『感性創房』kansei-souboh

《修活》は脱TVによる読書を中心に、音楽・映画・SPEECH等動画、ラジオ、囲碁を少々:花雅美秀理 2020.4.7

・アイルランド国に/黒人少女体操選手への人種差別❺(最終回)

2023年10月24日 21時40分06秒 | スポーツ

 

アイルランド国として、世界が納得できる解決を

 

 前回❹の「記事の前半」では、【アイルランド体操協会(GI)の「3声明※註①曖昧さを論じ、「解決」へ向けた「問題点」を指摘しました。そこで「最終回」の今回は、以下のように【問題解決へ向けて】を「提言」したいと思います。

 

【提言:問題解決へ向けて】

 《1》問題解決」に当たっては「アイルランド国政府」が中心となってGI:アイルランド体操協会」他の関連組織※註②)を統括する形で、作業が進められる事を願うものです。また実際にそのようなプロセスを辿(たど)のではないでしょうか。そうでなければ、この問題の「真の解決」は難しいような気がします。

 その理由として、本シリーズ❸の「SARI (Sport Against Racism Ireland)」の【声明】を再掲します。筆者が記した【注目☛】の箇所では、以下ⒶⒷように綴られていました。

 

 【注目☛……しかし、2022年3月、「SARI」はスポーツ大臣に対し、この事件についての調査を行うよう要請しましたが、スポーツ省による承認を除いて、それ以上の返答はありませんでした。

 【注目☛……このリクエスト(要請)」は「GI:アイルランド体操協会」の「CEO(最高経営責任者:Chief Executive Officer)」にもコピーして渡されました この事件とそれへの対応は、多様性と包括性を促進するために、どれだけの取り組みが必要であるかを浮き彫りにしました。

 

 上記ⒶⒷ整理すると、以下㋐㋑㋒㋽となるでしょう。

 ㋐事件直後の2022年3月、少なくとも「アイルランド国(政府)」の「スポーツ省・同大臣」は、「①メダル授与スルー事件」「②その関連動画及び「少女選手・家族」からの「③人種差別訴えの事実」を把握していた。

 ㋑しかしスポーツ省・同大臣」及び「GI(CEO=最高経営責任者)」は、SARI 」からの「事件調査の要請」を、実質的には受け入れなかった

 この「㋐㋑2点」すなわち「アイランド国政府)」としての「当初の対応の不備」が、「事件動画の拡散」を助長したように思います。

 ㋒その結果「GI」は、18か月後の2023年9月、国際社会に対する「謝罪声明(2023年9月)」を余儀なくされたのでしょう

 しかし、それでも「真の解決」には到らず、「少女選手・家族」は「GI」が公式に謝罪しなかったとして、スイスの「体操倫理財団」にこの問題を持ち込む意向と言われています(※註③)。

 《2》「アイルランド国政府」主導による「問題解決」の具体的な「第1段階」として、GI」の抜本的な「組織改革」が不可欠ではないでしょうか。

〈1〉そのためには「スポーツ界」に限定することなく、「教育界」や「実業界」等から「公正公平な第三者」を入れ、「組織」を新たに作り上げるくらいの意志が必要でしょう。

 本シリーズ❸❹で採り上げた「GI」の3声明は、問題の深刻さに対する真摯な態度には程遠く、何よりもその解決意欲希薄さには驚くばかりでした。

 事は「人種差別」という極めて深刻かつ重大なテーマです。それに意欲的に取り組まないという姿勢は、いっそう深刻な人種差別」を意味するのではないでしょうか。少なくとも筆者や身近な友人達は強くそう感じました。

〈2〉組織改革」に当たっては、「組織機構自体再編成」をはじめ、「役員人事」や「事業計画」さらには「運営規定」等についての抜本的な見直しも必要となるでしょう。

 以上《1》及び《2》のすみやかな実現のためにも、「アイルランド国政府」主導による「最終的な真の解決」を願うものです。

 筆者が「政府主導」に拘(こだわ)る理由は、「スペインサッカー協会・前会長ルビアレス氏」の「キス騒動問題」の早期解決が、念頭にあったからかも知れません※註④

 「スペイン政府」は非常に早い段階で「キス騒動問題」に関与しており、「司法当局」に対する手回しの良さに感心させられました。スペインサッカー協会執行部」を牛耳った難攻不落のルビアレス氏でしたが、一気に辞任へと追いやられたのは周知の通りです。

 「有無を言わさぬそのスピーディな解決」に、海外のマスコミや人々から多くの賞賛の声があったのは当然でしょう。結局その「スマートでスピーディな処理」が、スペイン国のイメージ向上に貢献し、計り知れない価値をもたらしたように思われるのですが……。

 それに比べて、今回の「黒人少女体操選手」に対する「人種差別問題」。その「解決への道のりの不透明さ」と「有力な解決主体の不在」とが、懸念されるところです。「アイルランド国そのものに対する問題として、「世界の目」が注がれている事を、同国国民のみなさんに訴えたいと思います。

 他国の事をとやかく言いたくはありませんが、今回の「人種差別事件」については、「アイルランド」や「ダブリン」に人一倍想いを寄せる一人として、見過ごすことができませんでした。

 だからこそ筆者は、ここまで5回もの長文の連載を続けることができたと思います。当初3回で連載を切り上げようとしたところ、友人知人の数人より〝包み隠さず詳細に伝えて欲しい〟との強いリクエストとともに、さまざまな意見を聞くことができました。

 同時に彼ら全員が筆者の論旨に賛意を示してくれたことは、何よりもの励みであり、その中の一人(20年来の知己)より三日前、次のようなメールを受信しました――。『最終回は、昔のように舌鋒鋭くを期待!』(※註:下線も「知己」)と。

 久しぶりに目にした〝舌鋒〟の文字に、懐かしさと共に静かなる闘志が湧いて来るような気がしました。その「二文字」に勇気を得、最後を締めくくりたいと思います。

✤✤✤

 今回の「人種差別事件」が、「アイルランド国政府)」としての初期対応の不備にある事は衆目の一致するところでしょう。その最大の要因は、やはりSARIからの「調査要請」に、「国(政府)」として積極的に取組まなかった事にあるのかも知れません。

 あくまでも筆者個人の推測ですが、「アイルランド体操協会(GI)」の「公式の謝罪声明」が、事件から18か月もかかったのは、「アイルランド国政府)」からの何らかの指示によって、GI」が主体的に動けなかったからではないでしょうか。

 しかし、それが事実であったとしても、やはり「アイルランド体操協会(GI)」自体の3声明曖昧さが「課題」を残した事は事実です。

 筆者は礼を失しないためにと曖昧さ」という表現にとどめましたが、これらの3声明に目を通すたびに、実のところ〝やり切れない思い〟でいっぱいでした。

✤✤✤

 

アイルランドのみなさん! 真の行動を

 最後に、筆者の〝思いの丈(たけ)〟を申し上げます――。

 3声明」とは、〝誠実さに欠けた弁解がましさいっぱい〟のメッセージと言わざるをえません。すなわち謝罪声明:2022年3月の「GymSTART イベント」に関するGIの声明そして明確化の声明――マイリード・カバナー】がそれです。

 この3声明の共通点は、「メダル授与をスル―された少女」に対する〝心を込めた思いやり〟など、〝これっぽちも感じさせない無神経さ〟とでも言うのでしょうか。

 そのような〝無神経さ〟すなわち〝配慮の欠如〟は、自らの差別意識や行動を〝止むを得ないもの〟として無意識のうちに正当化することであり、極めて〝危険な潜在意識〟と言わなければなりません。

 そのような〝危険な潜在意識〟が、「GI」をはじめ、「家族・集団・地域・民族・国家」というそれぞれの「人間集団」において、集団内の群衆心理〟として無責任に同調したとき、どのような行動が生み出されるでしょうか

 例の「メダル授与スルー事件の動画」が、実に端的に物語っています。あの時の「メダル授与者の女性」をはじめ、「MEDIAカメラマンの男性」「COACHと思われる男女」「主催者スタッフらしき女性」達に加え、「画面には映っていない人々」……。無論、全ての「大人」だけでなく「メダルを受ける少女」を含む「一定年齢以上の子供達」も含まれるでしょう。

 そういう状況下にあって、〝素晴らしい行動を見せた〟のは「黒人少女」の「右側にいる少女」だけでした。少なくともあの「82秒間の真実」においては。

 〝あの時〟「大人」や「一定年齢以上の子供」達をはじめとする人々すなわち「アイルランドの国民」は、何をどのように考えながら沈黙していたのでしょうか。筆者の関心はただその一点にあると言えるでしょう。

 アイルランド国民」のみなさん。どうか「GI」の「3声明」に目を通してください。といって筆者は、「GI」を非難するために勧めているわけではありません。

 そうではなく、あのような3声明が、そのまま〝世界へ向けて発信され続けているという事実〟の意味を、冷静に考えていただきたい……ただそれだけです。

 そして現在の3声明に代わる〝真心のこもった誠実な声明〟を期待したいと思います。もちろんそのためには、「GI」と「あの少女や家族のみなさま」との「完全な和解」が絶対条件となるでしょう。

 そのためにも、「アイルランド国」の英知と行動力とによって、世界に誇りうる新しいアイルランド体操協会GI)」の誕生をひたすら祈っています。(了)

 

✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤

註釈

※註①:本シリーズ❸の謝罪声明と❹の:2022年3月の「GymSTART イベント」に関するGIの声明】【明確化の声明――マイリード・カバナー】を参照してください。

※註②:「SARI (Sport Against Racism Ireland)」や「GAA(Gaelic Athletic Association/ゲーリック体育協会)」などです。

※註③:現地の新聞「アイリッシュ・インディペンデント」は9月24日、少女の母親の話を匿名で報道。それによると、母親は「アイルランド体操協会(GI)」が公式に謝罪しなかったと考えており、スイスの「体操倫理財団」にこの問題を持ち込む意向とのこと。

 ◆【記事】黒人少女にメダル渡さず、「アイルランドの体操協会」大会。協会が謝罪。(BBCnewsJAPAN)(再掲:本シリーズ❶)

※註④:この問題については、前5回シリーズの《スペイン・サッカー連盟会長の母上様へ》をご覧ください。

 

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・バイルズ選手の救い/黒人少女体操選手への人種差別❹

2023年10月18日 19時45分03秒 | スポーツ

 

「アイルランド体操協会(GI)」の3声明曖昧さ

 今回も、前回の【A】【B】2つの「声明」同様、2つの「声明」をご紹介します。いずれも「GI」すなわち「アイルランド体操協会」HPに掲載されたものです。

 初めに採り上げるの「声明」ですが、その要点は「❶~」であり、それに対する「私見」が」となっています。

1.2022年3月の「GymSTARTイベント」で「発生した事件メダル授与スルー)」に関して会員の保護者」から苦情を受け、関係職員を特定して本人に苦情を通知した

 事件が起きた2022年3月の時点では、「GI」は責任の所在を「特定個人の女性」に限定しており、GI自体」の責任を論じてはいません。しかし結果として18か月後、前回「謝罪声明」となりました。

2.特定個人」は、「メダルの授与スルー」が意図的ではなかった事を強調し、(少女選手)がフィールドオブプレイ(FoP)を離れる前に「メダル」を渡した。

 意図的でなかった」など、あの「動画」を見るかぎりとても納得できるものではありません。「黒人少女選手・家族」からすれば、“差別を受けた上に侮辱された”という気持になったのではないでしょうか。

3.特定個人」は、競技者と彼女の家族直接謝罪する機会を要求したが当初拒否されたしかしその後、特定個人」から提供された書面による謝罪競技者とその家族に渡された

 「特定個人」からの「最初の謝罪書面」は、「わずか1行」のメッセージだけであったと、少女の母親は語っていたようです。

 改めて「謝罪書面」が渡されたといっても、それは「最終的な解決」をもたらすものではありませんでした。

4.その後、両当事者(「特定個人」と「少女選手・家族」)調停参加に同意。「調停」は、アイルランドの「スポーツ紛争ソリューションズ」が、GIの「ポリシー/手順」に従って独自に仲介し、2023年8月に両当事者が合意し解決

 前回の:謝罪声明】でも明らかなように、調停」は真の解決をもたらさなかったようです。

5.操選手の健康と安全は、私たちが行うすべての中心。そのためGIは、関係機関やアイルランド警察と継続的に交流し、会員の福祉に関するベストな実行を常に最新の状態に保っている。

