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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

産経新聞で、テレビ界の「派遣労働」についてコメント

2013年09月25日 | メディアでのコメント・論評

TV業界、戦々恐々 
派遣労働見直しで最長3年

テレビ番組の制作現場が、政府が進める派遣労働の見直しに戦々恐々としている。

厚生労働省の有識者研究会(座長・鎌田耕一東洋大教授)が8月、最終報告書に26の専門業務区分の撤廃を盛り込んだことで、従来「専門性が高い」としてディレクターやアナウンサーとして長期間働き続けることができた派遣労働者が、3年で職を失う可能性が出ているからだ。制作現場や有識者からは「考え直すべきでは」との声も上がっている。(本間英士)

 ■ディレクター・アナウンサー…現場の要「番組が死ぬ」

「派遣スタッフの中には番組創設時から中心にいて、その人がいなくなれば『番組が死ぬ』ほど重要な人がいる。最終報告書の通りに改正されれば、現場にとって死活問題になる」

東京都内のテレビ制作会社に所属し、大手テレビ局にAD(アシスタントディレクター)として派遣されている30代の男性はこう話す。有期契約で、現在5年以上にわたり同じ番組を担当しているという。

男性によると、制作現場でテレビ局の社員は派遣スタッフへの指示と査定が主な仕事で、実作業に携わるのは派遣スタッフが多いという。彼らは情報番組など同じ分野で長期間働いているため経験豊富で、現場の要になっている。

別の30代の男性派遣ディレクターは、最終報告書の通りになれば「人材育成の点でも問題がある」と指摘。現場では「3年目にようやく動き方が分かり、上からも信頼される」といわれており、男性は3年で職場が変われば「経験や人脈が生きてこない。3年で一からキャリアを積み上げるのは厳しい」と語る。

最終報告書では「時代が変わり、専門性の判断が難しくなった」として「26業務」の区分を廃止し、他の業務と同じく最長3年の制限を設けることを提言している。厚労省側はその意図を「最大3年ごとに職場を変えることで、派遣の方にキャリアアップを図ってもらえる」と説明する。

派遣には、実質無制限に働き続けられる「無期契約」もある。しかし無期契約を結べるのは「プロデューサーやベテランなど一部に限られる」(制作会社関係者)という。

政府は年内に労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で結論をまとめ、来年の通常国会で労働者派遣法の改正をめざす考え。厚労省需給調整事業課は「最終報告はたたき台。今後労使双方の関係者らを交えて議論を深めたい」としている。

テレビ業界に詳しい上智大の碓井広義教授(メディア論)は「最終報告書が実現すれば、番組の質が下がる可能性が高く、人材育成への影響でテレビ業界全体の地盤沈下を引き起こす恐れがある。現場の意見を聞いて、議論を重ねるべきだ」と話している。

(産経新聞 2013.09.24)

「半沢直樹」最終回の視聴率は、42.2%!

2013年09月24日 | メディアでのコメント・論評

朝9時、新聞社から連絡あり。

「半沢直樹」最終回の視聴率が出ました。

42.2%!

