碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

山中湖で、ゼミ合宿中①

2013年09月19日 | 大学

山中湖畔の民宿で、ゼミ合宿を行っています。

今日(19日)の午後は、2年生によるグループ研究の発表会。

夜は、私の特別講義。

そして明日(20日)は、朝から夕方まで、3年生の個人研究の発表です。

毎年、学生たちは深夜まで準備に追われます。

さて、今年の成果はどうでしょう(笑)。













大学院9月入試、無事終了

2013年09月18日 | 大学





夏目三久さんが何気に好調の「夏目☆記念日」

2013年09月18日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今週は、テレビ朝日「夏目☆記念日」について書きました。

夏目三久さん、何気に好調です(笑)。


「夏目☆記念日」テレビ朝日
夏目三久は今が盛夏!

テレビ朝日「夏目☆記念日」(土曜深夜1時15分)は夏目三久の冠番組だ。銀座のバーにたとえるなら、「マツコ&有吉の怒り新党」では雇われのチーママだが、こちらは堂々のオーナーママ。自分のお店である。

この場所で最初に開いたのは「ナツメのオミミ」。以来、店名と内容を変えながら1年半、これが3軒目の店となる。

番組のコンセプトは明快だ。毎回ひとつの「記念日」を取り上げて、その道に詳しい方々に話を聞くというもの。最近だとバイクの日、ロールケーキの日ときて、先週はバスの日だった。

スタジオにバス好きの素人さんを招き、VTRを挟みながらのバス談義だ。バスを個人で購入し自家用車として使っている人。一日中、地元のバスを乗り継いでいる人。バスに乗るためだけに全国行脚を続ける人。本人たちは大真面目だが、その過剰な「バス愛」の発露が実にほほ笑ましい。

この番組で夏目が守っていることが3つある。相手の話を急かさない。無理に盛り上げようとしない。そして、見え透いた迎合をしない。この「夏目3原則」+「夏目スマイル」が功を奏して、番組に登場する素人たちがのびのびと話せるのだ。

痛恨の「写真流出」騒動から4年。古巣の日本テレビに対しても、「真相報道バンキシャ!」登板で落とし前をつけた夏目は、まさに今が盛夏だ。

(日刊ゲンダイ 2013.09.17)


取材3件

2013年09月17日 | メディアでのコメント・論評

新聞と雑誌の取材3件あり。

1) 「派遣労働見直し」とテレビ業界

2) 滝川クリステルの「五輪招致プレゼン」

3) 間もなく完結の「あまちゃん」総括


なんだか、「あまちゃん」&「半沢直樹」と共に、今年の夏が本当に
終わっていく感じです。

傑作登場!「マン・オブ・スティール」

2013年09月17日 | 映画・ビデオ・映像

ジョー・エル(ラッセル・クロウ)は、滅びる寸前の惑星クリプトンから生まれたばかりの息子を宇宙船に乗せて地球へと送り出す。その後クラーク(ヘンリー・カヴィル)は、偶然宇宙船を発見した父(ケヴィン・コスナー)と母(ダイアン・レイン)に大事に育てられる。そして成長した彼は、クリプトン星の生き残りのゾッド将軍と対峙(たいじ)することになり……。

クリストファー・ノーラン製作、ザック・スナイダーが監督を務めたスーパーマン誕生までの物語を紡ぐアクション大作。過酷な運命を受け入れ、ヒーローとして生きることを決意する主人公の苦難の日々を驚異のアクションと共に描き出す。『シャドー・チェイサー』などのヘンリー・カヴィルが主人公を熱演。悩んだり傷ついたりしながらも前進する主人公の姿が目に焼き付く。



いやあ、監督ではなく、プロデューサーという立場でも、やはりクリストファー・ノーランはクリストファー・ノーランでした(笑)。

ノーラン監督の「バットマン」シリーズがそれまでの「バットマン」を超えた傑作であるのと同様に、この作品も、もはや単なる「スーパーマン」映画じゃないって感じです。

ひとことで言うなら、画面に展開される「世界観」ってことなのですが。

誰もが知っているはずのヒーロー映画が、まったく別物の奥深さをもった物語になっている。

重層的なストーリー。

映像面も文句なしのクオリティだ。

そして、主人公のクラークはもちろん、ラッセル・クロウが演じる父や、ケヴィン・コスナーとダイアン・レインの養父母たち、敵役のゾッド将軍に至るまで、それぞれ厚みのある人物として描きこまれていることも大きい。