 前回の:謝罪声明】における数多くの「謝罪や決意表明」同様、実行力に乏しい「GI」のメッセージとして、素直に受け留めることができないのが残念です。

  

 

マイリード・カバナーさんに関する声明に欠けたもの

 次にの「声明」に移りましょう。この声明は「マイリード・カバナー(MaireadKavanagh)」というGIの「女性役員」が、メダル授与をスルー」した人物ではないことを強調した趣旨となっています。大きな「ご本人の画像」と「明確化声明」というタイトルがそのことを物語っているようです。

 というのも、或る「海外の報道機関」が、問題のビデオのメダル授与者氏名」を「マイリード・カバナー」と明記し、そのニュースが拡散したことが大問題となったからでしょう。とんでもない「濡れ衣(ぬれぎぬ)」でした。

 そのためタイトルの「明確化の声明」は、「濡れ衣」を着せられたマイリード・カバナーさんの名誉を回復するとともに、併せて「GI」組織自体は「メダル授与スルー事件」には決して関わってはいない事(=「GI」の責任は一切ない事)を「明確に示すために不可欠」だったのでしょう。

 マイリード・カバナーさんは元体操選手であり、「オリンピック」や「世界選手権」で審判を務めた国際審判員です。30年以上もの永きに渡ってアイルランド体操界に貢献された方であり、GI」のHPには「体操大会」や「行事」に参加された彼女の写真が数多く見られます。

 彼女は現在、アイルランド「四大銀行」の一つと言われる「アイルランド銀行※註①」の正社員です。

  

 ところで「問題の動画」騒動後、この「黒人少女選手・家族」に素晴らしい支援の手が差し伸べられました。すでにご承知のように、米国の「シモーン・アリアンヌ・バイルズ」体操選手から少女への「ビデオメッセージ」と「コメント」です。

 バイルズ選手は 動画が「バイラル化」※註③した時点で、「少女と家族」にコンタクトを取った事を明かしています。彼女は「見るだけでもとてもつらい映像」とした上で、「少女」へ「ビデオメッセージ」を送ったとの事。さらに『どんな競技であっても人種差別が許される余地はない!』 と訴えています。

 バイルズ選手少女へ送った「動画」の中で、『(動画を見て)とてもショックを受けました。 あなたは他の女の子たちと同じくメダルに値する選手だと知ってほしい。』『あなたがどれだけ一生懸命頑張っているか、私には分かります私はあなたの味方よ。』と語りかけたとのこと。 

 「バイルズ選手」の登場は「少女や家族」のみならず、この事件に関心を持つ世界中の人々にとって最大級の「朗報」であり、何よりもの「救い」となったようです。

 この「世界体操女王」の投稿は大きな注目を集めました。『多くの若い体操選手たちにとって、すばらしいロールモデルでいてくれてありがとう』『あなたこそ真のヒーロー』といった反響を呼んでいるとのこと。筆者もこのニュースを目にした時、この「差別問題」からやっと少し救われた思いがしました。

 そして、それからしばらく経ったとき、筆者の脳裡にごく自然に浮かんだ「或る情景」があります。それは「元体操選手」であり、現在は体操の「国際審判員」というマイリード・カバナー」さんが、「あの少女」に体操の指導らしきことをしている「シーン」でした。

 その少女は、多くの仲間の少女選手に見守られる中、活き活きとした表情で自信と希望に満ち溢れた動作を繰り広げながら……。

(続く)



 

〔参考

及びいずれもGI=アイルランド体操協会」のHPの自動翻訳です。一部を「Google翻訳」とし、筆者に於いて微調整のうえ編集。



2022年3月の「GymSTART イベント」に関するGIの声明】〔全文〕2023年9月22日 15:48p.m. 「下線・太字・色文字」は筆者によるもの。

 18か月以上前に2022年2023月の「GymSTARTイベント」で発生した事件に関連してソーシャルメディアに投稿されたビデオを認識しており、会員の一人保護者から苦情を受けました。その後、両当事者は、2023年8月に両当事者が合意した解決につながった当社のポリシー/手順に従って、「スポーツ紛争ソリューションアイルランド」によって独立して促進された調停に入ることに同意しました。

 バックグラウンド

 苦情は、イベントでの私たちの役員の一人による人種差別的な行動を主張しました。電子メールを受信すると、苦情に関するポリシーと標準的な慣行に従って、問題を調査しました。「アイルランド体操協会」はすぐに家族に連絡し、懸念を表明し、問題が調査されていることで安心させました。

 関係する職員を特定し、問題の個人に苦情を通知しました。問題の当局者は、起こったことが受け入れられなかったことを完全に受け入れたが、それは意図的ではなかったと強調した。関係者は、間違いに気付いたらすぐに修正し、彼女がフィールドオブプレイ(FoP)を離れる前に、関係する競技者にメダルが提示されるようにしたと述べました。

 当局者はまた、彼らが正直な誤りと表現したことに深い遺憾の意を表明し、競技者と彼女の家族直接謝罪する機会を要求した。この要求は当初拒否されました。

 その後、特定された個人から提供された書面による謝罪競技者とその家族に発行されました。

 私たちは、この件に関して連絡を受けた後、さまざまな報道機関に加えて、「スポーツ・アイルランド」や「国際体操連盟」を含む、この事件に関するさまざまな関係者との連絡を常に取り続けて来ました。

 その後、両当事者は調停に参加することに同意しました。この調停は、アイルランドの「スポーツ紛争ソリューションズ」が、当社の「ポリシー/手順」に従って独自に仲介し、2023年8月に両当事者が合意した解決につながりました。

 「アイルランド体操協会」メンバーの安全確保

 「アイルランド体操協会」で私たちが行うすべての中心は、36,000 人以上の会員の福祉です。私たちは、幼い子供から始まり、主に子供とティーンエイジャーで構成される、会員ベースに対する配慮義務を常に認識してきました。

 私たちはこれまでも、そしてこれからも、あらゆる人種、年齢、性別、セクシュアリティ、社会経済的グループをカバーする非常に多様な会員のコミュニティを備えた、非常に包括的なスポーツであり続けます。私たちの「安全対策」ポリシーは、コーチや体操選手だけでなく、クラブ、役員、管理者、親/保護者、イベントに参加する人々にも期待される行動の明確な基準を定めています