瞬間最高視聴率、46.7%。

23日に、このブログで「視聴率が注目されていますが、予想としては、40%いったかも」と書きましたが、やはり、“ミタ超え”しましたねえ。

・・・・ということで、この夏、社会現象化したこのドラマの魅力について、記者さんにお話ししました。


週刊朝日で、「あまちゃん」を語る

2013年09月24日 | メディアでのコメント・論評

発売中の「週刊朝日」最新号、「あまちゃん」特集です。

この記事の中で、次のような皆さんと並んで、「あまちゃん」について語っております。


大特集
さよなら「あまちゃん」!
「あまラー」たちの愛のゆくえ


●亀和田武
「テレビの力」の偉大さ証明 能年さんは伝説になる

●ダイアモンド・ユカイ
太巻の歌作りはカタチから これぞ朝ドラ界のロックだ

●漫画家・まついなつき
イケメン2トップに学ぶモテ・非モテ大原則

●裁判傍聴芸人・阿蘇山大噴火
感動したダサさの肯定 1日3回「傍聴」の日々

●漫画家・青木俊直
「あま絵」はファンレター 「こんなに好き」伝えたい

●泉麻人
節目節目の「いつでも夢を」 大家族の幼少時代に回帰


そして、私の部分は以下の通りです・・・・


視聴者の想像力を拝借 
震災表現 この手があったか

1966年の「おはなはん」から約50年、NHKの朝ドラは欠かさずに見てきました。「あまちゃん」は10年に1本の傑作だと思います。こんなにも毎朝笑える朝ドラなんか、いままでなかったですよ。

それに、これまではヒロインの女性の一代記であることが多かった。ヒロインの幼い頃から年を取るまでを、複数の女優さんが演じることも珍しくありません。けれども「あまちゃん」は、2008年から13年までの5年間という「現在」を描いている。こんな作品はなかったですよね。

「あまちゃん」の中で、東日本大震災を描いたことも話題になりました。もちろんいままでも、あの震災を取り込んだドラマはありました。けれども、震災と真正面から向き合い、そして登場人物と一緒に歩むように描いたものは、おそらく初めてでしょう。

9月2日に放送された震災のシーンは、煎じ詰めて言えば、たった二つのもので表現されました。一つ目は、大吉さんとユイちゃんの表情。北鉄に乗っていてトンネルに閉じ込められた二人が、トンネルの外まで歩いていって津波の爪あとを見たときの、絶望とも驚きとも取れるような表情は、非常に印象に残っています。二つ目は、観光協会にあるジオラマ。地震で壊れたジオラマで、どこでどんな被害があったのかを語りました。

この二つだけで震災を表現したのは本当に素晴らしい。つまり、視聴者の想像力の助けを借りて描いたわけです。われわれ視聴者は、震災のリアルな映像は嫌というほど見ています。忘れたくても忘れられない。ユイちゃんや大吉さんの表情を見るだけで、視聴者はそれぞれの震災の経験を思い浮かべたことでしょう。

一番簡単なのは、実写映像を見せることだったはずです。しかし、被災された方々も、このドラマを見ているのです。実写映像を見せることは、残酷なことでもあるわけです。無数にある表現方法の中から、視聴者を信じた表現方法を選択したクドカンさんも、制作陣も、本当に見事でした。

(週刊朝日 2013.10.04号)




9月の入試、無事終了

2013年09月24日 | 大学

22日、23日の2日間で、いわゆる「帰国子女」と「カトリック」という、本学らしい「枠」の入学試験を行いました。

受験生の皆さん、おつかれさまでした。

「週刊朝日」の表紙に、ゼミ生が登場

2013年09月24日 | 本・新聞・雑誌・活字

「週刊朝日」の表紙、女子学生・・・・と来れば、私たちの世代だと、
やはり宮崎美子さんを思い出します。

熊本大学の学生だった宮崎さんを、篠山紀信さんが撮った写真が、「週刊朝日」の表紙を飾ったのは1980年。

それがきっかけでミノルタの一眼レフカメラのCMに起用され、以降、タレントそして女優さんとして活躍していくことになりました。


で、今週の「週刊朝日」。

表紙のお嬢さんは、なんと碓井ゼミの学生です(笑)。

1枚の写真が、アナウンサー志望である彼女の今後にどう作用
するのか、しないのか・・・・。

それはわかりませんが、ひとりの20歳の「現在」を伝えているのは
確かです。


「表紙はおじいちゃんへのサプライズプレゼント」だとは、掲載された本人の弁。

喜んでもらえたかな?(笑)



