中にあれば不安です。少々持ち直しても不安です。そこで12月衆院選対策の出番になりました。

2014年
 10月17日、日経平均14532.51円
 10月24日、日経平均15291.64円
 10月31日、日銀第2回金融緩和決定、年金積立金投資先50%株式投入へ
 11月04日、日経平均16862.47円
 12月12日、日経平均17371.58円
 12月14日、衆院選投票日
 12月30日、日経平均17450.77円

2014年12月14日衆院選。自民党は当選291議席(2012.12.16.当選294)で現状維持と言える結果。公明党は当選35議席(2012.12.16.当選31)で、勝利と言える結果でした。過半数を制する大与党成立です。

(参考)
安倍内閣の大罪 国民の年金積立金を「株高」誘導に投入 運用の株式比率は20%から50%へ(1)
安倍内閣の大罪 国民の年金積立金を「株高」誘導に投入 運用の株式比率は20%から50%へ(2)
安倍内閣の大罪 国民の年金積立金を「株高」誘導に投入 運用の株式比率は20%から50%へ(3)
安倍内閣の大罪 国民の年金積立金を「株高」誘導に投入 運用の株式比率は20%から50%へ(4止)

2015年の趨勢

 1月 5日大発会、日経平均17408.71円。
 以後、8月17日20620.26円上値まで、ほぼ順調に続伸。
 以後、9月29日16930.84円下値まで、一気に下落。
 以後、12月1日20012.40円上値まで、再上昇。
 大納会12月30日19033.71円。

年金積立金の平成27年度第3四半期運用赤字4兆7302億円の原因として、この8月後半~9月いっぱいまでの株価急落が大きく響いているでしょう。


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<私のアピール> 安倍総理退陣を願う

安倍内閣はデモクラシー日本を食い破る強権内閣です。
安倍総理退陣まで、国政で安倍自民党に“No”を !
安倍総理を支持する政党、政治家、安倍総理にすり寄る候補者に、
次の参院選・衆院選で彼ら彼女らに“No”を !

安倍内閣はデモクラシー日本を食い破る強権内閣です。
安倍首相は「戦後レジームからの脱却」をめざしています。
安倍首相の抱く国家像は「明治維新リメーク型日本」です。
平和な暮らしで栄えてきたデモクラシー日本。なぜ壊すのですか?

2012年12月26日、安倍内閣が成立しました。
アベノミクス効果で円安・株高が実現しました。
それは、日銀の巨額な国債購入、年金資金による巨額株式投資を伴っています。

円安効果で輸出大企業が栄えました。同じ円安効果で食品など生活関連品、電気代などエネルギー費が値上がりして、大衆には生活費切り詰め効果がありました。

アベノミクスの円安・株高効果の本質とは、なんでしょう?
国民大衆の生活費で、少数の大企業や株投資家の金庫を富ませている結果ではありませんか?
国の財政を浪費して危険度を高め、年金資金を危ないリスクに賭けることではありませんか?
これまでの実績を見ていると、アベノミクスで国民一般が潤うときは来ません。

安倍内閣下で特定秘密保護法が成立しました。安保関連諸法が成立しました。内閣法制局長官と、自民党・高村副総裁と、公明党・北側副代表の三者で手を握って、憲法違反の集団的自衛権を合憲だと、押し通しました。NHKの経営委員や会長には、安倍首相の息のかかった人が座りました。

政府に「批判的な」テレビ論調に政府・自民党の圧力がかかりました。
政府に「同調的な」テレビ論調に、圧力はありません。政府・自民党が「公平でない」のです。
テレビ局や公共の会館管理者などに自主規制が広がっているように見えます。
安倍内閣はデモクラシー日本を食い破る強権内閣です。安倍総理退陣を願っています。



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