J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

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Jリーグ百年構想について8

2019-01-20 00:16:34 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 今日明日と、Jリーグ「PUB」特集です。PUBって何?という読者がほとんどだと思いますが、正式には「Jリーグ PUBレポート 2018」という報告書です。年々レベルが上がっている気がします。その中で、今日は傍士氏と米田理事氏のインタビュー、明日はその米田理事  を紹介いたします。週末でないと、なかなか中身が濃いものをリスペクトできないもので。
 Jリーグ米田理事が、Jリーグ創設以来、百年構想の具現化に真正面から取り組まれている傍士銑太氏に、Jリーグが真に社会に開いた存在となるためのヒントを尋ねた内容ですが、今回は当ブログなりに抜粋してお届けします。
      
【有識者インタビュー 受け継がれる「J」のDNA】
〔Jリーグは誰のもの?〕
傍:Jリーグは誰のものでもなくて「思想」だと思っている。講演でJリーグの話をする時は、同じ思想の持ち主に訴えかけるような心持ちで望む。講演の最初に、地元を応援したくない人は手を挙げて(誰も挙手せず)と言ってから、Jリーグの話を始める。すると、サッカーに興味のない人もちゃんと聞いてくれる。ご当地ナンバーの話をすると興味を持ってくれる。
米:同じ町を愛する人に訴えるということか。
傍:そうです。1996年のJリーグ百年構想の初代ポスターに「あなたの町にもJリーグがある」とあり、単にサッカークラブがあるのではなく、我がホームタウンを愛する思想と感じ取ってくれたあ。去年、J3昇格を決めたJFL八戸の試合会場に、アイスホッケーの八戸代表チームがユニフォームを着て観戦をしており、当たり前のように違うスポーツ選手が、地元のJクラブを応援に来ていて、素晴らしいと感じた。
米:J1川崎の試合に同じ光景を観た。アメフトの人達が来ており、サポーターはJ1川崎のユニフォームを着ており、サポーターは違う競技の観戦に行っているらしい。
傍:そういう時に質問されたら、「Jリーグだから当たり前」と答える感覚で、Jリーグのことを捉える人が増えて欲しい。選手、クラブもみんな含めて「Jリーグだから当たり前」といかにふるまえるか。その時にホームタウンがベースとなる。商圏とかではなく今、ホームタウンのエリアについて、クラブ間で議論がされている。議論の継続の中で一人一人が「私のJリーグ」を語れるようになるといい。
米:それは、ホームタウンとは何かを考える上で大切な要素の一つかもしれない。
傍:あなたの中にもJリーグがあるということ。
米:社会連携の文脈で大切にしたいこととして、リーグやクラブがサッカー界に閉じずに地域に出て行こうというのもあるが、地域を良くしたいという人達ともっと一緒にできたらいい。社会連携とサッカーは別物とか、CSR活動ととらえる風潮があるが、一緒に実現できた方がより豊かなコミュニティーになる気がする。町全体で人々が「Jと一緒に何かやってみたい」と思う状態になるために、Jリーグやクラブがやれることとして、どのようなものがあるか?
傍:「手を出す」ことではないか。握手をするように。
米:確かに、災害時等の非常事態時では、リーグの関わりが限定されている分、フロント・選手・サポーターのの団結力はすごい。
傍:でも今はまだ、それもサッカーの世界の中での話。
米:普段Jリーグを観に行かない層とは同調できていない。まさにその主語の転換を図りたいというのが大きい。あとはサッカームラのようにと閉じているところを、どう社会に開くか。継続してリーグがクラブとできるところを考えていきたい。Jリーグ百年構想をどう思うか。
傍:ゴールは無いと思っている。これからの明日の未来の子ども達の土壌を育てるのがJリーグ。いつも工事中で、まだまだ工事を続けなければならない状態。それを示していかなければならない。ヨーロッパの歴史的構造物のように。
米:未完成であり続ける仕組みなのか?
傍:百年構想も同じ。ずっと工事中であり続ける。
米:どうしたら工事中であり続けられるのか。
傍:思考を止めないこと、議論をすることだと思う。結論を出さず、問いを投げかけ、同調し、また問うことを繰り返せば、気づきが生まれる。常に未完成の状態は思考を止めないこととイコール。
米:100年後にはこうと決めずに、未完成のままであり続けることが大切。Jリーグに対してこれだけは大事にして欲しい、頑張って欲しいという部分はあるか。
傍:現実も大事だが、本質を忘れてはならない。その本質を忘れない道が、百年構想を支える道になっていくだろう。思考停止にならないようにみんなで議論することを大事にして欲しい。
引用:Jリーグライブラリー
          