さらば、半沢直樹

2013年09月23日 | テレビ・ラジオ・メディア

終わっちゃいましたねえ、「半沢直樹」。

まあ、いつかは最終回が来るとはいえ、日曜の楽しみが、一つ
減ったことは残念です。

お話としても、きっちり決着をつけたし、出向も、彼の立場であれだけのことをやったんだから(笑)、これまた仕方ないでしょう。

半沢の出向先での活躍を描いた池井戸さんの小説「ロスジェネの逆襲」(これも面白い作品です)を原作に、いずれ続編をやるかどうか、ですね。

そうそう、最終回の中で、「伊勢島ホテル」の羽根専務を演じていた倍賞美津子さんが、半沢に向かって、「正義は我にあり?」と言う場面がありました。

これって、倍賞さんの体当たり演技が話題になった、映画「復讐するは我にあり」(監督:今村昌平、主演:緒形拳)を思い起こさせて、
ニヤッとしてしまいました。

倍賞さんがブルーリボン賞の助演女優賞を受けた、1979年の作品です。


視聴率が注目されていますが、予想としては、40%いったかも(笑)。

いわゆる“ミタ超え”ですね。

23日が祝日なので、数字が出るのは24日になりますが。

そんなこんなの話題も、秋風と共に去りぬ、となるわけです。

ちょっと寂しい。

しかも、次の「日曜劇場」は、誰が見たいのか知りませんが、ミズタクじゃなかった、キムタクさんのロボット物(笑)。

やはり、日曜の楽しみは、一つ減ったままになりそうです。


「半沢直樹」完結記念として(笑)、7月に放送が始まった直後、日刊ゲンダイで書いたコラムを再録しておきます。


ドラマ「半沢直樹」TBS
大胆さが吉と出た

夏ドラマの初回視聴率がとても高い。テレビ朝日「DOCTORS2」19.6%。フジテレビ「ショムニ2013」18.3%。そしてTBS「半沢直樹」が19.4%だ。

個別の分析はともかく、最大の要因は「毎日メチャ暑い!」ことだろう。この猛暑では外で夜遊びする気にもならない。みんな早く家に帰って、クーラーの効いた部屋で休息したいのだ、多分。 

「半沢直樹」の注目ポイントは2つある。

まず主人公が大量採用の“バブル世代”であること。企業内では、「楽をして禄をはむ」など負のイメージで語られることの多い彼らにスポットを当てたストーリーが新鮮だ。

池井戸潤の原作「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」は、優れた企業小説の例にもれず、内部(ここでは銀行)にいる人間の生態を巧みに描いている。

福澤克雄ディレクター(「華麗なる一族」など)の演出は、この原作を相手に正攻法の真っ向勝負だ。

第2のポイントは主演の堺雅人である。

今年6月、「リーガル・ハイ」(フジ)と「大奥」(TBS)の演技により、ギャラクシー賞テレビ部門の個人賞を受賞したが、まさに旬と言っていい。シリアスとユーモアの絶妙なバランス、そして目ヂカラが群を抜いている。

思えばタイトルを「半沢直樹」としたのは大胆な選択だったはず。
その大胆さも吉と出た。

(日刊ゲンダイ 2013.07.16)



・・・・さらば、半沢直樹。

BSプレミアム「SKE48リクエストSPECIAL」視聴中

2013年09月22日 | テレビ・ラジオ・メディア

午前0時10分から、NHKBSプレミアム「MJpresents SKE48リクエストSPECIAL」のオンエアを見ている。

「昨年の紅白歌合戦に初出場し、一躍脚光を浴びたSKE48。NHKで放送された歌の中から、もう一度見たいSKEというリクエストを募集、カウントダウンで紹介します」という番組だ。

これまでに、名古屋のSKE劇場を訪ねたり、札幌ドームで生歌を聴いたりしてきた。

個人的には、AKBグループの中で、一番親近感があるのがSKEだ。

今夜の2時間スペシャルは、過去にNHKで放送されたさまざまな映像の連続で、たとえばリクエスト第3位の「青空片想い」など初期のものは、メンバーの顔触れも含め、今や貴重品。





