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Jリーグをつかおう! Jリーグ社会連携(シャレン)3

2019-01-21 00:01:04 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 昨日の記事で、傍士さんと新しく就任した米田理事の対談を紹介しました。シャレン(Jリーグの社会連携)を知っていくうちに、このシャレンの仕掛け人が米田理事である事を認識しました。かつて、傍士さんがJリーグ百年構想を布教したように、これからの四半世紀は米田理事が「シャレン」を布教されていくのかもしれません。そんな米田理事の思いがよくわかるコラムを見つけましたので紹介します。
   
【誰かのせいにしてしまいがち。そんな社会を変えたい。Jリーグの米田惠美理事は訴える】
〔「一緒に未来をつくりたい」Jリーグが届けたいメッセージ〕
「Jリーグのビジョンや戦略を策定する時に、「フットボールをどうしよう?」や「集客戦略どうしよう?」みたいな話は当然あるんですけど、社会に向けて発信するには内輪すぎる。そうではなく、一番大事にしないといけないのは「私たちは今まで、社会に対してこういう活動をやってきたけど、これからは“皆さんと一緒に“描いている理想の社会をつくっていきたい。一緒に未来を考えましょう!」というメッセージを世の中に届けるということだと思ったのです。
 なぜ、このメッセージを届けたかったか。理由は2つあります。1つは現代は「共創の時代」だからということ。もうひとつは、Jリーグの経営課題の観点です。全54クラブが地域のために年間計1万8000回のホームタウン活動をしているのですが、「これ以上やれない」「もう限界までやっている」という声が選手やスタッフから出てきていました。それなら、もっと多くの人を巻き込んで、さらに大きな規模で活動をやっていけるようになったほうが、地域にとっても良いですよね。そこで、クラブと地域がこれまでの交友関係から、一歩進んだ関係を築くことが重要だと考えたのです。それが、「Jリーグが」から「皆さんがJリーグと」に主語を変えよう、ということでした。」

 ホームタウン活動に関してずっと思っている事は、地元J2岡山の「ホームタウン」ページがこうなっているのはどうしてなのかという事。岡山がどうなのかは知りませんが、「スタッフが足りないからそんなに活動はできない」「活動レポをHPにあげるスタッフがいないから情報発信ができない」という価値観を持つところがあるかもしれません。そういう価値観がこれからのJリーグの流れについていけるのか。そういう価値観であるうちは、個人的には100年続かないだろうと思っています。

〔スポーツ界にビジネスの血を入れていく〕
「この船はどこに進んでる?今どのあたり?という状況を明らかにして、対外的にも出来た・出来ないを背負うのが経営側の責任だと思っています。」
「Jリーグは公益法人なので、利益や売り上げを上げることだけがミッションではなく、社会的価値も求められます。目指すべき社会的価値の指標をどこに置くか、KGI(重要目標達成指標)の設定が難しく、これまでは出来ないと諦めていました。でも、私は「何かしらの指標を置ける」と思っています。これは会計士時代に培った考え方でなのですが、村井チェアマンが「スポーツ界の良さを失わずに、ビジネスの血を入れていくこと」を大事にしているので、後押ししてくれました。」

 入れるべきビジネスの血は、例えば専スタを作る事だけではないと思います。目指すのは社会的価値(ヒト)であり、「モノ」「カネ」ありきではありません。消費者は敏感です。モノ・カネの価値観がにじみ出ているところに対しては、「どうせ自分ところが儲かればいいと思っているんでしょ?」と陰口を叩かれ、徐々に消費者は離れていくと思います。どうして、数字が伸びないのかわからない、最近多い災害の影響かなぁと思い込んでいるところは、村井チェアマンが口にする「血」を入れる事はできないかもしれませんね。

〔これだけ社会的な活動をやっている団体は他にない〕
「Jリーグと親和性がある、と声をかけたのでしょう。最初はフェローとして、2017年からJリーグに携わることになりました。私は新しく組織に加わるとき、必ずその組織の歴史を紐解くようにしています。」
「Jリーグはいざ紐解いてみると、「壮大な理念はあるが、解釈はそれぞれになっているし、個々が思い思いに動くからエネルギーが分散している」ことが、課題の1つだと分かりました。」
「ビジョン策定だけではなく、さまざまな仕組みを取りいれることで改善を図りました。もともとは、風土をよくしようということでJリーグに関わり始めましたが、そんな経緯から、次第にガバナンス・会計・戦略も携わるようになりました。」
「スポーツが持つポジティブな空気とか、世の中に対するプラスなインパクトがものすごくある。特に、全国に54クラブもあって、これだけ社会的な活動に取り組んでいる団体は他にありません。地域密着を掲げ25年間も活動を続けてますからね。
 ただ、その価値を世の中に届けられていない。少し距離がある人からは、サッカー好きな人がサッカーの試合をやっているだけでしょ、という声が聞こえてくる。Jリーグが持つ価値を早く多くの人に届けたいです。」

 米田理事は一昨年までは「特別研究員」的な立場で、昨季から常任理事という「中の人」になりました。思い思いに動くところがあるから、結局は組織として足を引っ張られている格好になっていると聞こえます。そういう風土を良くする、価値観の矯正を図る第一の手が、先般の、未来共創ワークショップなのかもしれませんね。米田理事の「シャレン」に流れにどこがついて行けて、どこが置いて行かれて衰えていくのか、しっかり見させていただきます。

