今回の表題(タイトル)は、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授が、「所長便り(2020年3月26日)」 として同研究所員へ送った所長メッセージ(一部抜粋)の冒頭の一節です。
「桜は来年も帰ってきます。人の命は帰ってきません」
例年より早く桜の開花が進んでいます。いよいよ春ですね。
皆さんにお願いがあります。今年のお花見は、人混みは避け、近くで咲いている桜の周りを散歩するだけにしてください。 ※以下略。HPでご覧ください。
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山中教授開設のHPを知ったのは、3月27日に「朝日新聞デジタル」(3月20日)をちょっと見たときでした。その記事を一部再掲します。なおこのときの「見出し」は、
山中教授、コロナのHP開設 闘いは「長いマラソン」
《2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した京都大の山中伸弥教授が、新型コロナウイルスの情報を個人で発信するホームページを開設した。山中さんは19日、朝日新聞の取材に「iPS細胞も大切だが、目の前にある大きな脅威に、医学研究者として貢献したい。iPS細胞の活用には時間がかかるので、今すぐできる正しい情報発信をしたい」などと語った。》
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専門用語をまったく使わない分かりやすい解説
――ご家族でどうぞ!――
ご紹介する同教授のHPの「カテゴリー」は次のようになっています。
・HOME ・新型コロナウイルスとは ・証拠(エビデンス)の強さによる情報分類
・インフルエンザとは違う危険性 ・専門家、書籍から学ぶ ・科学論文で学ぶ
・データから学ぶ ・報道から学ぶ ・動画で学ぶ ・他国の対策
今回、筆者がまずお勧めするのが「動画で学ぶ」です。なかでも、すぐにでも目を通していただきたいのが、新妻耕太先生という免疫学研究者による
《新妻免疫塾:やさしいコロナウイルス解説―専門用語全然使わないチャレンジ―》👈クリック
という動画のシリーズです。イラスト、説明、画面編集がとてもよくできており、かなりの手間暇をかけて作成されたのではないでしょうか。
何と言っても全体を「8話」に分け、しかも「1話」がいずれも4分以内と言うコンパクトなものです(※第4話のみ3分以内)。それに「第9話」として「質問対応コーナー」(9:38)もあります。
1.ウイルスとは?(3:18)
2.ウイルスはどうやって細胞に潜入するの?(3:58)
3.ウイルスは細胞内でどう増えるの?(3:26)
4.ウイルスの体内増殖と体外への旅立ち?(2:38)
5.ヒトーヒト感染の成立(3:32)
6.ウイルスは体の外でどのくらい丈夫なの?(1)(3:03)
7.ウイルスは体の外でどのくらい丈夫なの?(2)(3:20)
8.ヒトーヒト感染の拡大(3:23)
9.質問対応コーナー(9:38)
以上を全部視聴しても36分少々。小学低学年のお子さんでも理解できると思います。何と言っても面白く分かりやすい動画です。新妻先生ご自身のお人柄が感じられるような気がいたします。
◆新妻耕太先生のプロフィール◆
筑波大学にて人間生物学博士取得。免疫受容体に関する研究を行う。
現スタンフォード大学博士研究員。免疫学、幹細胞学を研究。
以前は高校の理科教員を目指しており、教育実習と学習塾でのアルバイト講師経験があります。
塾では主に小・中学生を指導していました。
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◆山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信(ホームページ:HP) 👈クリック!
●山中 伸弥(やまなか しんや、1962年(昭和37年)9月4日 - ):日本の医学者。京都大学iPS細胞研究所所長、教授、カリフォルニア大学サンフランシスコ校グラッドストーン研究所上席研究員、日本学士院会員。学位は大阪市立大学博士(医学)。その他称号としては京都市名誉市民、東大阪市名誉市民、奈良先端科学技術大学院大学栄誉教授、広島大学特別栄誉教授、ロックフェラー大学名誉博士、香港大学名誉博士、香港中文大学名誉博士など。文化勲章受章者。「成熟細胞が初期化され多能性をもつことの発見」により2012年のノーベル生理学・医学賞をジョン・ガードンと共同受賞した。[Wikipedia]より。