リスペクトコラムです。
ミシャ監督と言えばJリーグの名将。浦和さんで活躍され、札幌さんの監督に就いてからもしっかり成績を残されています。エレベータ状態だった札幌さんが、ACL圏内をうかがう存在にまで成長したのはどういう采配、戦術を駆使しているのか気になっていました。そのミシャ監督の戦術の一端が垣間見えるコラムがありました。
【北海道コンサドーレ札幌GMに聞いた「コロナ禍のクラブ経営」そしてこれからの「クラブの未来図」#1】
「2020シーズンを12位で終えた北海道コンサドーレ札幌。名将ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(愛称・ミシャ)が2018年の就任以来標榜する『超攻撃的サッカー』は進化を見せ、世界的に見ても異色の戦術『オールコートマンツーマンディフェンス』の実践により、リーグ内でも特異な存在感を発揮。圧倒的な強さで優勝し『Jリーグ史上最強』の呼び声高い川崎フロンターレに等々力で唯一勝利を挙げるなど、このシーズンから取り組んだ新戦術の更なる可能性を見せた試合もありました。」
〔『オールコートマンツーマンディフェンス』誕生秘話〕
「三上GM:「(省略)我々がとった『オールコートマンツーマンディフェンス』という戦術ですが、実はミシャ監督とは、2021年のキャンプから取り組もうということを数年前から話していたものなんです」
「我々はプロですから、当然目の前の試合を勝つことを一番に考えなくてはいけない。一方でクラブの『未来図』を意識した時に、想定よりも半年早いけれども、この特別なシーズンを上手く活かしながらオールコートマンツーマンを取り入れていくべきではないかと。ネガティブに考えず、どうポジティブに捉えていくのかと考えた時のひとつの答えが、2021年からやろうと思っていたオールコートマンツーマンという戦術を2020年から取り入れることでした」
「実際にやってみると、やはり『不安定な面』が見えてきました。具体的には、我々の狙いとする部分が通じなかった時に相手に点を取られてしまう。結果、勝ち点に繋がらないという戦いが続きました。もう一つ、全てがオールコートマンツーマンではなく、対戦相手もしくは90分の中で、この時間帯はオールコートマンツーマン、ここからは一歩引いて、ここからはカウンターを狙う、というような『使い分け』をやっていかなければいけないと思っています」
〔『新戦術』は数年前から温められていた!?〕
「―これは初耳です。『オールコートマンツーマンディフェンス』は、クラブとして既に数年前から実践を予定していた戦術だったということですか?
三上GM:「そうです。具体的に話にあがったのはミシャ監督の1年目シーズン(2018年)の終盤です。まずはミシャさんの『哲学』、広島や浦和でやっていたベースの部分をこの1年やっていきましょう、攻撃的なエッセンスを1年通して落とし込みましょうという話をしました。その上で、我々のような『地域のクラブ』が本当にアジアという舞台でやっていくために何が必要かを考えた時に、やはり他のクラブにはない、自分達にしかできない事をやっていこうという話になりました。そこで出したひとつの答えが、この『オールコートマンツーマンディフェンス』でした」
「ただ、いきなりそれに取り組むのは。当時の選手の成長度などを考えても、今いる選手をまず成長させながら、クラブとチームの『未来図』に繋げていかなければいけないと思っていました。ですから、ミシャ監督1年目の時点では、4年目のシーズン、つまり2021年からこのオールコートマンツーマンを意識して取り組み、それを使い分けできるようなチームに育てていこうという話をしていました」
引用:北海道ニュースUHB
ミシャ監督ベースの戦術だと思っていたのですが、長い視点でのクラブ戦略に基づいた戦術だったのですね。ちなみにこのサイトでは「オールコートマンツーマンディフェンス」について、長所短所で詳しく解説されています。事前にマークする対象の相手選手を決め、その選手にくっついてディフェンスを行う「守備戦術」の一つで、長所は選手の守備能力の高さが生きる事、戦術が極めてシンプルだという事、「適材適所」で選手を配置できる事であり、短所は体力的にきつい事、1対1で負けると、カバーリングが難しいために一気にピンチになる事、攻撃に移しにくい事だとか。
今季から浦和さんに、前徳島のロドリゲス監督が就きますが、このロドリゲス監督も細かい戦術を駆使するそうです。浦和さんの選手からこんなに頭を使うのはミシャ監督以来といううれしい?悲鳴?感想が出たとか。
当ブログもどちらかといえば、監督は戦術家が好きですね。AKB影山さんがビエルサ監督を信奉するように。精神論を叫ぶ監督よりも、例えばネル監督のリアクションサッカーなど、ある程度戦術があるサッカーがいいですね。もっとも、ポゼッションサッカーをしたかったのに、選手レベルでそれができず、やむを得ずカウンターサッカーになった例と同情するシーンもありましたが。さて、札幌さん、今季はどんなサッカーをされるのか。浦和さんも。
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