J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

Jリーグの話題145

2017-10-18 00:01:09 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクト(事例紹介)コラムです。
 巷のビジネス界ではビッグデータというキーワードをだんだん耳にするようになってきました。当方も数年前になりますが、仕事の研修でビッグデータの活用法の研修に行きましたが、講師を見てビックリ。岡大の教授とともに、おかやま百年構想で岡大生(当時)の長君が登場したのです。昔、語る会にも来た事がありますが、今はどうしているのかなと。
 そんな中、Jリーグからビッグデータの活用について発表されました。NTTグループ、ヤフー、楽天などのIT関連企業6社と提携を結んで、ビッグデータを分析するシステムを導入するという内容です。Jリーグ特任理事に元プロ野球DeNAの社長を務めていた池田純氏がいますが、自らの球団経営の経験から語った内容ですね。以下、引用して紹介。
     
【Jリーグが発表したビッグデータ活用 そのうえで本当に大事なのは…】
〔ビッグデータ活用はビジネス界の常識〕
「年間900万人を超える観客の年齢や観戦頻度、行動パターンを分析し、集客につなげる。Jリーグが発表したビッグデータの活用には、データ分析にデロイトトーマツ、マーケティングに電通やチケット販売のぴあ、物販の楽天、ヤフーはポイントサービスを提供、NTTグループはネットワーク設備を担うなど、IT関連企業大手各社が関わることになります。」
「ITの発達で以前とは比べものにならない量のデータが得られるようになりました。観客のデータにしても、性別、年齢などの定量的なデータはもちろん、趣味嗜好や消費行動の傾向、価値観など、定性的なデータの取得、分析も可能になっています。ビジネスの世界ではこうしたデータをもとに消費者の「ペルソナ」を明確に設定し、プロファイルすることが当たり前になってきています。」

 その池田理事はDeNA社長在任中に、観客動員数を110万人から194万人にアップさせ、年間でわずか5試合だったスタジアムの満員試合数を54に増加させたそうです。説得力ありますね。顧客のターゲティングを目的としたデータ収集・分析は当たり前であり、更に進化させるには、ビックデータを活用する必要がある、データ活用の先、このデータを利用してどういう施策を打てるかにあると言われています。どう活用できるかで、Jクラブの「格」が問われるのでしょうか。ビッグデータはブームを作り出すものなのか、そんな事も言われています。

〔ブームを創り出せるか? 鍵を握る「ビッグデータ活用の先」にあるのもの〕
「今回の発表は、こうした動きをさらに加速させる動きですが、在任5年で目に見える結果を出し、横浜DeNAベイスターズを球界一『スタジアムにお客を呼べる球団』に変えた池田氏は、『ブームを創れるクラブ、リーグをも牽引するブームとなれるクラブが生まれるか?』を成功のキーワードに挙げます。
『リーグ全体がもう一度ブームを創り出すことができるかどうかは、各クラブの取り組みが重要だと思います。プロ野球でいえば、カープとかベイスターズのような盛り上がりを見せるクラブ、ブームを生み出すクラブがどれだけ現れるのか。こうしたクラブがリーグ全体に大きな影響を与えるのです。』」

 今まではリーグ単位でのキャンペーンがある程度あり、クラブ単体でのキャンペーンは予算上の事もあり、余り大きな事ができなかったですね。特にJ2以下は。池田理事は「ブーム」というキーワードを挙げています。ただ、一つ心配なのは、'93年のJリーグ開幕時の「Jリーグブーム」のような一時的な活況で終わらないかどうかです。
 プロ野球は余りリーグ自体では動かれていません。そういう面ではJリーグとは異質とも言えます。なので、全く同じ目線で見てはいけないと思います。あくまで異質なプロリーグのプロ球団として見なければなりませんね。

「プロスポーツクラブの場合、どうしてもすぐに『強ければいい』という考えになりがちです。もちろん強い方がいいのは間違いないのですが、後から強くなれば良いという考えもあります。ニワトリが先か、卵が先かじゃないですけど、チームの強化だけに気をとられるより、スタジアムに足を運んでくださるお客さまの方をしっかりと見て、楽しませることを考える。それを含めて、スポーツ界を牽引するほどの、社会が驚くニュース性の高い取り組みを立て続けに実現し、チームやクラブの存在自体がブームになれば、ファンが増えてチームもどんどん強くなっていくという構図もあるんです」

 池田理事が言われる、強化と売上拡大のどっちが先かは昔からどこのクラブでも問われている事ですね。当ブログではここに「地域に根差す」という部分を入れて考えます。地域に根差す前に売上拡大に偏重しているところを「商業主義」と呼んで、ネガティブにとらえています。強化は後でもいいと思いますが、最初から地域に根差す事が最優先だと個人的に考えています。
 ただ、J1柏はスタジアムイベントを減らし、オフィシャルショップを閉鎖して、その分の資金を選手の強化資金に回しています。一昔前(J2降格した頃)はスタジアムイベントに力を入れていましたが、特に2011年からの黄金時代に入ってからは、強いチームの質の高い試合を見せる事が、来場者を増やすという方針になっています。その結果、J1クラブの中でも特に人件費率が高いクラブになってしまいました。J1の強豪チーム入りしたからそうなったんかもしれません。この柏の姿がいいのか悪いのかはわかりません。そういうJクラブの端境期というのがあるのでしょうか。

「池田氏は、今回Jリーグが打ち出したビッグデータ活用は、ブームを創り出す前提として必要不可欠なものとした上で、観客増を目指すためには各クラブの独自の努力がさらに重要だと言います。「お客さまが来る理由、来たくなる理由、『楽しかった! また来たい!』と思う理由をクラブがどうつくるか」
Jリーグとしては、各クラブが構築したシステムを使いこなせるように、IT人材を教育する育成講座を9月末から始めるとしていますが、技術の活用、ビッグデータの有効利用の先にある「ブーム」の姿をとらえられるクラブが誕生するかどうかが、今回のプロジェクトの鍵を握ることになりそうです。」

 今回の内容ではビッグデータの活用がテーマですが、データに偏重しすぎても良くないと思います。よく営業活動の事を例に出しますが、1日中データ分析でパソコンに向かってばかりより、1分でも多く外へ出て、1人でも多く声を聞いていくべきという価値観に同調します。スタジアムと練習場周辺から来る来場者が多いから、そのエリアだけ相手にしていればいいという価値観を前に耳にした事がありますが、そこにはデータに表れない別の現象が発生します。つまり、その地域以外の消費者が「あそこばかり」「わしらは軽視か」と思われる「ネガティブな口コミ」です。現代社会最大の波及効果である「口コミ」でネガティブに作用してしまうのです。ネットを観ていたら、そういうページをいくつも見受けられますね。
 池田理事の話を単にビッグデータを使いこなせればよいとだけ思うのか、ビッグデータはあくまで「道具」。道具頼りにならずに、汗をかいて足を運び、1人でも多くの声を聞こうと思うのか、そこに100年続くかどうかが見えてくるのではないでしょうか。
引用:Victory Sports News

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする