『感性創房』kansei-souboh

《修活》は脱TVによる読書を中心に、音楽・映画・SPEECH等動画、ラジオ、囲碁を少々:花雅美秀理 2020.4.7

○演劇案内:『Reset』(演劇ユニットQ)

2015年09月26日 04時08分50秒 | ○福岡の演劇案内

 

     最優優秀校に、大分豊府高

     ―全国高等学校演劇大会2015―

   9月5日の土曜日午後1時なにげなくテレビを付け、NHKEテレで「全国高等学校演劇大会2015」の【文部科学大臣賞・最優秀賞】受賞作品の舞台を観ることができた。昨年も同じように “偶然” 観ることができただけに、2年連続の “幸運” に不思議な縁を感じた。

  受賞作品は、「大分県立大分豊府高等学校」の『うさみくんのお姉ちゃん』(作/中原久典)という男女共学高校を舞台とした学園物。

   その他、【文化庁長官賞・優秀賞】の受賞3作品は――、

  ①大阪府立緑風冠高等学校 「太鼓」(作/木谷茂生) ②北海道札幌琴似工業高等学校定時制「北極星の見つけかた」(作/鷲頭 環) ③香川県立丸亀高等学校 「用務員コンドウタケシ」(作/豊嶋了子と丸高演劇部)

  また【創作脚本賞】は、『うさみくんのお姉ちゃん』の「中原久典」氏。

        ★

  昨年2014年の「最優秀賞」も、「久留米大学付設高校」(福岡県久留米市)の『女子高生』と言う作品であり、やはり同じように男女共学高校を舞台としていた。これで「九州勢」は、2年連続して頂点を極めたことになる。

  クリック! 全国高校演劇(2014年)の頂点に! 久留米大付設高 

             ★ 

 今回の「演劇ユニットQ」は、「九州大学演劇部」のOB・OGを中心に結成されたようだ。筆者も体調を整え、何とか観たいと思う。

       ★    ★    ★   

 

 演劇ユニットQ

   「Reset

 

 【あらすじ】

 クリスマスは楽しい!…というのは迷信で、この世には気まずいクリスマスも存在します。そんな気まずいクリスマスに集まった男女6人ははたして気まずさをリセットできるのか…?

 

●脚本・演出  高山力造(village80%

●キャスト

 山本貴久(陰湿集団) 、千々岩北斗、 矢ヶ部祐作(以上、「劇団あまりもの」) 、橋本栞里、谷口陽菜実(陰湿集団) 、武田遥(九州大学演劇部)、木下智之、関大悟

●日時 1010日(土) 13:00 / 17:00

●会場  博多リバレインホール

 住所: 〒812-0027 福岡県福岡市 博多区下川端町3−1
 電話:092-271-5050

 クリック!

  「博多リバレインホール」へのアクセス・駐車場

●料金  前売1000円  当日1200円

  クリック! 陰湿集団 (twitter)      

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・新涼や尾にも塩ふる焼肴/鈴木真砂女

2015年09月16日 01時23分40秒 | ■俳句・短歌・詩

 

    新涼や尾にも塩ふる焼肴  鈴木真砂女

 

  新涼(しんりょう)』とは、いかにも俳句らしい季語(季題)であり、この句は “季感” を余すところなく伝えている。“秋に感じられる涼気”、とりわけ “秋に入ったすぐの頃” の雰囲気であり、“夏の暑さ” の中では容易に感じ取ることのできない “爽やかな涼気” と言えるだろう。

  歳時記では、『秋涼し』や『秋涼(しゅうりょう)』と同義だが、“新鮮な” というニュアンスを含んだ『新涼』の “清新なひびき” には叶わない。といって、無論「季語」としての『秋涼し』や『秋涼』が劣っているわけではない。この句の場合、何よりも “新涼” を筆者が望むものであり、この季語が一番ピッタリするようだ。

   とりわけ、今年の8月8日の “立秋” はことのほか暑く、個人的には今ようやく “新涼” というところかもしれない。県外での講師業の際の昼食は、ほとんど「定食屋」の「日替わり」か「煮物定食」だった。さんざん「煮魚」を口にしていたせいか、無性に「焼き魚」を恋しく思ったのだろう。

 ところで “爽やかな涼気” と言ったが、『爽やか』も秋の季語であり、また『涼気』は、『涼』や『涼味』同様、「夏」の季語となっている。

       ☆

  「小料理屋」の店主でもあった真砂女。言うまでもなく、この場合は「焼魚」ではなく「焼肴」でなければならない。つまりは家族のための「おかず」ではなく、小料理屋の女将(おかみ)が、客の「肴」のために焼いたというところに意味があり、また趣が拡がる。

  『尾にも塩ふる』とは、尾鰭(ヒレ)や胸鰭、背鰭に “塩をふる” こと……つまりは「化粧塩」をさしている。包丁人に言わせれば、“ふる” というより “すりこむ” というのが正しいという。焼きすぎによって鰭が焦げたり、姿形の崩れを防ぐためであり、塩によってそれぞれの鰭にハリが出、また全体がピンとなってきれいに焼きあがるからとも。

  ところで、このときの「」は何だろう。季節的には「」か「山女(やまめ)」、あるいは「岩魚(いわな)」あたりのような気がするのだが。

  わが師、石川桂郎に次のような句がある。

    ひとり酔ふ岩魚の箸を落したり  

 