ダイアン・レイン、「あまちゃん」の小泉今日子と一つ違いの48歳。

この母親役、いいねえ(笑)。


「オブリビオン」、「ワールド・ウォーZ」、「パシフィック・リム」、「ワイルドスピードEURO MISSION」、「ローン・レンジャー」、「ホワイトハウス・ダウン」・・・・

この夏は、たくさんのSF系、アクション系の映画を観てきましたが、
これが現時点でのピカイチかもしれません。

特に、クリストファー・ノーラン作品のファンにはオススメです。

「あまちゃん後ストレス障害」についてコメントした記事全文

2013年09月16日 | メディアでのコメント・論評

あまちゃん後ストレス障害「PASD」
発生に対する精神科医見解


<あまちゃんが終わるときが刻一刻と近付く。PASDにびびり始めている>
<PASD対策のためにも、ぜひ続編を>
<多数の国民がPASDに陥らない施策を講じるのが国営放送に課せられた急務!>

いまツイッターで飛び交っている耳慣れない「PASD」の4文字は、「あまちゃん後ストレス障害」(Post Ama-Chan Stress Disorder)のこと。9月28日放送の『あまちゃん』最終回の後に訪れるであろう喪失感を、PTSD(心的外傷後ストレス障害)をもじってそう呼んでいるのだ。

この造語を初めてツイートした在米映画評論家の町山智浩氏は、午後6時45分からの現地放送を、家族で夕食を囲んだ後、楽しんでいる。

「この言葉は僕じゃなくて、カミさんが考えたんです。13歳の娘が『あまちゃん』にはまりすぎているので、カミさんが『あなた、放送が終わったらどうするの。ポストあまちゃん症候群になるんじゃないの』って心配したんですよ」

町山氏も自身のPASDを心配している。
「子供の頃に『ウルトラセブン』が終わった時はものすごいショックで、何も考えられない抜け殻状態が続きました。今回もそうなるんじゃないでしょうか」

上智大学教授(メディア論)の碓井広義氏は、朝8時の放送を見て、夜に夫婦で録画を再び見る毎日だ。

「私もPASDが心配で心配で。1日に2度見るので、登場人物と一緒に暮らしている気がするんです。『あまちゃん』が終わることは、同居していた家族がいなくなるのと同じなんですよ」


この国民的ドラマは、日本人の日常生活に深く浸透してしまった。早起きして朝7時半からのBS放送を見る「早あま」、朝見損なった人にネタをバラす「あまバレ」、見ていない人を「なんで?」と問い詰める「あまハラ」など“あま語”も続々と誕生している。

40代の会社員男性(結婚10年・子供なし)は『あまちゃん』が夫婦の“かすがい”になっているという。

「『あまちゃん』が始まってから、夫婦の話題に困らなくなり、寄り道せずに帰宅するようになりました。先日も、なぜナレーションが春子に変わったのかを遅くまで話し合いました。放送終了後は再び夫婦の会話がなくなりそうで心配です」

PASDは9月末に国民病となるのでは──この懸念を、精神科医の樺沢紫苑氏は笑って否定する。

「PASDはもちろん病気ではありません。放送が終わって落ち込んだりやる気が出なくなったりするのは普通の心因反応で、ほとんどが時間とともに治ります。これは、娘を嫁に出す父親の心理と似ています。娘が嫁ぐ前は心配したり落ち込むことがあっても、送り出せば父親は意外にちゃんとやっていけるものです」

ちなみに樺沢氏は『あまちゃん』を見ていないという。PASDのこの苦しみ、わかるヤツだけわかればいい──。

(週刊ポスト 2013年9月20・27日号)

