わが食生活変革のきざし
今年に入って、「パン」を食べる機会が増えた。これまで「パン」といえば、「甘いもの」が欲しいときに「菓子パン」の類をおやつ代わりに食べる程度だ。そのため「食事としてのパン食」となれば、月に2、3回というところだろうか。
その《食生活パターン》を変えるきっかけとなったのが、表題の『京都伊三郎製パン』なるものを食べ始めたことによる。巻末に掲げた同社の〈ホームページ(HP)〉をご覧になるとお判りのように、同社のパンは「食パン」などの一部を除いて、〝定価〟はすべて1個《100円》となっている。
かといって、格安商品にありがちな〝少品種大量生産〟ではなく、〝多彩な商品種〟に加え〝質・量〟いずれも充実している。店舗による多少の違いはあると思うが、筆者が訪れる福岡市東区塩浜の〈福岡・和白店〉(サトー食鮮館和白店内)は、優に120~130種類はあるようだ。
HP「メニュー」の「商品紹介」には、ジャンルごとに〈菓子パン:45〉をはじめ(※数字は種類数)、〈調理パン:51〉〈食パン:3〉に続き、〈クロワッサン:7〉〈サンドイッチ:16〉〈フランスパン:2〉、そして〈要予約商品:7〉〈新商品:9〉、さらに〈季節限定商品:1〉と、実にきめ細かな商品戦略を展開している。
もっとも、販売商品の種類や製造個数については、おそらく〝日ごと・店舗ごと・商品ごと〟に、曜・祝祭日や天候さらには当該地域・学校区の行事等に応じ、そのつど《独自のマル秘マネジメント&マーチャンダイジング》によってアレンジしているはずだ。
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熟成パンの感激
以上、多少マーケティング論調にはなったが、筆者はすっかり〝伊三郎パン〟に魅了され、気がつけば毎週金曜日のおやつ時に、必ず買い物を兼ねて「和白店」を訪れるようになった。その際、計5~7個の「菓子パン」と「調理パン」に加え、「玄米パン」と「熟成食パン」を各1斤(いずれも180円)、それにコーヒーをワンカップ購入し、店舗横のちょっとしたラウンジに座る。
本を読んだり原稿を書いたりしながら菓子・調理パンを2、3個食べるわけだが、長いときは3時間以上そこに浸りきりということもある。「金曜日の夕方」という独特の解放感が何とも心地よいのかもしれない。
そして帰宅後すぐに行うことは、買って来たばかりの「熟成パン(4枚切り食パン)」をトースターに1枚入れ、カラッとしたキツネ色になるように焼き上げ、軽くバターを塗って食べること……。〝やや乾いた表面のカリカリ感〟と〝ほんのちょっとの内部のしっとり感〟とが絶妙に響き合う。そのハーモニーが〝芳醇な香り〟とあいまって《食パンなるものの完成形》を暗黙裡に物語っている……。
……と言えば、〝大袈裟な表現〟との誹(そし)りを免れまい。だが筆者自身にとっては、躊躇なく〝すとんと胃の腑に、そして心の奥底に〟降りて来たのは確かだ。ついでに言わせてもらうなら、齢七十余にして《パンをトースターで焼いて食べる》ことの真意と魅力を〝やっと学んだ〟というべきだろうか。
となると、次なるテーマは《焼かないパン》の〝食し方〟をどうするかということになろう。つまりは「ジャム」類等の選択と使用法ということだが、現下の筆者にとっては、とりあえずは《苺ジャム》ということになる。
……そうなのだ。筆者は〝一時期〟……というより〝短い期間〟……否!〝きわめて短い時間〟そう信じ、短期集中的に《苺ジャムづくり》に励んでいた……のだ……………が……………。(続く)
◆『京都伊三郎製パン』公式ホームページ ☚クリック
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ いちごジャム ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
お手製の苺ジャムってこれなのね。ちょっと〝お味見〟よろしいかしら。
……う~ん、なかなかのものよ。レモンと蜂蜜がよく効いて……。 え? まだ冷蔵庫に〝これからジャムにしようとする苺〟があるんですって?
……………あら、これって《あまおう》なのね。福岡が全国に誇る最高級の苺ブランド……〔あまい・まるい・おおきい・うまい〕が名前の由来よ。それにしても「2パック:1,000円」だなんて……あたくし「2パック:680円」くらいになるまでは絶対に買わない !
それにしても、こんないい苺をジャムにするなんて……信じられない! ジャム用の苺って〝旬を過ぎた、ちょっとキズがあるくらい〟で充分なの。こんな大粒でみずみずしいものを、ブチブチつぶしてグツグツ煮込むだなんて……。
ああ。やだ! やだ! 《あまおう》ちゃんが可哀想……。このまま〝何も手を加えないで食べて〟あげなくちゃ。だから、ねっ、一緒に召し上がりましょ!?……ほら、ほら、一瞬でも新鮮なうちに………さあ、さあ……………
……………あっという間だったわね……。何というおいしさ、まろやかで、甘く優しくとろけていくような……。ああ~ 言葉にならないわ!
あなたは今、とってもすばらしいことをしたのよ。あたくしと 《あまおう》 ちゃんを一瞬にして同時に〝幸せ〟にしたんですもの。その分、あなた自身も〝大きく満ち足りた幸せ〟が約束されたのよ。
ねえ、ねえ。目を閉じてみて。ほら、そのステキな想いが今あなたの全身に広がり始めたでしょ……? ねっ?
……聞いてる? ね~え、聞いてるの? あれっ? 眠ちゃったの……?