  ともあれ、女将にとって、以上のような「化粧塩」による焼き方は当たり前以前の作業であり、ことさら言葉にするまでもない。それをあえて『尾にも塩ふる』と言ったところに、“女将の仕事” にかける真砂女のささやかな覚悟や、そのときの “淡い心の弾み” のようなものが感じられる。

  では、その “心の弾み” の正体とは何だろうか。恋多き真砂女のこと、秘かに「想いを寄せる客」でも来たのかもしれない。それとも、特別な間柄の男性のことが脳裏を掠めたのだろうか。

   いずれにしても、少し塩を掴んで尾鰭にすりこみ、最後に軽くふりながら火加減を確かめる真砂女が、紛れもなくそこに生きている。粋に着物を着こなし、白い割烹着からのぞいた着物の襟を、摘むようにあわせながら……。

  真砂女の「魚」と言えば、季節はまだ先のことだが、すぐに次の句が出て来る。

    鯛は美のおこぜは醜の寒さかな  

  いかにも真砂女らしい。筆者が好きな “真砂女俳句” のベスト3と言える。

        ★

 

 鈴木 真砂女 1906年11月24日―2003年3月14日。千葉県鴨川市出身。22歳で結婚し一女を出産するも、夫の蒸発により実家へ戻る。その後、急逝した実姉の夫と再婚し、実家(旅。館)を守るために女将となる。俳句に親しんでいた長姉の遺稿を整理するうちに、自らも俳句に目覚める。

  久保田万太郎の『春燈』に入会して指導を受け、万太郎亡き後は安住敦に師事する。30歳のとき、年下の妻帯者と出奔するもその後戻る。50歳で離婚後、東京・銀座に『卯波』という小料理屋を開き、“女将俳人”として生涯を閉じる。『俳人協会賞』『読売文学賞』『蛇笏賞』を受賞。〈すずき まさじょ〉

 

 

 

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○演劇案内:『pump』(陰湿集団)/『地図を讀む』(Nomad)

2015年09月11日 13時01分17秒 | ○福岡の演劇案内

 

  講義からの解放

 昨夕、7月9日からはじまった「宅地建物取引士」講座が終了した。真夏を挟んだ2か月にわたる、正味40日間のものだった。県外での講義の上、平日はホテル暮らし……といえば聞こえはいいが、実態は連日、翌日の「講義ノート作り」に追われていた。

 それに加え、代わりの講師がいないという講座のため、病気や怪我をしてはいけないと、いつも以上に車の運転に慎重になり、また休日・夏休みは極力、外出を控えた。

 おかげで何とか無事に終了することができたわけだが、最終日の最後の講義は、安堵感による気の緩みなのか、一瞬、頭のヒューズが飛び、立っているのがやっと。講義中、椅子に腰を降ろしたのは、生まれて初めてのことだった。何十年ぶりかの「チョーク」の「粉塵」にも悩まされた。

 とはいえ、適度の緊張を保ちながらのとても充実した2か月だった。なによりも受講生のみなさんの受講態度が非常によく、また熱心な方々であり、質問も多かった。勢い、燃えるというもの。受講生各位にあらためて感謝したい。

 ともあれ、高速バスとJRを乗り継いだ3時間余をかけての帰宅――。アパートにたどり着いた瞬間、そのまま、着替える元気もないまま昏々と眠り続けた。

        ★    

    C.T.T.という演劇活動

 さて、1か月以上もご無沙汰の本ブログ。正直言って、少々“禁断症状” が出始めていた。もちろん、「舞台の観劇」であり、その「鑑賞評」だ。講座期間中は、演劇関係のサイトやtwitterを見ることをできるだけ控えた。

 今回の「案内」は、「C.T.T.」という活動組織による複数劇団による公演。「陰湿集団」のtwitterによれば、「C.T.T.」とは、"Contemporary Theater Training" の略であり、「現代演劇の訓練」として、演劇やダンス等の舞台芸術の人材育成を目指して、舞台作品の「試演会」を開催しているとのこと――。(※註1

  今回は、2つの「劇団」による各1作品の「舞台」であり、各30分以内の上演のようだ。なお、上演終了後に30分程度の「合評会」も行われるとのこと。興味深い試みといえる。

         ★    ★    ★

 

公演日時  9月18日(金)  19:30-

             19日(土)  14:00-

●公演場所  枝光本町商店街アイアンシアター

  〒805-0008 福岡県北九州市八幡東区枝光本町8−26
   Tel : 093-616-9890  090-5383-5780(担当者直通)

  クリック! ◆「枝光本町商店街アイアンシアターへのアクセス

●観劇料金(上演協力金) : 900円(前売・当日ともに)

 

 舞台: 

  「地図を讀む」

●劇団  Nomad

●作  工藤菜香  ●演出  鈴木春弥 

●出演  鈴木春弥  岡崎真子

 

 舞台:

  「pump」

●劇団  陰湿集団

●作・演出  山本貴久

●出演  石川悠眞  武田遥

 クリック! ◆『陰湿集団』ブログ

 

註1: 「C.T.T.北九州事務局」 によれば‏、「C.T.T.は1995年に京都で始まり、現在は全国7都市(京都/大阪/名古屋/仙台/広島/岡山/松山)に展開。この度、枝光本町商店街アイアンシアターを拠点に九州初のC.T.T.がスタート」とのこと。

 

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