リスペクトコラムです。
6月4連戦の最後にひどいザマに終わってしまったチュニジア戦。個人的にはW杯予選のオマーン戦とイメージがダブりました。あの時も移動疲れで同じように疲れていた固定メンバー(遠藤選手とか)が機能せずに負けました。あの時も一部の選手への依存が問われました。試合後にメディアにまた酷評コラムが出るかと思いましたが、今回そうでもなかったですね。もう日本国中あきらめモードに入ったのかもしれません。W杯予選でガッカリし、騙し騙し予選を突破できたのに、本戦では死のグループに入ってしまう。顔触れを見渡して、本音ではグループリーグ突破はあきらめていたのに、あのブラジルにもスコア上は善戦し、日本は強くなったのかもしれないと思ってしまい、少し期待が持ち上がったところで第4戦で期待が打ち砕かれてしまう。こういう状況は、当ブログ的には何となくわかっていた事。そんな中での日本代表論。まずは試合の振り返り。NHKの意外としっかりとしたコラム。
【サッカー日本代表【詳細】日本3失点でチュニジアに敗れる】
「サッカーの日本代表は、ことし11月に開幕するワールドカップに向けた強化試合として14日夜、大阪 吹田市でチュニジアと対戦し、守備のミスから失点を重ねて0対3で敗れました。」
「日本は前半、右サイドの伊東純也選手の絶好のクロスボールにノーマークで飛び込んだ鎌田大地選手がシュートをはずすなど得点を奪えず、0対0で折り返しました。後半、日本はキャプテンの吉田麻也選手がペナルティーエリア内で相手を倒して与えたペナルティーキックを決められて先制されました。このあと日本は前の試合でゴールを決めている三笘薫選手や久保建英選手などを投入しましたが、相手の守備を崩すことができず、逆に守備のミスなどから2点を奪われました。日本はアジア最終予選と今回の強化試合を通した合わせて14試合で最悪の3失点を喫し、0対3で敗れました。」
「堅い守備から攻撃につなげるサッカーを目指す日本にとって今月の強化試合では大きな課題が浮き彫りになりました。森保監督は常々、日本のサッカーのスタイルについて「堅い守備から攻撃につなげる」ことを強調してきました。しかし、チュニジア戦で失点したシーンは、いずれも守備の要となるセンターバックのキャプテン、吉田麻也選手が絡みました。」
「『守備の面を一から再確認しないといけない。1つのミスが起きたときに2つ、3つ起きないようにカバーしていくことが必要になってくる』と話し、『個』で解決するのではなく、周囲との連係の質を向上させることが重要になると話しました。もう1つ、今回の強化試合で日本の失点が目立ったのは、後方から細かくパスをつないで攻撃を組み立てる『ビルドアップ』でのミスからでした。第3戦までの3失点はすべてここを狙われました。ただ、森保監督は強豪国に勝っていくために『ビルドアップ』について『絶対やらなければいけないチャレンジだ』と話し、徹底するよう選手に求めています。堅い守備から攻撃に切り替えて得点につなげるために欠かせないプロセスと位置づけていて自分たちでボールを持つ時間を長くすることで失点につながるリスクを抑えるねらいもあります。
今回、守備から攻撃へのつなぎ役となる中盤の遠藤航選手が複数の選手から激しいプレッシャーにあった際、どうボールを運ぶかという問題にも直面することになりましたが、森保監督は『われわれの強みを消されたときに、さらに違うオプションを出していかないといけない。課題を与えてもらった」とあくまで前向きにとらえました。森保監督が目指す『堅い守備』から『攻撃』につなげるサッカーをワールドカップまでどこまで完成させることができるのか。」
まずは攻撃力の不足。精度とセットプレーか。期待の三笘選手も伊東選手も封じられました。相手国に研究されたらこうなるという事ですね。親善試合では多くの相手国がそこまではせずに臨んできましたが、W杯本番では研究尽くされるでしょう。一方の森保ジャパンはどこまで相手をスカウティングできていたのかと思ってしまう。