そうそう、密かに応援している(笑)高柳明音さんはもちろん、今はいなくなってしまった小木曽汐莉さんなどの姿も見える。

元気でいるのかな、ゴマちゃん。

とにかく、本当にみんな、よくぞ、こんなキレキレのパフォーマンスをしてきたもんだよなあ、と感心しながら見ています。





秋学期の授業の中で、ぜひ「アイドル論」を展開してみたいですね(笑)。

今週の「読んで、書評を書いた本」 2013.09.22

2013年09月22日 | 書評した本たち

70年代から愛読してきた植草甚一さんの本が、最近、いくつか
文庫化されている。

嬉しいことです。

ちくま文庫では、「ぼくは散歩と雑学が好き」に続いて、先日、
「いつも夢中になったり飽きてしまったり」が登場した。

どちらも大好きな本だ。

後者の中に、「デザインがよければ なかのジャズもいい~モダン・ジャズのLPジャケット」なんていうタイトルのエッセイがあるけど、
こういう言い方が、ほんと植草さんらしいんだよなあ。

私たちの世代で影響を受けた人も多いはずだ。

やがてレコードがCDになり、ネットでダウンロードになり、LPジャケット自体がすでに懐かしいものになっている。

植草さんの文章に出てきたジャズのアルバムを、渋谷の「CISCO」
とかで、パタパタと探しては聴いていた頃を思い出します。




今週の「読んで、書評を書いた本」は、次の通りです。

川崎草志 『疫神(やまいがみ)』 角川書店

志村史夫 『スマホ中毒症』 講談社+α新

赤城 毅 『八月の残光』 祥伝社

新海 均 『カッパ・ブックスの時代』 河出書房新社

ケネス・スラウエンスキー:著 田中啓史:訳
『サリンジャー 生涯91年の真実』 晶文社

田中泯・松岡正剛 『意身伝心』 春秋社

* 書いた書評は、
  発売中の『週刊新潮』(9月26日菊咲月増大号)
  読書欄に掲載されています。

山中湖で、ゼミ合宿中④ 21日朝の富士山/合宿無事終了

2013年09月22日 | 大学

女性セブンで、『あまちゃん』について解説

2013年09月21日 | メディアでのコメント・論評

『あまちゃん』のおかげで
家族の会話が増えた人は64.5%に

国民的人気を誇る、と言っても過言ではないNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』。平均視聴率は右肩上がりに上昇を続け、最高視聴率は23.9%を記録(9月13日現在)。朝の放送以外の再放送分も合わせると、視聴率は50%超ともいわれるだけに、もはや社会現象の域に達している。

『あまちゃん』ファンで上智大学文学部教授(メディア論)の碓井広義さんが、その人気を分析する。

「老若男女を問わず、誰もが夢中になってしまう理由のひとつに“トリプルヒロイン”があります。もちろん、主役はアキ(能年玲奈、20才)ですが、その母親・春子(小泉今日子、47才)も祖母・夏もいわゆる脇役ではない。3人がそれぞれの世代のヒロインなんです。だから、誰もが登場人物の誰かに感情移入できて、家族みんなで見られるのでしょう」


確かに『あまちゃん』は家族の会話を増やしている。女性セブンが『あまちゃん』ファン男女計200人に行ったアンケートでは、「『あまちゃん』のおかげで家族での会話が増えた」という質問に「はい」と答えた人が64.5%にものぼった。岩手県知事の達増拓也さん(49才)もそのひとりだ。

「1980年代のシーンがよく出てくるので、子供にその解説をしてあげるとすごく喜ぶんです。“お父さん、よく知ってるね”って言われて、父の株が上がってます(笑い)」

家族だけでなく、友人との会話も『あまちゃん』が占めているようだ。

「毎朝の番組を見た後に友人たちとフェイスブックで“本日のあまちゃん”について語り合います。いかに多く、ドラマのなかに隠された小ネタを見つけられるかでいつも競争ですよ」(50代パート)

そんな国民的ドラマも9月28日で最終回を迎えてしまう。10月から何を楽しみに生きていけばいいのかわからないという悩みを持つ「あまちゃんロス症候群」にかかる人まで現れ始めているという。

(女性セブン 2013年10月3日号)


