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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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フジテレビ「ほこ×たて」 やらせ問題のこと

2013年10月25日 | テレビ・ラジオ・メディア

フジテレビ「ほこ×たて」の“やらせ問題”で、新聞・雑誌の取材を受けました。

一言でいえば、「ガチンコ勝負」がウリの番組で、やらせに手を染めたら、おしまいです。

フジテレビにとって、「たかがバラエティー番組の1本」などとは言えないほど、この代償は大きなものになるのではないでしょうか。

コメントした記事は、掲載され次第、随時アップしていきます。


以下は、この件の記録としての記事転載です。

フジテレビ「ほこ×たて」にヤラセ疑惑浮上 
出場者告発「余りにも酷い編集。全くの作り物です」

「ほこ×たて」といえば、故事成語「矛盾」にちなみ、相反する「絶対に○○なもの」を戦わせて勝敗を決めるという、フジテレビ系の人気バラエティー番組だ。

相容れないもの同士の真剣勝負に視聴者はエキサイトしてきたが、実は放送内容は「真剣ではなかった」疑惑が浮上した。きっかけは、出場者がインターネット上に公開した「告発文」だ。

「絶対に捕らえるスナイパー」VS「絶対に捕らえられないラジコン」

2013年10月20日放送の「ほこ×たて」では、「どんな物でも捕らえるスナイパー」と「絶対に捕らえられないラジコン」の対決が放送された。

スナイパーチームは、元空軍で、以前番組で同様の対決をした際にラジコンボートを撃沈したジョージ・レイナスさん、射撃世界チャンピオンの女性スナイパー、レヤ・キンプレイさん、8歳から射撃を始めた「海軍最強スナイパー」のクリス・リードさんの3人が集結した。一方のラジコンチームは、ラジコンカー世界選手権14連覇の実績を持つ広坂正美さん、ラジコンヘリ世界チャンピオンの野々垣貴士さん、ラジコンボート100メートル1秒78という日本記録保持者の坂孝生さんの3人で登場した。

勝負は3対3の勝ち抜き戦で、勝った選手が残り、次の相手と対戦するというルールだった。

クリスさんとラジコンヘリの先鋒対決ではヘリの負け。中堅としてラジコンカーの広坂さんが登場し、クリスさんと戦ったが、制限時間2分の間に5発までというルールの中、残り1秒で4発目が車体にヒット、5発目も的中させ、ボディーが吹っ飛んでしまっていた。

その後大将として登場したラジコンボートがクリスさん、中堅のレヤさん、大将のジョージさんの弾をかわし、見事ラジコンチームの逆転勝利に終わった。

スナイパーのルール違反で対決は中止になっていた

ドラマチックな展開に、スタジオで見ていたゲストたちは興奮していたが、10月23日になって、「放送内容は嘘だった」という疑惑が浮上した。

ラジコンカーで出場した広坂さんが、勤務先のラジコン製造販売メーカー「ヨコモ」の公式サイト上に公開した「告発文」によると、実際はラジコンボートが先鋒で3連勝し、対決はラジコンチームの勝利で終わるはずだったが、ヘリとカーの対決も見せられるように順番を入れ替えることが決まり、撮影が行われたという。

放送ではラジコンカーはクリスさんと対決したことになっていたが、実際に対決したのはレヤさんだった。撮影時に「2分間一本勝負」「最初の1分間は撃ってもよいが、決してラジコンに当ててはならない」「実際の真剣勝負は残りの1分間で、1分間の中で3発のみ撃てる」というルールが決められ、対決がスタートしたが、開始わずか数秒でルールに反してレヤさんが車体に銃弾を撃ち込んだ。

予想外だったこともあり簡単に命中、ボディーが外れて飛び散ってしまった。さらに2発目がバッテリーに命中、その後も立て続けに連射され、1分経たずにラジコンカーはバラバラに破壊されてしまったというのだ。

撮影は一旦中断、レヤさんは広坂さんに対し「弾が当たってしまいました。すると後ろからKILL(殺せ!)という声が聞こえてきたので、つい連射してしまいました。ごめんなさい」と話したという。
ラジコンカーは現場では修復できず、広坂さんは制作スタッフに番組への出演辞退を申し出た。同時にスナイパー側と制作スタッフ側も揉め、「スナイパーVSラジコンカー」は正式な対決のないまま中止となった。