よく実況で「いい守備からいい攻撃へ」と解説されていました(これって地元岡山もそうかも)。吉田選手はピンチですね。退団報道出てるし。この報道を読むと、ビルドアップ戦術のダメ出しに思えます。強気でアジアでは通用した森保監督の戦術がまた一つ崩れた格好。まさに世界を知らない日本人監督の現実に思えました。他のチームでも観ましたが、4-3-3のチャレンジの失敗か。そして、中山さんという方のコラム。
【もはや手遅れか? 4連戦で露呈した森保ジャパンの深刻すぎる問題】
「基本布陣の4-3-3に、いろいろな選手の組み合わせを試してみて、それぞれにどのような変化が見られるかを見極めたうえで、W杯メンバーの最終選考と本番用の戦い方を探り出す場として、この4試合を使ったことになる。では、森保監督はこの4連戦を終え、本大会用の選択肢を増やすことができたのか? 戦況に応じた効果的オプションを見出せたのか? おそらく、明確な答えは見つけられなかったのではないだろうか。」
「そもそも試合の強度、試合に臨む相手の姿勢やコンディション、あるいは戦い方が異なるため、そこで得られた情報はほとんど本番では通用しないと考えるのが妥当。事実、相手が本番さながらの強度で挑んでくれたチュニジア戦でさえ、そのことは実証されてしまった。つまり、この4試合で試した選手の組み合わせは、絵に描いた餅でしかない。そう考える方が現実的だ。」
「それに輪をかけるようなもうひとつの不安要素は、森保監督が今回の活動の目的としていた『ベースをより強固に浸透させていく部分』だ。この4試合を通してはっきり見て取れた本番用の戦い方として、日本のビルドアップ時にハイプレスをしかけられたとき、安易にクリアして回避せず、ボールをつなぎながらプレスをかい潜って敵陣まで前進することがあげられる。これは今回のシリーズで何度も森保監督が口にしていたことだが、しかし実際にこれを試せたのは、ハイプレスをしかけてきたブラジル戦しかなかった。
しかもその試合で浮き彫りになったのは、プレスをかい潜ろうとしては引っかけてしまい、それを起点に何度もショートカウンターを浴び、ピンチを招いたことだった。そうなった場合の対策も、何も用意されていなかった。
森保監督は、この戦い方については個々がレベルアップすること、ビルドアップの立ち位置を修正すること、選手の予測力を上げることで、問題を解決できると目論んでいるようだが、残された時間で個々のレベルアップがどこまで期待できるのか、また9月のテストマッチ2試合だけで本番に間に合わせることができるのか、大いに疑問が残る。」
もう仕上げの段階なのに、まだ組み合わせテストをやってる事への批判ですね。これは過去の日本人監督にも見られたかな。ここでもいい守備からいい攻撃の限界を言われています。ポゼッションサッカーをやりたいが、強い相手にはやっれるので結局カウンターサッカーに変えざるを得ない。過去の代表でもあったし、J2のチームでもポゼッションサッカーをやりたいが、できないからカウンターサッカーをやらざるを得ないという事象は昔からいくらでもある。本番では結局はカウンターサッカーになっているかもしれませんね。本番までには選手ができるようになっていると思い込んでいるところが、世界を知らない日本人監督の限界なのかもしれないと思ってみたり。
【森保Jはシステムの奴隷になっている。4-3-3の初期配置で硬直、不満と不安を残す6月4連戦に】
〔4-3-3のミラーゲーム。システム運用の完成度ではチュニジアが上だった〕
「日本とチュニジアはともに[4-3-3]。システムは同じだが、運用の完成度ではチュニジアが上だった。[4-3-3]は配置の急所として、センターフォワードの裏が空きやすい。相手のアンカーが立つ、このスペースをどう管理するかにより、守備のスタートの成否が決まる。」
