碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

日刊ゲンダイで、小栗旬「ペプシCM」&「BORDER」について

2014年05月14日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今週は、 小栗旬主演「ペプシCM」&「BORDER」について書きました。

特に、ペプシネックスゼロのCM「桃太郎 エピソード1」は、驚くほどのクオリティで迫ってきます。


“旬”の俳優・小栗を堪能できるCMと新ドラマ

スタイリッシュな映像が話題を呼んでいる、ペプシネックスゼロのCM。10日から「桃太郎 エピソード・ゼロ」篇に続く、「エピソード1」の放送が始まった。桃太郎を演じているのは小栗旬だ。

今回は鬼が島の住民を襲う「巨大な鬼の一族」に戦いを挑む以前の物語が展開されているが、この連続CMにおける小栗がいい。ハリウッド製VFXアクション映画の主演俳優のような存在感があるのだ。

TBS「MOZU」と同じ木曜夜9時枠で、同じ刑事ドラマとして真っ向勝負となったのが小栗主演の「BORDER」(テレビ朝日)である。

実は放送開始前、「死者と対話できる特殊能力をもつ刑事」のドラマと聞いて、やや引いていた。しかし、事件の被害者である死者たちが、結果的に主人公を通じてその無念を晴らすという構造は、意外や快感だったりする。 

普通、刑事ドラマにおける被害者は死亡後、回想シーンでもなければ、ほとんど出番がない。しかしこのドラマでは小栗に語りかけ、捜査をサポートする重要な役割をもつ。しかも悲願のリベンジを果たせるのだ。

いわば「突拍子もない話」であるこのドラマを成立させているのは、原案だけでなく、脚本も手掛ける直木賞作家・金城一紀のお手柄だろう。桃太郎と同様、“旬の俳優”小栗を見るという意味でもオススメの1本だ。

(日刊ゲンダイ 2014.05.13)