今週の「読んで、書評を書いた本」 2013.09.16

2013年09月16日 | 書評した本たち

「NHK連続テレビ小説 あまちゃん 能年玲奈 featuring 天野アキ
完全保存版」
(NHK出版)を入手。

要するに写真集ですね。

ドラマの中の場面、メイク中、リハーサルなど、能年なのか、アキ
なのか、境界が見えない雰囲気のスチルが並んでいる。

大変お行儀のいい、品行方正な写真集です。




それから、海女つながり!?(笑)の写真集ということで、「磯自慢」
(扶桑社)です。

正確なタイトルは、「みうらじゅん×リリー・フランキーの磯自慢
~グラビアン魂2」


いや、それにしても「磯自慢」って(笑)。

「週刊SPA!」の連載「グラビアン魂」の長年のファンで、先日、みうらじゅんさんにお会いした時も、その話で盛り上がりました。

写真もさることながら、収録されている対談が、やはり抱腹絶倒の
面白さです。




そして、今週の「読んで、書評を書いた本」は、次の通りです。

原田マハ 『総理の夫』 実業之日本社

鈴木敏夫 『風に吹かれて』 中央公論新社

稲葉なおと 『サラの翼』 講談社

谺 雄一郎 『醇堂影御用 道を尋ねた女』

吉野朔実 『悪魔が本とやってくる』 本の雑誌社

* 書いた書評は、
  発売中の『週刊新潮』(9月19日号)
  読書欄に掲載されています。


GALACで、『メディアが震えた』の書評

2013年09月15日 | 本・新聞・雑誌・活字

放送批評懇談会が発行する専門誌「GALAC(ぎゃらく)」。

おお、表紙がさっしーだ。

なんだか、すごい(笑)

この最新号の「書評欄」に寄稿しました。


丹羽美之・藤田真文:編
『メディアが震えた―テレビ・ラジオと東日本大震災―』
東京大学出版会

今年3月の山田健太「3・11とメディア~徹底検証 新聞・テレビ・WEBは何をどう伝えたか」(トランスビュー)と本書を併せて、ようやく「震災とメディア」の本格的検証が実現したと言えるのではないか。執筆者は研究者から報道・制作関係者まで。対象は地震・津波報道から原発事故報道まで。またエリアもローカルからグローバルまでと幅広い。

第1部のテレビでは、編者である藤田が行った被災地のローカルテレビ全局への聞き取り調査と、松山秀明(東大大学院)による「報道の地域偏在」に関する分析に注目した。その内容はもちろん、一方はきわめてアナログ的な手法で成果を上げ、もう一方はデジタル・アーカイブ技術を活用している点が興味深い。

第2部はラジオだ。姉帯俊之(IBS岩手放送)や高橋厚(りんごラジオ)の報告からは、安否情報や生活情報をラジオならではのきめ細かさで伝え、被災者を支えた活動の実相が見えてくる。さらに市村元(関西大)が臨時災害放送局の実態と課題に言及している。

第3部の原発事故報道では、大本営発表と批判された原因、放射線の危険にさらされながらの取材、原子力とテレビ・ジャーナリズムの関係史、海外が伝えた原発事故などが明らかになる。「危険地取材への組織的対応が時として集団的な思考停止に陥る」という烏谷昌幸(武蔵大)の指摘が印象に残った。

終章で「今回の震災報道には多くの可能性も宿っていたことを忘れてはならない」と書く編者・丹羽に賛同しつつ、福島中央テレビの佐藤崇が「二年目の福島は、分断と孤立の末、『わからない』ことが『わからない』まま固定され、困難が困難のまま固定されたように思う」と言わざるを得ない現実をメディアは直視する必要がある。 

(GALAC 2013年10月号)


週刊SPA!で、「あまちゃん」&「半沢直樹」を採点

2013年09月14日 | メディアでのコメント・論評

発売中の「週刊SPA!」最新号。

<「あまちゃん」派VS「半沢直樹」派 勝手に大論争!>という特集記事が掲載されています。

確かにどちらもヒットドラマですが、「対決」ってのは、ちょっと無理があるでしょう。

まあ、一種のお遊びですね(笑)。

記事の構成は、本文と採点表。



まずは本文のほうですが、コラムニストのペリー荻野さん、てれびのスキマさんなどと共に、私も発言しています・・・・

「あまちゃんウォッチャー」の碓井広義・上智大学教授(メディア論)も、「舞台は現代と、その親世代が青春を過ごした‘80年代が交差する。‘80年代は景気もよく、ポピュラーカルチャーが最も花咲いた時期で、30代~50代がそれぞれ共感できる部分があるのです。また、‘08年から物語が始まり震災の場面まで来ましたが、そうした同時代性もうまい具合に取り込んだ」

