kasaruの今日も有り難う

僧侶歴46年。講演依頼受付中
サルコイドーシス・バセドウ病の旦那
岡山へ就職長男23歳
アペール症候群次男19歳

こんなこと・・・

2007-12-12 | Weblog
ある日のことでございます。

住めば都と申しますが、

居心地良いとこ一度はおいで~~

な~んて誘われましても、

あの世?だけは誘われても行きたくはないですな~。



永年連れ添ったおじいさんが逝ってしまいました。

こどもも独立して二人っきりのの~~ンびりとした生活、

裏の畑に行けば二人で食べるには充分。

自由も不自由もあるかい!なんて毎日でございましたので
酸いも甘いも(舐めまわしたわけでは

知り尽くした相方が居なくなって

おばあさんは大層落ち込んでおりました。

仲の良い夫婦というのはどちらかが居なくなったら
3年以内に会いに行くか、迎えにきてもらうのが通説

中には伴侶の居ない生活を満喫出来るとばかりに、

相当頑張っておられる方も大勢いらっしゃりますが、

こちらのおばあさん、葬儀の時は気丈にしておられましたが、

やはり語り相手の居ないことの寂しさは

日に日に増しているようでごいます。

最近はひとりになって仏壇の前で

一生懸命話しかけるのが日課となって参りました。

なにやら「会いたいな~」みたいなことをつぶやいたり、

「この世には未練ない」ようなことをささやいたり、

端から見ても寂しそうでございました。

そんな姿をおじいいさんは見ておりまして、

「待ってなはれ、1年以内だと周りから殺生な!言われますから、

仲の良い証拠に3年目くらいに呼んでもらえば、

お釈迦様に頼んで菩薩さんと一緒に

枕元に立ちますがな。」

おじさんは指折り数えておりました。

寂しさも度を越すと慣れてまいります。

生きてる者の営みもありますし、

お付き合いもあります。

それでも医者に薬をもらいに行ったときの口癖は、

「先生!何時おじいさんに迎えにきてもらっても

構しません・・・」

(なら薬は要らんのと違う???とは申しませんが)

先生も慣れております

「もうじき3年忌やろ、まだまだがんばり~いうて

旦那さん、見守ってるんと違うか。。」

病院に居るおばあさんを見るのは初めてのおじいさん、

そんな風におばあさんは思ってくれているのかと

仲の良いところをアピールしようと気合いを入れておりました。

間もなく3年。。。。

「そろそろ 迎えに行った方が・・・」と

準備を仕始めました。

そんなおばあさん 病院を出たところで、

横から飛び出してきた自転車に引かれそうになります。

「今や!!!!」とポー~~~ン手を叩いたおじいさん、

するとその直後 今までいっぺんも聞いたことの無い声が、

「こら~~~危ないやろ

何処見て走っとるのや~~~

ぶつかって打ち所悪かったら死んでしまうやろ

まだまだ先の在る身に、気をつけ~~




え~~~??? いつお迎えが来てもいいって・・・

私に会いたいって・・・言ってたし、

仲いい夫婦って思われてるし・・・






その後 おじいさん お釈迦様にキャンセル料を払ったとか、

払わないとか。。。

会えたかどうかは後ほど直接お聞きになってみて下さいませ。

ま!慌てんでもよろしいですがな・・・

必ず逝けますよって。。。。


お後がよろしいようで


最近朝ドラの影響で落語に気触れはじめている、

私の創作でございます。