ところが、放送では「クリスさんとラジコンカーが対決し、クリスさんが残り1秒で勝利した」という内容になっていた。対戦相手も勝負の内容も事実とは異なるものが放送されてしまったのだ。

広坂さんは放送直前に制作会社から編集内容を知らされたといい、「反則した相手が負けになるのであればまだ納得出来ますが、もしこの内容で放送された際には、事実を発表します」と忠告、内容を偽らないよう要請していたが、嘘の内容で放送されてしまったため、告発に至ったとのことだ。

フジテレビは「現在事実関係を確認中」

広坂さんは過去2回「どんな獲物でも絶対に捕まえる鷹」、「どんな物でも捕まえる猿軍団」とも対決していたが、その際も「鷹がラジコンカーを追いかけて来ないので、鷹が慣れるまで練習させた上で再戦して欲しい」「鷹が逃げるので鷹が追いかけて来るよう、ゆっくり走らせて欲しい」などというスタッフからの要求や、猿がラジコンカーを怖がって逃げてしまうので釣り糸を猿の首に巻き付けてラジコンカーで猿を引っ張り、猿が追いかけているように見せる細工という「演出」があった。

「これまでは、『ラジコンの認知度を上げたい』『ラジコンを普及させたい』との強い想いで、制作会社からの度重なる無理な要望にも出来る限り応えて参りました」という。しかし今回の放送で「ラジコンのイメージダウンだけでは無く、想いとは裏腹にラジコン愛好家の皆様にも多大なるご迷惑をお掛けする結果となってしまいます」と嘆く。

告発文の最後は、番組側へのこんな要望で締めている。

「放送開始当初の『ほこ×たて』は、斬新な企画で、『人対人』、『企業対企業』の真剣勝負での対決だけに見る人の目を釘付けにしました。視聴率が高かったのもうなずけます。人気番組であるだけに、私共も多大なる期待と希望を持っておりましたが、昨今では余りにもひどいやらせ番組に成り下がってしまった為、今回のようなご報告をしなければならなくなりました事、非常に残念な気持ちと悔しい思いで一杯です。最後に、フジテレビさんには放送開始当初の輝いていた人気番組『ほこ×たて』の再興を強く願っております。」

広坂さんの告発はネット上で瞬く間に広まり、「ラジコンの世界チャンプに対してホントに失礼極まりない」「いつかはやると思ってたが、やり口が汚すぎて酷いですね」「ガチンコ対決が売りの番組でしょ?こりゃ打ち切りだな」など、番組への批判の声が多数上がっている。

告発の内容は事実なのか、フジテレビに問い合わせたところ、「現在事実関係を確認中で、これ以上は答えられない」とのことだった。ヨコモにも連絡してみたが、広坂さんが10月23日から海外出張とのことで、話は聞けなかった。

(J-CASTニュース 10月23日)



「ほこ×たて」放映自粛へ 
フジ「不適切な演出を確認」

フジテレビは24日、人気バラエティー番組「ほこ×たて」の1コーナーで、収録の順番や対戦の運営方法について不適切と思われる演出が確認されたとして、同番組の27日以降の放送を取りやめると発表した。今後、事実関係を調査し、視聴者や出演者からの信頼に応えられると判断するまで放送は自粛するという。

問題となったのは今月20日に放送された2時間スペシャル。「どんな物でも捕えるスナイパー軍団VS.絶対に捕えられないラジコン軍団」で、射撃による対決の順番を入れ替え、事実と異なる内容を放送した。番組に出演し無線操縦の車を操縦した男性が勤務先のホームページ上で問題を指摘し、明らかになった。男性は、無線操縦車の世界選手権で通算14回優勝したことがある人物。

実際の収録では、最初に行われた対決で無線操縦のボートが3連勝したが、放送ではヘリコプター、車が先に対決して負け、最後にボートが3連勝して「ラジコン軍団」が逆転する内容に変わっていた。

(朝日新聞 10月24日)


・・・・「不適切な演出」かあ。

放送業界も、いつまでもこんな言葉の使い方で誤魔化してちゃ、ダメですね。

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