そして、「半沢直樹」に関しては、少しだけ苦言を・・・・

碓井氏は「出向させられるのをまるで死刑であるかのように描くのはやや誇張しすぎです。極端な話、嫌なら辞めればいいのに」と話す。




次に採点表ですが、並んでいる評者は6名。

前述のペリー荻野さん、てれびのスキマさん、コラムニストの今井舞さん、イケメン評論家の沖直実さん、経済評論家の森永卓郎さん、そして私です。

で、私の採点欄は以下の通り・・・・

「あまちゃん」 120点
10年に1本の傑作。15分なのに1時間ドラマのような濃密さがある点、地続きのところに登場人物がいるような同時代性、小ネタ満載の脚本、AKB48など旬な要素を取り入れた、上質なユーモア……どれをとっても非の打ちどころがありません。

「半沢直樹」 90点
半沢直樹に「銀行はカネ貸し」なんだと言わせたことに拍手を送りたい。見えづらい銀行の本質をズバリ描いている。毎回、睨みを聞かせて「倍返し」とスゴむ“遠山の金さん的”時代劇の要素を盛り込むことで、痛快な企業ドラマに仕上げている。


(週刊SPA! 2013.09.17/24)


・・・・こんなふうに、いろんな人が、楽しみつつ真剣に語ってしまうところも、この2本のドラマが傑出している証左と言えそうです。




「東京五輪」をめぐって

2013年09月14日 | 日々雑感

ハワイ島に滞在している最中も、時々、日本のテレビ番組を見ていました。

日本語放送が何局かあって、菅原文太主演のヤクザ映画を流していたり、NHKの番組を放送するチャンネルがあったりして、ニュースもあまりタイムラグなしで見られる。

2020年のオリンピックが東京に決まったことも、NHKのニュースで知りました。

実は、この件に関しては、「東京以外の2都市のどちらかになればなったで別にいいもんね」というスタンスでいたのですが、その理由はいろいろあって・・・。

まあ、決まっちゃったからには、東京五輪がこの国に、いい形で作用してくれたらいいな、と、今はそう思っています。

帰国してから、留守中の新聞をまとめて読んでいたら、朝日新聞に次のような記事がありました。

なんとなく気になって(引っ掛かって)いたことを、何人かの方々が代弁してくれていたので、記録として転載しておきます。


東京五輪、あえてもの申す 
招致反対していた人は… 
異論も許容を/被災地考えて

2020年東京五輪を招致する過程では、幅広い賛否の声があった。「防災の街づくりを」「被災地の復興に意識を」――。開催が決まり、反対を唱えてきた人たちは提言する。

「日本人なら立場に関係なく祝うべきだ」「喜んでないのは非国民」。東京開催決定後、ネット上にこんな書き込みが目立っている。

「なぜ水をかけるんだっていう同調圧力がある。反論しにくくならないか心配してます」。9日、東京都内のイベントでコラムニストの小田嶋隆さん(56)は言った。

「経済効果の期待を、復興や夢という言葉に包んだ違和感」を招致活動に抱いてきたという小田嶋さん。五輪開催に招致委員会は3兆円の経済効果を見込むが、競技施設整備に約4500億円かかる計画が示されている。「お金がどう使われるのか目を光らせたい」

内田樹・神戸女学院大名誉教授(62)は「商業化の進んだ最近の五輪が嫌いで、招致も同じだった」という。1964年東京五輪では、閉会式で選手たちが国籍に関係なく腕を組み、手を振りあった光景が胸に残る。「世界は仲良くできるんだと感動を覚えた」

街頭で隣国を声高にののしる姿が珍しくない今の東京。「本来、五輪は排外主義と相いれない。偏狭なナショナリズムを乗り越え、国民が成熟する機会になるなら開催の意味もある」

評論家の大宅映子さん(72)は開催決定後、テレビ番組で「イスタンブールの方がよかった」と話した。結婚直後に経験した64年東京五輪ほどの熱気がないと感じていたからだ。ただ、元々五輪は好き。「ハード面のみの充実ではだめ。外国客のもてなしなど、センスのいい五輪になってほしい」