【傍士銑太氏プロフィール】
 '55年:高知市生まれ。'80年:日本開発銀行(現日本政策投資銀行)に入社。'84~86年:経済企画庁(現内閣府)内国調査第一課に出向し経済白書執筆。'98~01年:日本政策投資銀行フランクフルト(ドイツ)に駐在。'04年:同行岡山事務所長、'09年:(財)日本経済研究所 専務理事兼地域未来研究センター長。'13年:一財)地域活性化センター常務理事。
【一財)地域活性化センター】
 総務省所管の公益法人。活力あふれ個性豊かな地域社会を実現するため、まちづくり、地域産業おこし等、地域社会の活性化のための諸活動を支援し、地域振興の推進に寄与することを目的として地方公共団体と多くの民間企業が会員となって設立。

 この傍士さんは当ブログの師匠的存在です。プロフィールにあるとおり、2004年から2006年?まで日本政策投資銀行岡山支店におられ、「岡山からJリーグを」運動の盛りだった頃に、当ブログとサポーター有志の方々とお話を聞きに行ったのが最初。その時にJリーグ百年構想を語っていただけました。そこから当ブログの価値観は形作られ、今も全く変わらず、色あせていません。現在のファジの役員が最初に集った「一木会(当ブログが初代事務局長)」の第2回会合にも来ていただいて、当時のメンバーに、Jリーグ百年構想を語っていただけました。その後、ファジアーノができあがっていきましたが、あの時に語り合っていた岡山のJクラブ像が今のクラブと一致しているかどうかについては・・・ 岡山にJリーグクラブは誕生し、今に至っています。
 最初に我々に語っていただいたセリフが「スタジアムを満杯にしたかったら、シーガルズの試合を観にいけばいい」。その言葉を今もずっと実践しています。ただ、我々のグループ以外には余り・・・ 最近もシーガルズの試合に行っても、ファジも含めて他クラブのファン・サポーターの姿はほとんど無し。という馴れ初めでした。

 また、当ブログの左コンテンツの「ブックマーク」に「Jリーグ・百年構想のある風景」がリンク掲載してあります。でも、クリックしても「http://www.j-league.or.jp/document/hoji/」のページは開きません。元々はJリーグ公式HPにある書籍「Jリーグ百年構想がある風景」をずっとリンク掲載していましたが、J's GOALがJリーグ公式サイトと統合され、新サイト「J.LEAGUE.jp」に移行(当ブログではJ's GOAL事件と呼んでいます)された2015年1月に消えてしまいました。この時期に傍士さんはJリーグ理事を退任され、新しい時代が来ましたが、これが良くなかった・・・
 Jリーグは新しい首脳陣に替わり、2ステージ制に移行していき、社会貢献路線から(模範はアメリカMLS?)商業主義路線に替わっていった印象が強いです。覚えていますが、この時期に「Jリーグ百年構想」という言葉は、Jリーグ公式サイトからほとんど姿を消していき、今とは真逆の価値観の方向に進んで行った気がします。
 その後、村井チェアマンが就任し、2ステージ制騒動が終わり、社会貢献路線から進化していき、今のシャレン(社会連携)路線と、価値観の揺り戻しが行われた気がします。当ブログの「Jリーグ・百年構想のある風景」ブックマークはその時の遺物です。「Jリーグ・百年構想のある風景」がリスタートするまで残しておこうと思っていたもの。そして、今回の「PUB」で再び傍士さんがJリーグの舞台に出てこられました。お帰りなさいといったとこでしょうか。また、連載を再開して欲しいなぁ。また傍士さんにお会いしたいものです。でもちょっとお年を召された印象かな。
「Jリーグ百年構想 レポート」関連第4回(連載終了に寄せて):https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151115
     〃               第3回(2009~2008年編):http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151108
     〃               第2回(2011~10年編):http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150920
     〃               第1回(2012年編):
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150913

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