 体操選手の健康と安全は、私たちが行うすべての中心です。そのために、私たちは「スポーツアイルランド」、「トゥスラ」、「ガルダイ(:アイルランド警察)」、その他の州の機関/パートナーなどの団体と継続的に交流し、会員の福祉に関するベストな実行を常に最新の状態に保っています。



 

明確化の声明――マイリード・カバナー〔全文〕2023年9月24日 14:23p.m. ※註:太字」は原文翻訳文のまま。「下線・色文字」は筆者。

 「アイルランド体操協会」は、マイリード・カバナーが、ここ数日ソーシャルメディアで拡散したビデオにより多くの話題となっている、2022年初頭の「GymStartイベント」での「事件」とはまったく関係がないことを断固として述べたいと思います。実際、彼女は問題のイベントに出席していませんでした※註①

 一部の個人がそうであったように、そうでないことを示唆することは潜在的に名誉毀損※註①であり、「アイルランド体操協会」はこの問題をガルダイ(アイルランド警察)に通報しています。

 マイリード・カバナーは、オリンピックや世界選手権で審判を務めた、非常に尊敬されている国際審判員です。彼女はアイルランドで30年以上体操に携わってきました。

 「アイルランド体操協会」は、ビデオによって提起された強い感情を十分に認識していますが、情報に基づかない憶測や完全に無実の人の名前を挙げることはまったく受け入れられず、そのような虚偽のニュースを広める匿名の人々※註①には何の信用もありません

 「アイルランド体操協会」は、あらゆる形態の人種差別を非難します


記事】:黒人少女スルー表彰式に体操女王が苦言 少女へ送ったメッセージに反響「あなたこそ真のヒーロー」「すばらしいロールモデル」ねとらぼ



註釈

※註①:「アイルランド銀行(Bank of Ireland:BOI)」は、「アライド・アイリッシュ銀行(Allied Irish Banks:AIB)」と共に、アイルランドにおいては「主要四大銀行(Big Four)」の一つと呼ばれています。同国での「口座開設」には、この「BOI」や「AIB」が好んで選ばれるそうです。

※註②シモーン・アリアンヌ・バイルズ(Simone Arianne Biles, 1997年3月14日 - )は、アメリカの女子体操選手。2016年リオデジャネイロオリンピック体操競技で女子団体・個人総合・跳馬・床で金メダルを獲得し4冠を達成、世界体操競技選手権では2013年から2023年現在までに通算で30個のメダルを獲得し、男女を通じて史上最多のメダル獲得者(うち23個の金メダルも男女を通じての史上最多の獲得者)。wikipedia

※註③:「バイラル」は「ウィルス性(viral)の」という意味であり、あたかも「ウィルス(virus)」が感染症によってじわじわ広がって行くように、webマーケティングにおいて「口コミによる情報の拡散」を指しているようです。

 

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・解決のカギはどこに?/黒人少女体操選手への人種差別❸

2023年10月13日 20時06分38秒 | スポーツ

 

  「人種差別問題」のカギを握るのはSARI

 今回は「声明」文の引用のため、文章が少々文長くなっています。AGIの謝罪声明SARI理事会によるGI差別事件に関する声明という「2つの声明※註①」をご紹介します。

 「GI」は、すでに何度も出て来たように「アイルランド体操協会」を指しています。また「SARI(サーリ)※註②とは、Sport Against Racism Ireland」であり、あえて日本語に訳せば「反人種差別スポーツ・アイルランド」となるでしょうか。

 それでは「GI」が、2023年9月25日付けで「HPホームページ)」に掲載した、次のA:謝罪声明をまずご覧ください。念のために申し上げますが、この「謝罪声明」は「黒人少女の体操選手とその家族」に宛てられたものではなく、あくまでもGIのHP」において「一般社会=国際社会」に向けて発信されたものです。

 

           

AGIの「謝罪声明」全文2023年9月25日11:01a.m.

 2022年3月に開催された「GymSTARTイベント※註③」で起こった出来事によって体操選手ご家族に動揺を与えてしまったことを、「アイルランド体操協会」の理事会とスタッフを代表し、深くお詫び申し上げます。


 あの日起こったことは、あってはならないことであり深くお詫び申し上げますまた、その日以降に起こったこと※註④がさらなる動揺を招いたことも申し訳なく思っております。
 この非常にデリケートで難しい問題を解決するために私たちは常に誠意を持って最善を尽くしているということをご理解ください


 私たちは事件後、対面での謝罪を申し入れ、これが最善のアプローチであると考えました。そして調停がこれから次に進むための最善策だと感じています。


 注目☛ 私たちにはもっとやるべきことがあるとわかりましたこのような出来事が二度と起こらないよう私たちは全力を尽くすことを約束します。今年初めに任命した専門家私たちの方針手続き見直しました
 その結果出されたいくつもの提案を受け、このようなことが二度と起こらないよう実施に向けて真摯に取り組んで参ります。


 また体操選手家族およびSARI(Sport Against Racism Ireland)」と協力しこの件に関して(私たちの手順をどのように改善できるか彼らの提案を受け入れたいと思います


 私たちは、この体操選手が「アイルランド体操協会」のイベントに参加し続けていることを嬉しく思っており、これからまたもう一度彼女をイベントに迎えられることを楽しみにしています
 最後に、「アイルランド体操協会」はいかなる人種差別も非難することを断言します。

 

           

 

 なお以上の【謝罪声明】には、「現地メディア」を通じて「黒人少女選手の母親」より、次のような非難がなされています。

GI世界中から非難を受けたため、謝罪をしてきました。“体操に参加する黒人の子供の安全を約束します”といった内容を期待したが、含まれてはいなかった。』

  

 【謝罪声明】の半ばの注目☛には、今年初めに任命した専門家私たちの方針手続き見直しましたその結果出されたいくつもの提案を受け、このようなことが二度と起こらないように実施に向けて真摯に取り組んで参ります。

 とあります。しかし、この「謝罪声明」において「必要不可欠な事」は、

 GI任命した専門家の氏名・身分・肩書き及び任命の経緯

 見直しの対象となった方針・手続き問題指摘及び今後の防止対策

 結果として出された複数提案概要と、GIとしての対応

 を具体的に明記すべきではないでしょうか。それらの記述が全くない事実に筆者は大いに疑問であり、声明文の最後「組織名」も「代表責任者氏名」も記されていないことに不信は膨らむばかりです。