「被災地を思えば東京だけ浮かれるわけにいかない」と唱えてきた漫画家のやくみつるさん(54)。「せめて五輪を機に防災に目配りした都市整備が進めば、開催もむだにはならないと思うが」と話す。

東京電力福島第一原発事故の問題に向き合うジャーナリストの津田大介さん(39)は「廃炉への道筋がついてから東北で開催してほしい」と述べてきた。「決まった以上、盛り上がってほしい」と語りつつ、注文をつける。「原発事故の対応に政府が本腰を入れ、東京に来た人が被災地など地方を訪れるような観光動線をうまく作ってほしい」

(松川敦志)

 ■都が準備会議

2020年東京五輪開催に向け、東京都は11日、猪瀬直樹知事をトップに都局長ら33人でつくる「五輪実施準備会議」を設置した。 招致活動は都スポーツ振興局を中心に進めてきたが、インフラ整備や輸送計画づくりなどに都全体でのぞむという。

 ■指摘されてきた2020年東京五輪の長所と短所

●長所
・経済効果(東京招致委は3兆円と試算)
・観光客が増える(招致委は大会中1010万人と試算)
・スポーツを楽しむ文化の広がり
・首都のインフラ整備促進

●短所
・東京への一極集中、地方との格差拡大
・福祉政策や教育政策が後回しになる可能性
・資材高騰による被災地の復興事業への悪影響
・首都直下地震など大災害の際の安全性

(朝日新聞 2013年9月12日)

各地の新聞で、「最近のバラエティー番組」について解説

2013年09月13日 | メディアでのコメント・論評

少し前に、共同通信の取材を受けました。

お題は、バラエティー番組です。

その記事が配信されて、全国各地の地方紙に掲載されました。

北日本新聞、上毛新聞、愛媛新聞、四国新聞、神奈川新聞、埼玉新聞、山梨日日新聞、北國新聞、福井新聞、河北新報、佐賀新聞などです。

見出し等が少しずつ違っていますが、記事の内容は同一なので、「北日本新聞」のものを以下に転載しておきます。


好調の新顔バラエティー
地続き感で共に笑う

「あまちゃん」「半沢直樹」などテレビドラマの好調ぶりが久しぶりに注目されているが、バラエティーは「定番」に人気が集中し、新顔のヒットが生まれにくい傾向が続く。そんな中、4月に始まり好調を維持している2番組に注目した。

お金はないが明るく夢を追いかける女性たちを紹介する「幸せ!ボンビーガール」(日本テレビ系、火曜夜)は、一昨年の深夜帯に半年間放送された後、午後10時台に時間を移して復活。8月20日まで14回の平均視聴率は12.1%で、同時間帯でトップになることもしばしばだ。

森羅万象

再レギュラー化に伴い、女優の卵が沖縄・石垣島のぼろぼろの古民家で一人暮らしをする様子に密着するコーナーなどを加えた。総合演出の清水星人チーフディレクターは「『お金がなくても幸せ』という切り口で人間の森羅万象を切っていきたい」と話す。

一方、「アウト×デラックス」(フジテレビ系、木曜夜)は「アウトとグッドは紙一重」をテーマに、有名無名を問わず、個性的すぎる人々を紹介するトーク番組。司会のマツコ・デラックスとナインティナインの矢部浩之が、その強烈なエピソードに、時にあきれながらも温かくフォローを入れる。

4月からの平均視聴率は9.0%と、午後11時台の番組としては上々。将棋の加藤一二三九段の「クイズを出したがる」一面をクローズアップするなど著名人の意外すぎる一面も次々飛び出す。

総合演出の鈴木善貴ディレクターは「見たことがないすごいものを見たいという願望は普遍的なもの。普通の人をテレビで見る必要はない」と力を込める。

上智大の碓井広義教授(メディア論)は「2番組とも『素人』のパワーを生かし、しかも“上から目線”のいじわるな感じがない。“ひな壇バラエティー”に飽きた視聴者が『地続き感』がある笑いに共感しているのではないか」と分析する。