「序盤はサイドからボールを運び、伊藤洋輝から前線の南野拓実へのスルーパスなどで攻略に成功したが、チュニジアはサイドへのアプローチを鋭くしたり、スルーパスに対するDFのスライドを速めるなど、対応した。日本としては一度中央へボールを入れ、相手の守備を集結させてから、サイドへ展開しようとするが、その前に中央でボールを刈り取られる場面が目立った。」
「チュニジア戦に限らず、この4連戦、日本はシステムが硬直化していた。[4-3-3]の初期配置で固まってしまい、立ち位置を動かせていない。システムの奴隷になっている。」
〔森保監督のやり方を完全否定するつもりはないが…〕
「あとは個人頼みだ。遠藤がプレッシャーを受けつつもはがしてしまえば、それで解決するかもしれない。だが、デュエルに長けた遠藤も、四方から囲まれると弱い。得意の1対1ではなくなるからだ。そうした密集の脱出なら、田中碧や守田英正のほうが得意だろう。仮に田中、守田、遠藤の3人で出場すれば、もっと中盤で柔軟性を出せたはずだが、この6月に初めて試した中盤の組み合わせでは、「対応力」を発揮できなかった。
守備時も同様だ。この3人で組む[4-3-3]は、遠藤がアンカーというより、田中、守田、遠藤の3人が並列に立つイメージなので、遠藤が前へプレスに行き、ほかの2人でカバーすることもある。非常に柔軟だ。しかし、今回の[4-3-3]は、遠藤が完全にアンカーのイメージで中盤の底に立つため、前線と後方のプレスが分断され、中盤にスペースが空く場面が目立った。」
「問題は完成度。今の硬直したシステムや戦術で、実戦に耐え得るのか。そこは疑問だ。」
〔森保ジャパンのチーム作りは時間切れが濃厚〕
「もともと選手に委ねるチーム作りは時間がかかる。今回はもっとブーストをかけ、2セット目を模索する必要があったのではないか。つまり、相手のプレスに応じた形を複数用意し、細かく戦術を組み立て、ブラジル戦やチュニジア戦に挑む。森保監督が明らかに本番モードに入ったと、誰もが思うくらいに。そうしなければ、間に合わない。
しかし実際、そこまでの緊張感はなかった。ベンチからのコーチングは今までよりも多く感じたが、内容を見れば十分とは思えない。このままでは森保ジャパンのチーム作りは、時間切れが濃厚だ。」
そうでした。4-3-3同士のミラーゲームでした。FIFAランクが格下のチュニジアの方が完成度が高かったと。ここでも個人頼みの体質を指摘されていますね。戦術が無いから選手個人に頼ってしまう。これはジーコジャパンの時がそうでした。先日逝去されたオシム監督とは真逆なスタイル。でも、4-3-3にはこだわる。ほんの最近までは使っていなかったシステムなので、監督がどこまでリスペクトできているかも疑問。
こうしていろいろ読むと、一番負担が重いのが遠藤選手という事がよくわかります。ドイツのデュエル王者なのに、パスミスやインターセプトで悪く言われる。結局は世界と戦える戦術の引き出しが少ない日本人監督では、選手(一部の固定メンバー)への依存に終始してしまい、本番で世界の強豪国が繰り出す、今まで見た事もないような戦術やプレーに圧倒されて完敗。大会後に「日本らしい戦い方は表現できた」とコメントして終了というパターンかと。
ただ、悲観し過ぎも良くない。過去にはこういう逆境でベスト16に行っている。それは戦術を引っ繰り返した博打戦術で、たまたまフィットし、結果を出せてしまう点。今回も0勝3敗で惨敗するかもしれませんが、1勝1分1敗で決勝トーナメントに行けるかもしれない。でも当ブログから見れば、博打で当たっただけで後には残らず、進化も無いと。
#がんばろう日本 #ThankYouHealthcareWorkers #ThankYouCaregivers