 非礼を顧みずに言えば、青文字で示された常識的な謝罪・反省・決意の言葉」を数多く並べただけであり、内容の乏しさ失望しました。

 「少女へのメダルスルー」から「謝罪声明」発信まで18か月を要したGI今や「問題の発端となった人種差別事件」と「その後のGIの対応」が、“世界的レベルの注目を集めている”というのに。GIとしてどのようにお考えなのでしょうか。

 以上の“不信感と失望”は、SARI(Sport Against Racism Ireland)」によるSARI理事会GI差別事件に関する声明目を通したとき、少し救われる思いがしました。

 結論的に言えば、SARI理事会によるGI差別事件に関する声明には、GIには見られない「問題解決を真剣に目指す」意欲と責任が感じられたからです。

 ではそのをご覧いただきましょう。ただし、「GI差別事件」に関係の無い記述については、「一部を省略」いたしました。今回は「筆者のコメント」を控え、要点を指摘する「下線・太字・色文字」等に留めておきますので、読者に於(お)いてA】【2つの【声明】を比較の上お考えください。

 

           

 

BSARI理事会によるGI差別事件に関する「声明」

一部省略2023 年 9 月 27 日

 SARI (Sport Against Racism Ireland)」 の理事会は、「政府」がダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包括性のトレーニングを教育システムの基本的な部分にする必要があると考えています。 これは、社会で発生している深刻な問題に対処する唯一の方法であり、2022年3月6日に世界中の注目を集めた「アイルランド体操協会GI)」による「GymSTART大会」での1人の少女の扱いに最も顕著に表れています。 ご家族の希望に従い、子供に影響を与える可能性を考慮し、「アイルランド体操協会」大会での少女の動画は投稿しませんでした。

 注目☛ しかし、2022年3月SARIスポーツ大臣に対し、この事件についての調査を行うよう要請しましたが、「スポーツ省」による承認を除いて、それ以上の返答はありませんでした

 注目☛ この「リクエスト(要求)」は「アイルランド体操協会」のCEO(最高経営責任者:Chief Executive Officer)にもコピーして渡されました。 この事件とそれへの対応は、多様性包括性を促進するためにどれだけの取り組みが必要であるかを浮き彫りにしました。

(中略)

 スポーツは、多様性包括性を促進およびサポートするための強力なツールです。 SARI は、包括性に対する開発されたアプローチを持つ「 GAA 」※註⑤と長年協力してきました。 私たちは現在、アイルランド全土のクラブに「GAA 対差別」ワークショップを提供する新しいプログラムを共同で試験的に実施しています。

(中略)

 SARI の主な役割の 1 つは、あらゆる形態の差別が容認できない共生社会の価値観について情報を提供し、教育することです。注目☛ アイルランドはこの探求において、ある種の岐路に立たされています。 政治的には、私たち国民が選んだ政策変更により、ここ数十年で大きな進歩が見られましたが、行動の面では懸念の余地があります。

 私たちは、最近発足した政府の「アイルランド反人種差別基金」を、人種差別に対する国家行動計画を実施し、アイルランド全土で地域社会の取り組みを支援する上で重要な要素として歓迎します。 私たちは、違いを受け入れ、多様性を尊重することで、コミュニティがより包括的な空間になるよう支援することにある程度の成功を収めてきましたが、アイルランドにおける社会的包摂を促進するには、さらなる投資が必要です。

 SARIは今後も体操事件の家族、そして排除行為によって傷つき孤立したすべての人々と協力し、支援していきます 私たちの使命は、すべての人が参加できるようにすること、そして子供でも大人でも、他人の行動によって排除されていると感じる人が決して残されないようにすることです(続く)

           

 



参考上記2つのオリジナルサイト(【B】の全文を見ることができます。もちろん「自動翻訳」によるものです。)

A:GIの「謝罪声明「アイルランド体操協会(Gymnastics Ireland:GI)」(※註①

【B:SARI理事会による「GI差別事件に関する声明「アイルランド・スポーツ反人種差別:Sport Against Racism Ireland (SARI)」※註②


註釈

※註①:「翻訳文」は基本的には「自動翻訳」となっていますが、部分的には「google翻訳」を併用するとともに、筆者において多少の字句の修正を行っています。ただし「原文」のニュアンスを損なわないために、必要最小限に留めました。

※註②SARI」:非営利の慈善団体。人種差別攻撃の増大に直接対応するために 1997 年 7 月に設立。異なる文化や背景を持つ人々が集まるスポーツや文化イベントを開催。政府機関や国内スポーツ団体に対し、反人種差別に組み込むよう奨励する 専門分野。「SARI」は、外国人排斥、人種差別、文化的多様性の問題に取り組み、スポーツを通じて異文化間の対話と積極的な市民権を獲得するためのプロジェクトやイベントを数多く主催。※註SARI」サイトを筆者において一部省略・整理編集。

※註③:「メダルスルー事件」が起きた「体操大会」。

※註④:「メダルスルー事件」の【動画】が拡散したことを指していると思われます。

※註⑤GAA(Gaelic Athletic Association/ゲーリック体育協会)」。「ゲーリック (Gaelic)」 は、言語や文化を含む「ゲ―ル人(Gaels)(※註)に関する」という意味の「形容詞」であり、「名詞」としては、「ゲール人」によって話される言語のグループあるいは個別の言語を意味。 「ゲーリック・ゲームズGaelic Games)」という「アイルランド」で行われている伝統スポーツがあり、現在ではアイルランドで最も人気のあるスポーツ。

※註:★「ゲ―ル人」は、「北西ヨーロッパ」に先住したケルト系民族ケルト語派に属すゲール語を話す。ゲール人は子孫として現在のアイルランド人スコットランド人を含むが、これらの国民が指す範囲はより複雑となっている。

※註:「★印」は「wikipedia」を筆者に於いて要約・整理編集しました。

 

 

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・不作為の差別意識/黒人少女体操選手への人種差別❷

2023年10月08日 15時13分00秒 | スポーツ

 

82秒間が物語る“差別の真実”

 

