『感性創房』kansei-souboh

《修活》は脱TVによる読書を中心に、音楽・映画・SPEECH等動画、ラジオ、囲碁を少々:花雅美秀理 2020.4.7

◎渡邊・有働・石井アナ/NHK女性アナウンサー列伝抄:(5)

2013年02月21日 21時17分26秒 | ■人物小論

 

  加賀美・山根のビッグ2に続く、渡邊・有働・石井さん

   加賀美幸子さんと山根基世さんの「ビッグ2」に続くNHKの女性アナウンサーは? 

 ……となれば、個人的には渡邊あゆみ(わたなべ)さん、有働由美子(うどうゆみこ)さん、それに、あまり知られていないかもしれませんが、石井かおるさん、道傳愛子(どうでんあいこ)さんでしょうか。

 「元NHK」となれば、草野満代(くさのみつよ)さんを外すことはできません。

  筆者はほとんどテレビを観ません。それでも今回ばかりは、この「シリーズ」を書き上げるため、NHKのみならず「民放」各社の女性アナウンサーもチェックしました。  

 ことにNHKについては、各曜日の主だったTV番組にひととおり眼を通したつもりです。ラジオも例外ではありませんでした。

 

                  

 渡邊 あゆみ

   渡邊あゆみ(1960年生)さんは、姓が「久能木(くのき)」、「黒田」、そして「渡邊」と変わったようです。現在、『歴史秘話ヒストリア』のナビゲーターを担当しており、先週は「和宮降嫁」に関する秘話でした。

    渡邊さんは、“無造作に言い切る” 喋り方が特徴です。それはときに、“愛想のないぶっきら棒” な印象を与えるかもしれません。声の質が “低く、太い” ため、言い終わった後の余韻が、あとあとまで残りやすいと言えるでしょう。

 ……と、こうして原稿を綴っているだけで、彼女の声が筆者の脳髄に響いています。その印象度の強さたるや、半端ではありません。といっても〝別格の加賀美さん〟には叶いませんが。

   やや籠りがちな感じの独特な “ひびき” も、この人ならではの特色であり、声の印象度という点では、現役のNHK女性アナウンサーの中でも一、二でしょうか。

 “声の老(ふ)け” を感じさせない、大変エネルギッシュな人です。

   どんなジャンルのナレーションも器用にこなす人のようですが、筆者的には「中国史」をはじめ、アジア系歴史物のナレーションなど面白いような気がします。

             

 有働 由美子               

   一時期、特派員としてニューヨークにいた有働由美子(1969年生)さん――。

 つい最近、民放各社にNHKを加えた「女子アナ人気ランキング」において「ベスト3」にランクされ、NHKではトップでした。

 関西出身だけあって、気さくで明るく、男性的な骨太キャラクターの印象を与えます。 

  しかし、実像は案外(…といったら失礼かもしれませんが…)真の女性らしさを湛(たた)えた繊細な感性の人なのかもしれません

 現在、有働さんは『あさイチ』という番組の「キャスター」を務めています。その番組は、気さくな感じの軽いノリがコンセプトのようです。彼女が、自分を律しながら番組の雰囲気づくりに心を砕いている様子が判ります。

   「紅白歌合戦」の「総合司会」等を担当することもあるようですが(ちなみに筆者はこの十数年、同番組は観ていません)、「ナレーター」としての技量もなかなかのものです。

   もう十年以上になるでしょうか。番組のタイトルも内容もほとんど憶えていませんが、有働さんのナレーションによる  “川の流れや川土手の殺風景な様子を描写した表現”  に、深い感動を覚えたことがあります

   彼女が「三十歳代前半」のときですから、おそらく今よりも「高い声」だったのでしょう。しかし、そういう印象はまったくありません。とても落ち着いた低い声で、彼女自身が実際に眼の前でその光景を観察しているかのような訴求力がありました。

    いかに優れたNHKのアナウンサーとはいえ、そうそう誰にでもできることではありません。原稿の文章が素晴らしかったのは事実ですが、彼女の高い美意識や感性の賜物でしょう。

                ★

 石井 かおる

  石井かおる(1963年生)さんも、昔から注目していた一人でした。

 20数年前、彼女の名前を初めて知ったのは、森林事業者に関する数分間のナレーションでした。

 おそらく石井さんが二十歳代半ばの頃ではなかったでしょうか。現在よりも、少し「高く弾んだ声」であったのは確かです。

  ナレーションが終りに近づいたときでした。画面に登場した森林関係者の名前を告げ、優しく問いかけるようなシーンでした。彼女が画面に登場したわけではありませんが、一段と “澄んだ清浄無垢な声” が、背景の森林とよくマッチしていたように記憶しています。

 深く心に沁み入る “自然体” のナレーションであり、しかも〝少しも気取った感じ〟や〝身構えた感じ〟がなかったのです。そのため、聴き手の心の奥深いところまでスムーズに伝わって来ました。

  ついこの間まで、『あさイチ』のレギュラーでしたが、現在は金沢放送局勤務なのでしょうか。

 数年前、教育テレビの「俳句講座」の司会を担当。俳句大好き人間の筆者は、ビデオに撮ったりして欠かさず観ていました。番組の性格もあったのでしょうが、「言い終わった後の余情」のようなものを感じ取ることができました。

 それが親しみを帯びたものだけに、いっそう印象深く耳に残ったことを覚えています。

  間もなく五十代に入る石井さん。“充分な声量に、太くて粘りのある弾んだ現在の声” は、「加賀美幸子系」と言えるでしょう。

 つまり、これから先が楽しみです。個人的には、彼女による芭蕉の『おくのほそ道(奥の細道)』の朗読……など。贅沢な願いでしょうか……。(続く

 

  ◎2020年11月30日 午後 加筆修正 花雅美 秀理

   

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