見切る速度

7月に高視聴率を記録したバラエティーを見ると、1966年放送開始の「笑点」を筆頭に放送から10年以上の長寿番組が並ぶ。清水、鈴木両ディレクターは「視聴者の目は肥えていて、うそや小手先の手法はすぐ見抜かれる」と口をそろえる。

碓井教授は「今の視聴者には『独りよがりな新番組を作るくらいならむしろ何もするな』という冷めた空気がある上、ツイッターの普及などで面白いかどうか『見切る』タイミングも早い。視聴者の反応を見ながら改良を加えていくバラエティーの制作手法が通用しにくい、厳しい時代かもしれない」と話している。

(北日本新聞 2013.09.06)



上毛新聞



岩手日報



愛媛新聞



徳島新聞



四国新聞



神奈川新聞



埼玉新聞



山梨日日新聞



北國新聞



福井新聞



河北新報



佐賀新聞

週刊ポストで、「あまちゃん」終了後についてコメント

2013年09月13日 | メディアでのコメント・論評

発売中の「週刊ポスト」最新号が、「あまちゃん」特集を組んでいます。

タイトルが、<『あまちゃん』とは日本人にとって何だったのか?>とデッカイ(笑)。

宗教学者の島田裕巳さん、評論家の坪内祐三さん、アイドル評論家の中森明夫さん、そして評論家の宇野常寛さん、社会学者の開沼博さんなどが、それぞれの見方を披露していて、とても面白い。

私がコメントしたのは、いわゆる「PASD」に関してです。

これは「ポストあまちゃん症候群」、もしくは「あまちゃん後ストレス障害」と呼ばれるもので、もちろん「PTSD=心的外傷後ストレス障害」のパロディです(笑)。

「あまちゃん」の放送が終わったら、強いストレスを感じるのではないか、というお話。

こちらには、映画評論家の町山智浩さんなどが登場しています。

私のコメント部分は・・・・


上智大学教授(メディア論)の碓井広義氏は、朝8時の放送を見て、夜に夫婦で録画を再び見る毎日だ。

「私もPASDが心配で。1日に2度見るので、登場人物たちと一緒に暮らしている気がするんです。『あまちゃん』が終わることは、同居している家族がいなくなるのと同じなんですよ」

(週刊ポスト 2013.09.20/27号)



・・・・と、まあ、何だかすごいことを言っていますねえ(笑)。

とにかく、9月28日まで、目いっぱい楽しもうと思っています。





「南の島 」スナップ集②

2013年09月12日 | 遥か南の島 2013~2014

















「南の島 」スナップ集①

2013年09月12日 | 遥か南の島 2013~2014









NHK「あまちゃん」 見事な描き方だった震災シーン

2013年09月11日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、先週から“震災編”ともいうべきブロックに入った、NHK朝ドラ「あまちゃん」について書きました。


国民的ドラマ「あまちゃん」NHK
アキたちの地元愛はどう結実する?

「スタートから1週間あまり、すでにこのドラマから目が離せなくなっているのは宮藤官九郎の脚本のお手柄だ」――このコラムにそんな文章を載せたのが4月9日。5ヶ月が過ぎて、今や「あまちゃん」は堂々の国民的ドラマとなった。

そして先週、誰もが「一体どうやって見せるのだろう」と注目していた震災と津波がついに描かれた。東京へ向うため北三陸鉄道に乗っているユイ(橋本愛)。天野春子(小泉今日子)の「それは突然やってきました」というナレーションが流れる。夏ばっぱ(宮本信子)の携帯電話が「緊急警報」を告げて・・・。

結果的に、宮藤官九郎とスタッフは津波の実写映像を視聴者に見せることをしなかった。観光協会に置かれていたジオラマの破壊された無残な姿。電車が止まったトンネルを出て、外の風景を見たユイと駅長の大吉(杉本哲太)の表情。そして津波が運んできたと思われる、線路の周囲に散乱した瓦礫。敢えてそれだけにとどめたのである。

この描き方は見事だ。本物の映像なら視聴者の目に焼きついている。また被災地の皆さんもこのドラマを見ている。あの日の出来事を思い起こさせるには必要かつ十分、しかも表現として優れたものだった。

物語は終盤。アキ(能年玲奈)たちの地元愛が、いい形で実を結んでいくことを祈るばかりだ。

(日刊ゲンダイ 2013.09.10)