 以下は巻末〔参考〕欄に再アップした【動画A】の進行を追いながら、「82秒間の真実」を再検証したものです。筆者個人の感想を交えています。

 ▶0:00~」は、【動画】の「進行time」を指しています。



▶0:00~:【動画】のスタートは、メダル授与者のⒶ女が、「少女にメダルを掛け終えた瞬間を映し出しています。Ⓐ女は次の瞬間、メダルを掛けるべき「黒人少女⑤」をちらっと見ただけでスル―しました。しかしこの時、何か「ひと言」告げたのかもしれません。

 Ⓐ女少女にメダルを掛けている間、少女は、前傾姿勢のとなって見えません(0:08頃)。しかし次に少女の姿が見えたとき、「自分をスル―された」と悟った少女⑤は、Ⓐ女を見詰めています。

0:12~少女少女⑤に「メダル掛けられていない事」に気付き、戸惑いの表情を見せています。『え? 何でこの子はメダルを掛けてもらっていないの? どうして?』とでも言いたげです。これ以降少女の小さな胸のうちには、「メダルを授与しなかったⒶ女への疑念や不信」とともに、「メダルを掛けてもらえなかった少女⑤の恥辱や哀しみ」といったものが、駆け巡っていたことでしょう。

 この0:12頃、左手より「カメラマンのⒷ男」が画面に入り、以降、左画面への出入りを繰り返し、1:06頃に左画面に消えて行きます。この間彼は、少女⑤を全く無視しています。というより、「ことさら他の少女たちの撮影を強調するオーバーな動作」が顕著です。あえて少女⑤に見せ付けるような意図が感じらるのは筆者だけでしょうか。

 彼が少女⑤の置かれた立場と「その張り裂けるような胸の内」を少しでも気遣う気持があれば、間違ってもあのような行動を取るはずはないと思うのですが……。しかもそれが「MEDIAカメラマン」というのですから。

 0:30~少女に特に注目

 一方その間、Ⓐ女は少女⑦の前に歩み寄ってメダルを掛けています(0:15頃)。このときⒶ女少女⑤の方にちょっと顔を向け、何か言葉を発したような気がします。後ろ向きのために顔も口元も見えませんが、ひょっとしたら少女⑤から「何か声がかけられた」のかも知れません。そのような雰囲気が感じられます。画面の少女⑤は正面を向いて苦笑いを浮かべているだけです。


▶0:22~Ⓐ女は薄紫色のレオタードを着た少女⑧にメダルを掛けています。少女⑤は何とも言えない表情のまま、ただ立っています。

 このとき少女は、少女⑤のそのような様子を特に気に掛けているようです。


▶0:28~Ⓐ女少女⑨にメダルを掛け、次の少女⑩にメダルを掛け終えたとき(0:32頃)、ご覧のようにⒶ女の手元のメダルがなくなり、彼女は「足りなくなったメダル」を取りに画面の右端に消えて行きます(0:42~)。


0:30~少女が、少女⑤に何やら語りかけています。周りの喧噪のために、少女⑤少女の口元に耳を近付け、聞き終えたときⒶ女の方に視線をやっています。しかしこの時、少女⑩にメダルを渡し終えていたⒶ女は、「足りなくなったメダルを取りに、画面右手に消えていました。


0:43~が画面に戻ってきた時、少女⑤は一歩前に進み出て両手を身体の前で軽く揃え、あたかも「メダルを掛けてもらう」ために気持を整え、準備をしているようかな雰囲気が感じられます。

 しかしⒶ女はそういう少女⑤のことなど完全に無視しています。というより、少女⑤が自分に「メダルを要求する事」を察知し、いっそう無視しているかのようです。

 その証拠に、できるだけ少女⑤に近付かないようにするためでしょうか。メダルを掛ける順序を、画面右端の少女⑫から少女と逆転させ、ほんの一瞬見えた少女にもメダルを掛けたような雰囲気が感じられます。それを終えたⒶ女は、“そそくさ”と画面右へと消え去ったのです(0:53頃)。


▶1:04~:ポニーテールのⓒ女が左端から画面中央に現れ、右足を何かの上の載せて靴の紐を結び直しているようです。それを終えて真っすぐ立ち上がった彼女は、並んでいる少女たちの様子をさりげなく窺(うかが)うような素振り(そぶり)を見せています。とりわけ少女⑤をそれとなく気にしているような雰囲気が感じられます。

 といってそれは、少女⑤に対する好意的な想いではなく、メダル授与をスル―された少女⑤少女の様子を、より近い位置から確認するかのような意図が感じられますⓒ女はあくまでも、“メダル授与スルーに無関心さを装っています。しかし、ⓒ女が首を傾げてポニーテールの髪を振り払うような仕草に、筆者は少女⑤に対する“突き放したような冷ややかさ”を感じたのですが……。

 なぜなら、もしⓒ女少女⑤少女に好意的であれば、彼女はここで“何らかの行動”を起こしていたでしょう。たとえば少女⑤に、『大丈夫、心配しなくていいのよ。メダルは必ず貰えるからね。』とか『よく頑張ったわね。偉いわ……。』『あとで私と一緒に、メダルを貰いに行きましょうね。』など……語りかけることはできたのではないでしょうか。

 もしⓒ女が、前回筆者が推測したように、GI」すなわち「アイルランド体操協会」のスタッフとするなら、彼女は問題解決へ向けた「キーパーソン」となっていたかもしれません。

 しかし、そうならなかったのは、残念ながら「GI」と言う組織の体質にあるのでしょう。


▶1:12~少女⑦が「手を振った相手」と思われるⒹ女が、「COACH」のロゴを背中にして現れ、スマホで少女⑦を撮影してます。

 そこへⒹ男が現れ(1:19~)、同じようにスマホで撮影をしています。彼の背中の「ロゴ」は(正面でないため)、正確に読み取ることができませんが、「COACH」のような気がします。雰囲気からして、やはりⒹ女と同じ「体操クラブ」ではないでしょうか。



 

  人種差別意識実証する「大人たち」の不作為

 それでは以上「82秒間の真実」から明らかになった「いくつかの事実」を整理してみたいと思います。といっても、もちろん筆者の「個人的な所見」にすぎませんが。

(1)Ⓐ女のメダルスルー事件によって、「もっとみんなで喜び合っている」はずの「メダルの少女たち」が、少女⑤への気遣いのために「受賞の歓びやその誇らしさ」を抑えている。