山中湖で、ゼミ合宿中③ BBQ

2013年09月21日 | 大学















【気まぐれ写真館】  山中湖夕景

2013年09月21日 | 気まぐれ写真館

山中湖で、ゼミ合宿中② 3年生個人研究発表会

2013年09月21日 | 大学










































御礼!ヤフー記事「アクセスランキング」総合1位

2013年09月19日 | メディアでのコメント・論評

今週、日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」で、「夏目三久アナ」について書きました。

現在、19日の夜9時過ぎですが、ヤフー記事アクセスランキングで、「エンタメ部門」の1位、さらに「総合アクセスランキング」の1位にもなっているではありませんか(笑)。

じぇじぇじぇ!です。

さっき日刊ゲンダイさんが知らせてくれたのですが、それにしても、
総合1位って。

いや~、随分たくさんの皆さんが読んで下さったわけですね。

時間の問題で、順位は変わるでしょうから、今、素直に喜んでおきます(笑)。

ありがとうございました。


「アクセスランキング」1位を記念して、ヤフーさんから再録しておきます。

痛恨の写真流出から4年…
夏目三久アナ「3原則」で返り咲き

テレビ朝日「夏目記念日」(土曜深夜1時15分)は夏目三久の冠番組だ。銀座のバーにたとえるなら、「マツコ&有吉の怒り新党」では雇われのチーママだが、こちらは堂々のオーナーママ。自分のお店である。

この場所で最初に開いたのは「ナツメのオミミ」。以来、店名と内容を変えながら1年半、これが3軒目の店となる。

番組のコンセプトは明快だ。毎回ひとつの「記念日」を取り上げて、その道に詳しい方々に話を聞くというもの。最近だとバイクの日、ロールケーキの日ときて、先週はバスの日だった。

スタジオにバス好きの素人さんを招き、VTRを挟みながらのバス談議だ。バスを個人で購入し自家用車として使っている人。一日中、地元のバスを乗り継いでいる人。

バスに乗るためだけに全国行脚を続ける人。本人たちは大真面目だが、その過剰な「バス愛」の発露が実にほほ笑ましい。

この番組で夏目が守っていることが3つある。相手の話をせかさない。無理に盛り上げようとしない。そして、見え透いた迎合をしない。この「夏目3原則」+「夏目スマイル」が功を奏して、番組に登場する素人たちがのびのびと話せるのだ。

痛恨の「写真流出」騒動から4年。古巣の日本テレビに対しても、「真相報道バンキシャ!」登板で落とし前をつけた夏目は、まさに今が盛夏だ。

(上智大教授・碓井広義=メディア論)


日刊ゲンダイ 9月18日(水)10時26分配信

フジテレビのドラマ「花の鎖」に、困った

2013年09月19日 | テレビ・ラジオ・メディア

録画しておいた、フジテレビのドラマスペシャル「花の鎖」(放送は17日)を視聴。

力作だとは思うのですが、うーん、途中から、ちょっと困った。

湊かなえさんの原作小説は、3人のヒロインがどう関係しているのか、また3人をつなぐ「K」がどんな人物なのか、といったあたりが読みどころのミステリー作品だ。

そこでは、彼女たちにとっての「現在」、もしくは「時代」というのがポイントになる。

読者にイメージさせるだけの小説では、「交わるはずのない3人」というのが成立しているが、それぞれの「現在」を実際の映像で見せざるを得ないドラマでは、なかなか難しい。

かなり早い段階で、わかる人にはわかってしまう。

たとえわかっても、ドラマとして最後までぐいぐい引っ張ってくれればいいのですが、それは、そう簡単なことではない。

また、これは原作の読後感もそうだったけど、「K」の行為の真意が、ややイマイチだったりして。

「2時間以上もつき合ってきて、これかあ」という感じは否めない。

というわけで、中谷美紀、松下奈緒、戸田恵梨香の3女優が各自頑張ってはいたのですが、あれやこれや、ちょっと困ったドラマスペシャルなのでした。


追記(9月21日):

後から調べてみたら、視聴率は9.1%。

視聴者は侮れません。