日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!。
今回は、今週最終回を迎える、テレビ東京「たべるダケ」について
書きました。
フシギな味の深夜ドラマです(笑)。
「たべるダケ」テレビ東京
味見するならラストチャンス!
味見するならラストチャンス!
テレビ東京ってのは、ほんと面白い放送局だ。
漫画を原作にしたドラマはどこの局でもやるが、「たべるダケ」(金曜深夜24時52分)みたいな作品に挑戦するのはここくらいなものだろう。もちろんホメ言葉だけど。
ヒロインは「食」にしか興味のない謎の女。というか常にハラペコのシズル(後藤まりこ)だ。いきなり現れ、ひたすら食べて、消えてしまう。
でも彼女と出会い、一緒に食事をした人間は何かが変わるのだ。ちょっと元気が出たり、自分を再発見したり、時には救われたりもする。
そんなシズルにひかれたのが柿野(新井浩文)だ。3人の元妻への慰謝料を抱えながら他人の世話ばかりしてきた男が、今度は自分
のためにシズルを探し回る。とはいえ、そもそもシズルとは何者なのか。その謎も間もなく明らかになりそうだ。
毎回の見せ場はシズルの食べっぷりである。ハンバーグ、卵納豆
かけご飯、タラ鍋と焼きたらこ等々、それはもう、うれしそうに口に
運ぶ。先週の天ざるも豪快な音と共に食す姿がアッパレだった。
思えば、人は悲しい時も辛い時も絶望した時も腹が減る。そして、
まずは食べることで生きるチカラが湧いてくるのだ。
「半沢直樹」が終わった。「あまちゃん」は今週末には完結だ。この「たべるダケ」も次回が最終話。味見するならラストチャンスである。
(日刊ゲンダイ 2013.09.24)