 それでもごく一部の少女は、ほんのちょっと「歓びを全身で表現したり、隣の子と喜び合ったり」という行動は見られたものの、やはり明らかに「抑え気味」となっている。

(2)少女⑤のために「ただ一人真剣に気遣って何かをささやいた少女」の存在と、その精いっぱいの行動に救いが感じられる。

(3)「MEDIAカメラマンのⒷ男ⓒ女、COACHのⒹ女、その仲間のⒺ男」大人4人各氏による、「人種差別意識を実証する不作為」に驚かされる。それとともに、「姿は見えなく」とも「画面左に居ると思われる大人たち」からの「リアクション」が見られなかったことにも驚かされる。

 それにしても「少女④⑤」の「家族」をはじめ、所属「体操クラブ」のコーチや関係者たちは、どこで何をしているのでしょうか。少なくとも「そのうちの一人か二人の大人」は、メダルの授与を見ていると思われるのですが。はてさて、あの場面とその周辺で、一体何が起きていたのでしょうか。「それらの大人たち」は、どこで何をしていたのでしょうか。どうしたと言うのでしょうか……。

 少女⑤の家族の方々は居ないようですね、もしあの場に居れば、当然、何らかのリアクションがあったはずです。少女⑤の様子からも、家族の存在を感じさせるものは一切ありません。

(4)以上⑴⑵⑶によって、おそらく「少女」の「恥辱や悔しさ」は倍加されたことでしょう。そのような「痛みや苦しみ」の中で、少女⑤はどう対応してよいのか解らないまま、終始落ち着かない様子です。

 ことに他の何人かの少女が、喜びを表現している姿を目にしただけに、その対比は残酷としか言いようがありません。思いもよらない「孤立と不安」を抱え込んだ少女の「戸惑いと哀しみ」とが、痛いほどよく伝わって来ます。

 『何が起きているのだろうか? なぜ私だけが?』……と。しかし、彼女を理解し、庇(かば)おうとする大人は一人としていないようです。「メディア・カメラマン」や「他のクラブのコーチ」等も、少女⑤のすぐ傍を出入りしていると言うのに。

 次回は、Ⓐ女に「メダルの表彰授与」を任せた「GI」すなわち「アイルランド体操協会」という組織に触れたいと思います。

(続く)



 

参考

◆【動画A】黒人少女だけにメダルを渡さない女性。それを指摘しようともしないメディア・カメラマンやコーチ等(1:22=82秒)

 

 

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・82秒間の真実/黒人少女体操選手への人種差別❶

2023年10月03日 01時12分16秒 | スポーツ

 

  「アイルランド体操協会(GI)」に対する不信感と失望

 さらなる世界的な拡がりを見せつつある、《黒人少女体操選手に対する表彰メダルの授与スルー事件》――。SNSを通じて全世界に拡散された「82秒間の動画」を観るたびに、そしてその世界的な反響の大きさを実感するたびに、この事件が抱える“2つの事”に気付かされました。

 1つは、〈人種差別〉という次元を遥かに超えた〈人間の尊厳〉についての問いかけであるという事

 2つは、問題解決の“最終的な当事者”は、おそらく「アイルランド体操協会Gymnastics Ireland:GI」ではなく、「アイルランド(Ireland)」国にあるという事。というより、是非そうあって欲しいと思います。

 以上はあくまでも私見にすぎないわけですが、「アイルランド国民全体」の「緊急課題」として、政府主導の取組みを切に願うばかりです。またそうでなければ、容易に収拾が付かないような気がします。

 私見ついでに申し上げれば、筆者は以前より「アイルランド」に関心があり、首都「ダブリン」は「個人的に行ってみたい世界の都市:Best20」の一つです。その理由の一つは、好きな作家のオスカーワイルやジェイムズ・ジョイスの出身地ということでしょうか。学生時代に手に入れたジョイスの短編集『ダブリン市民Dubliners(新潮文庫:安藤一郎訳)は、愛読書の一つです。

 文学等については最終回に少し触れるつもりでが、ここで筆者が言いたいことは、個人的に好きなダブリンそしてアイルランドであればこそ、“世界の人々が共感できる解決を図って欲しいという、ただそれだけです。

 

 そこで思いきって苦言を呈したいと思います。『アイルランド体操協会(以下GIと略記)』による「黒人少女選手その家族」に対するこれまでの不誠実な対応”には、強い不信感を抱いています

 それに加え、先月9月25日に出された《GI謝罪声明全文【記事D】》と、それに関連する《2つの声明GIのホームページ)※註①に目を通したとき、言わずもがなの事”を並べただけの“実行力の無さ”に大変失望しました。

 だが以上のような不信感失望こそが、筆者に「この問題」に取り組まなければならないとの強い意志をもたらしたのは確かです。

 この記事の真意は少しずつ明らかになると思いますが、決して非難目的とするものではありません。

 読者各位には、最後に【動画A】(下段)を観ていただくわけですが、この【動画】をご覧になった方は、かなりの数に上ると思います。しかも「82秒」と短いため、最低でも5、6回、いや10回以上と言う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 かく言う筆者も“公平な立場を保ち、執筆意欲を高揚させる”ために、10回以上……どころか、この時点ですでに20回は“全体を通して”観ています。“部分的な繰り返し”だけでも、数十回となるはずです。本シリーズは一応3回連載の予定ですから、真実の再検証のために、少なくともあと10回……いえ20回は「82秒」をフルに観ることでしょう。

 しかしフルに「10回」観たとしても、「82秒×10回=820秒=13分40秒」にすぎず、倍の20回にしても「27分20秒」と、「30分」から“おつり”が来ると言う訳です。

 余談はさておき、まずは以下の《【動画】の視聴にあたって》をお読みください。

✤✤✤

《【動画】の視聴にあたって》

 以下は【動画】に登場する〈メダルの授与を受ける少女12人と〈大人5人についての記述であり、赤字は注目すべき「少女」と「大人」です。

)メダルの授与を受ける少女たち

 画面左より「①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫」の少女12人が並び、「黒人の少女」は左から5番目の「としています。なお④⑤の少女3人は、「体操クラブ」が同じのようです。3人とも「一部に薄い青緑色が入った黒地のレオタード」を身に付けています。その「両肩から袖」にかけて「白のダブルV字」が入っています※註の少女は、レオタードの上に黒いタイツを履いていますね)

