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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

渡辺淳一さん『告白的恋愛論』の思い出

2014年05月07日 | テレビ・ラジオ・メディア

80歳で亡くなった渡辺淳一さん。

作家として最期まで現役感に満ちていた、堂々の大往生ではないでしょうか。

合掌。


その著書『告白的恋愛論』を、番組で紹介したことを思い出しました。

2010年1月のHTB「スキップ」でのこと。

毎回、おススメの本を紹介するコーナーがあったのです。



渡辺淳一『告白的恋愛論』は壮大な自慢話?


道内の陸別町でマイナス29度!

札幌も雪は降っているが、陸別ほどの寒さではない(笑)。


今日はHTB「スキップ」の生出演。

北海道出身の作家とその新作を紹介する「碓井教授の徹夜本」コーナーでは、渡辺淳一さんのエッセイ集『告白的恋愛論』(角川書店)を取り上げる。

これまで関わりのあった女性たちとの“恋愛模様”がずらっと並ぶ、まさに告白本だ。

もちろん、作家が文章にするわけだから、事実そのままではあり得ない。

名前はともかく実在の女性が登場することもあり、「書いていいこと」の範囲は守っているはずだからだ。

それに、あくまでも男性側から、つまり渡辺さん本人の側からのみ見た恋愛の経緯である。

エッセイとはいえ、恋愛一代男が語る自伝的“物語”として読むべきなのだ。

しかし、それらを差し引いても、ここに書かれた渡辺さんのモテっぷり、旺盛な恋愛欲は尋常ではない(笑)。

医師として札幌で仕事をしながら小説を書いていた渡辺さん。

やがて、東京に出て本格的に作家として立つことを決心するが、一緒に上京するのは妻ではなく愛人なのだ。やるなあ(笑)。

この女性(このエッセイでは裕子となっている)との“いきさつ”は、後に小説『何処へ』(ヒロインの名も裕子)で描かれる。

そうなのだ。

この本の面白さは、実在の女性、実際の恋愛が、いずれも渡辺作品のモデルとなっていることにある。

前記の『何処へ』の裕子だけでなく、『阿寒に果つ』の純子、『ひとひらの雪』の人妻・霞、そして『失楽園』の凛子にも、モデルとなった女性、モチーフとなった恋愛が存在するのだ。

あらゆる恋愛が、すべて作品の中に取り込まれ、収斂し、昇華する、ということだろうか。

いやあ、作家というのは凄いなあ。

若い頃の渡辺さんは、カノジョに自殺未遂されたり、三角関係のもつれが原因で逮捕されたりと、相当なやんちゃだ。

さらに驚くのは、過去の女性たちはすべて過去かといえば、そうではなく、現在も付き合い続けている女性もいるというじゃないか。

お見事です。

そういう意味では、この『告白的恋愛論』は“壮大な自慢話” (笑)とも言えるのだ。

それにしても心配したくなるのは、作家の妻のこと。

ばんばん恋愛をして、ばんばん小説にして、さらにそれをリアルなエッセイとして書いてしまう夫を持つ妻は、そりゃ大変だろう。

まあ、夫婦のことは夫婦にしか分からないので、そんな心配は余計なお世話かもしれない。

この本から学ぶべきは、渡辺先生の、女性たちに対する「直情径行」(笑)と、「感謝の心」だ。

ただし、素人は安易に真似してはいけません(笑)。

(碓井広義ブログ 2010年01月16日)

映画「テルマエ・ロマエⅡ」で、GW疲れを解消

2014年05月07日 | 映画・ビデオ・映像
入手したぞ!ケロリン桶


信州の実家2軒を駆け足帰省してきたので、その間、待機させていた仕事に思いっきり体当たり。

で、休憩ということになり、映画「テルマエ・ロマエⅡ」(笑)。

前作を楽しんだので、今回も、なーんも考えず選択です。

過去と現代、ローマと日本、アイデアのお持ち帰りも、これだけパターンになると、さすがにちょっとキツイのですが(笑)、まあ、これはそういう映画なので、文句はありません。

相変わらず安倍ちゃん、じゃなかった阿部ちゃんは、堂々たる裸体派に徹しておるなあ、などと感心しながら、また所々でしっかり笑って鑑賞してきました。

「レンタルでもいいじゃん」の声もあるでしょうが、大スクリーンで、バカバカしいことを本気でやってる映画を見るのは嫌いじゃないし。

ってことで、さあ、仕事の続きです。