〔Jリーグの「触媒」になる〕
「外の血を入れて、中の酸素を巡らせていくことを、村井はやりたかったので、その“触媒“として私が選ばれたのだと思います。」
「目指したい未来に向かって全力で走りたい。だから、こっちの方向に一緒に走ろうよと、繰り返し伝えていくことが大事だと思っています。今まで話してきたような組織の大きな目的やビジョンを考えることは、改革のツールの1つでもあります。職員たちと、クラブと、地域の皆さんと一緒に目指すゴールにたどり着きたいと思っています。」

 「外の血」いいですね。栃木さん、鳥取さん、名古屋さんなどはいい効果を上げていると思います。栃木さんはユニレプの売上がジャンプアップしたと聞いています。もっとも、募集してもいい人材が寄ってこないところはどうしようもないですが。県民性もあると思うし、ムラ意識で余り前例を変えたくない価値観が強いところがあれば、盲目的になり、「ヒト」ではなく、「モノ」「カネ」に走っているのかもしれません。そういう面でも特にそういうところは、外の血が必要だと思います。ムラ意識に染められた古い抵抗勢力をぶち壊す人材が来れば、(例えば)J1に行けるかもしれません。
 
〔Jリーグは「トリプルミッションの組織」〕
「「Jリーグをつかおう!」で社会連携のメッセージを外に向けて発信してから、「何か面白いことをしている」「社会への発信が増えた」「ソーシャルグッドな方向に行こうとしてるね」と言ってもらえることが増えました。」
「Jリーグの職員からも「サッカーと興行を両立することを考えてきたけど、そこに社会がついてくるとは思っていなかった」といった声が聞こえますね。」
「私は「Jリーグはトリプルミッションの組織だ」ということをよく話します。NPOが社会課題の解決と事業の両立と言われていますが、そこに競技性がくっついてくるのがJリーグだと思っています。このトリプルミッションが難しさでもあり、醍醐味だと思うのですが、それが職員には伝わっていなかったみたいでした。」

 「発信力」という言葉が出てきました。SNSなどの情報発信が劣っているところは、またネガティブな存在と位置付けられました。結局当ブログでも長年言い続けてきたキーワードが不思議とこういう所でつながっていきますね。「社会課題の解決」「事業の両立」「競技性」のトリプルミッションですか。そうですか、今までJリーグの職員は理解していなかったのですね。という事はJクラブのフロント社員はもっとそうなのかもしれません。当ブログでは、以前によく「数字の連呼」という表現を使っていましたが、いくら観客数だけを叫び続けても社会課題は解決しない、つまりシャレンの流れには乗っていけないという事か。それはそれで100年続かないか。

〔スポーツを使って最後どうしたいの?〕
 スポーツは本当に多面的です。スポーツの価値を社会面から抽出すると、「発信力」と「人をつなげる力」が大事だと思っています。スポーツは、どんな切り口でも、誰でも関わることができます。そして、多くの人を魅了するからこそ、発信力があります。それはつまり、人と人がつながり、新しい価値が生み出す可能性があるということ。そんなスポーツの価値を、色んな人が地域社会のために使ってもらえるといいのかなと思います。」
 近年、スポーツ界をビジネスの力で加速させる、というイベントは多かったのですが、スポーツを使って最後どうしたい、というコミュニケーションを取る人は少なかった。それが最近、やっと増えてきた印象があります。」

 ネットワーク力は実感します。当ブログでも14年近く毎日更新して、活動をしてきていろいろな人脈ができました。発信力とネットワーク力、これがスポーツの一番の付加価値ですか。商業主義的な価値観ではどちらも伸びません。「ヒト」という消費者本位でことに当たってみて初めて、みんなが幸せになるのでは。自分のところだけ儲ければいい価値観とは違います。

〔「オーナーシップのある社会」を実現したい〕
「社会に対する問いがいくつかあります。そのひとつが「当事者意識のなさ」。今の世の中は、「上司が悪い」「会社がこうだから」「政治がどうだ」といった声が多く、何かできないことがあると、被害者意識が芽生えて、誰かのせいにしてしまいがちです。それをやめたいなと思っています。」
「もっと自分たちでできることはある」と思いますし、そう考えた方が幸せじゃないですか。自分の人生は自分で決める、誰かが困っている人がいたら自分にもできることがないかなと考える、それが「オーナーシップ(当事者意識)のある社会」だと思います。
 私は、「オーナーシップ」の価値観を持った人が、リーグやクラブの活動を通じて増えていけばいいなと考えていて、それが日本社会の色々な課題の解決にもつながると信じています。」

 支援者からいくらいい提案を受けても、言い訳をして動こうとしない事例を知っています。当ブログではよく「アウトソーシングできない人達」と呼んでいました。当事者意識が無く、いつも他人事の意識だからマンネリ化する。マンネリ化を突破したい人が出ても、圧倒的に当事者意識が低い人ばかりだから、押しつぶされる。米田理事は、Jクラブのフロント社員に自分の事として、マンネリを打破する人材を求めています。つまりJリーグが求めています。さぁどうでしょうか。結局はいつもの事業(いい内容ほど継続性のない単発事業で終わるばかり)が続くのかなと思ってみたり。
 という感じでした。米田理事に一度会ってみたいですね。シャレンの講義を一度じっくり受けてみたいです。「Jリーグの社会連携」の伝道師、米田理事にこれからも頑張って欲しいです。

引用:ハフポスト日本版
シャレン(Jリーグの社会連携)関連②:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20190107
    〃            ①:
https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20180521

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