※註:動画がスタートした時、画面の左端には既にメダルを掛けてもらった一人の少女が映っていますが、0:20前後で画面から消えたようです。)

少女:一番左端の少女。赤いウェアに、下は黒のタイツでしょうか。

少女:長い髪で濃紺のレオタードの子。

少女:既述のように少女と同じ「体操クラブ」のようです。

少女:【動画】がスタートした時、ちょうどメダルを掛けてもらう瞬間でした。この少女に注目してください。特に「0:30」以降の動きには、心を打たれるものがあります。

 少女に何やら語りかけています。そのあとの少女の行動からして、おそらく少女は『ちゃんとメダルをくださいって言った方がいいわよ』と言ったのかもしれません。その言葉に勇気づけられた少女は、とにかく「メダルの授与をお願いしよう」と言いたそうな表情で、の方に視線を送っているようです。

 しかし残念ながらこのとき、は「足りなくなったメダル」を取りに行ったため、画面右端から消えていたのです。

少女:「黒人の少女」:画質の鮮明度が低いため、少女の顔全体ことに目や口元の表情がぼんやりとしています。そのため少女の“微妙な心の動きや感情”を的確につかむことはできません。それでも……。

少女:長袖部分がグリーンのウェアを着ているのでしょうか。メダルを掛けてもらった後も少しも“はしゃぐこと”なく、右隣の少女⑤に気を遣っているのは明らかです。

少女:お下げ髪の小柄な子。この子も少女⑥同様、少女⑤に気を遣っています。なお1:04頃、画面左手の誰かに向かって手を振ったようです。『ここよ!』と自分の存在をアピールしたのでしょう。まもなく背中に「COACH」のロゴが入ったⓒ女が現れ、スマホでこの少女を撮影します。すぐそこに同じクラブと思われるⒹ男が現れ、同じようにスマホで撮影をしています。

少女薄紫色のレオタードを着た長身のお下げ髪の子。メダルを掛けてもらった喜びをほんのちょっと全身で表現しています。それでも少女⑤を想い、どこか抑えたような感じも伝わって来ます。

少女:赤いウェアの子。

少女:お下げ髪をしたライトブルーのレオタードの子。Ⓐ女はこの少女にメダルを渡し終えたあと、「足りなくなったメダル」を取りに行くために一旦画面から消えています。

少女:髪をポニーテールにしたブルーの上着に黒いパンツの子。他の少女たちより一歩前に出ています。

少女:黒いレオタードの子。画面右端のため、ほとんど右半身だけが映っています。

 

5人の大人たち(登場順にⒶⒷⓒⒹⒺとしています)

:メダルを授与する「GI」の女性。誰もが感じると思いますが、彼女は“人種差別”などどこ吹く風とでも言うように“Going my way”であり、実に堂々とした態度で「少女」をスル―しています

 ほとんど後ろ向きのために顔の表情や口元の動きは見えませんが、おそらく「メダルを掛ける少女達」には、それなりの笑みを見せながら声を掛けているのでしょう。

:カメラマン。彼の背中に注目してください。「MEDIA」のロゴが入ったベストを着ています。すなわち彼は「メダル表彰を受ける少女たち」について、何らかの「報道」を前提としているものと思われます。ベストはもちろん主催者(GI)より提供されたものでしょう。

:動画開始から1分過ぎ(1:04頃)、画面手前左より「靴紐を結び直すかのような仕草」で登場するポニーテールの長い黒髪の女性。画面が不鮮明なために、ジャケットの背中のロゴを読み取ることはできませんが、おそらく主催者GIのスタッフではないでしょうか。

:表彰を受けた「少女」の「所属クラブ」の「コーチ」です。背中に「COACH」のロゴがはっきりと見えます

:おそらく彼も「」と同じクラブの「コーチ」でしょうか。背中のロゴは「」と同じ「COACH」のような気がするのですが(✦正面でないために、正確に読み取ることができません)。「少女⑦を撮影しています。

 


 お待たせいたしました。

 それでは下記をクリックの上、【動画】をご覧ください。

◆【動画A】黒人少女だけにメダルを渡さない女性。それを指摘しようともしないメディア・カメラマンやコーチ等(1:22=82秒)※註②/※註③


 なお次回は「82秒間」を「数秒~10数秒間」に区切りながら、真実の瞬間》を具体的に再検証してみたいと思います。

(続く)



 

参考クリック

◆【記事】黒人少女にメダル渡さず、アイルランドの体操協会大会。協会が謝罪。(BBCnewsJAPAN)

◆【記事B】黒人少女だけ表彰せず。過去の動画拡散。体操協会謝罪-アイルランド(朝日新聞9月26日5:41配信)

◆【記事C】黒人少女スルー表彰式に体操女王が苦言。少女へ送ったメッセージに反響。「あなたこそ真のヒーロー」「すばらしいロールモデル」

記事D謝罪声明全文】黒人少女だけメダル付与せず:アイルランド体操協会が発表。SNSは「人種差別」批判II相次ぐ(2023年9月27日午前11:20プライムオンライン編集部)


註釈

※註①:次回に掲載予定です。「アイルランド体操協会(Gymnastics Ireland:GI)」の「ホームページ」のもの。

※註②:この【動画】は「モハマド・サファ氏」による「旧ツイッタ―※註③」のものです。同氏は「ECOSOC」の主要代表とのこと。

◆【公式サイト(日本語)】「経済社会理事会(ECOSOC)」ー国際連合広報センターより

「ECOSOC(イコソック)=Economic and Social Council=経済社会理事会」は、主として経済、社会、文化および保健の問題、ならびに人権基本的自由の問題を取り扱い、また国連と専門機関の作業を調整する役割も果たす。理事国は54カ国。うち18カ国は毎年「総会」により任期3年で選出される。

※註③:「ツイッター」は今年7月24日、ブランド名を「X(エックス)」に変更。 それに伴い「青い鳥のロゴ」も廃止。 ツイッターを所有するイーロン・マスク氏は、投稿を表す「ツイート」という言葉も変更すると発表。 今後は「x'sエクスズ)」と呼ぶとのこと。

 

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