碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

【気まぐれ写真館】 2023年2月23日の夕空

2023年02月23日 | 気まぐれ写真館

2023.02.23

 

 

今日は

亡き母の誕生日。

おめでとう。

そして、

合掌。

 


「浦沢直樹の漫勉neo 手塚治虫スペシャル」実作者だからこそ分かる巨匠のすごさ

2023年02月23日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

「浦沢直樹の漫勉neo 手塚治虫スペシャル」

浦沢自身も実作者だからこそ

巨匠のすごさが分かる

 

17日の夜、NHK・BSプレミアムで「浦沢直樹の漫勉neo 手塚治虫スペシャル」が放送された。

「浦沢直樹の漫勉neo」は普段Eテレで放送されているが、これまで亡くなった漫画家を取り上げることはなかった。しかし手塚治虫は別格だ。今回はEテレで放送したものに未公開映像を加えた特別編だった。

巨匠の“創作の秘密”に迫るための材料は主に3つ。手塚の生原稿、さまざまな資料、そして貴重な証言だ。番組には、石坂啓をはじめアシスタントを務めていた漫画家3人が登場した。

盛り上がったのは、堀田あきおが保存していた「ブラックジャック」の描きかけ原稿のコピーが出てきた時だ。手塚は簡単な下描きだけで人物にペンを入れており、手にした浦沢は「ベタ(黒塗り)が入る前の〈描いてる感〉がすごい!」と大興奮だった。

また雑誌「アサヒグラフ」を下敷き代わりにしていた手塚を浦沢が追体験。小指ではなく、手のひらの側面を紙の上に置いた、独特のペン遣いにもトライする。「柔らかな線になる」と驚きながら、アトムの顔をさらさらと描く浦沢。自身も実作者だからこそ、手塚のすごさが分かるのだ。

さらに豊富な資料映像を駆使することで、手塚の仕事ぶりや人となりも伝わってくる。NHKならではの異色のドキュメントであり、見事なエンターテインメントだ。

(日刊ゲンダイ「テレビ 見るべきものは!!」2023.02.22)