The Tempest 劇評を終えてひといき
昨日、ようやく待望の『The Tempest』の「演劇評」【上・中・下】を終えました。当初は、1回で軽く流す感じで書き始めたところ、次々に感動シーンや、気になっていたことが頭の中を巡り始め、何と5日間で3回も綴る結果となりました。
しかも、「上」と「中」は、2月1日と2日の連続です。昨年の大晦日と翌日元日という、2年にまたがった「2日連続」はありましたが、同じ年、それも同月内での2日連続は初めてです。
それだけ、『The Tempest』が、筆者の“書く意欲を刺激した”ということです。しかも、7か月前もの「舞台」でした。優れた舞台がいかに、余韻を残してくれるかということでしょう。それにしても、もう一回は観たい……。いや、みなさんに観せてあげたい……と。
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さて、今回の案内舞台は、清水邦夫脚本作品を、山本貴久君が演出するようです。『狂人なおもて往生をとぐ』とは、一般的には「親鸞聖人」の言葉と言われる《善人なおもて往生をとぐ。いわんや悪人をや》から来ているようです(※註1)。
なかなか含蓄のある言葉です。ネタばれとなってはいけないので、これから先は、Silence……。大学受験生の頃、本来の勉強はあまりしないで、こういうものや倉田百三の『愛と認識との出発』、そして『出家とその弟子』(※註2)などを読んでいました。
特に『出家とその弟子』は「歎異抄」(※註3)とともに、仏教系の大学に入った上の妹と、何回が議論したことがあります。この時代、本当に多くの学生が読んでいたように思います。
インターネットもメールも、もちろん携帯電話もスマホも、そしてtwitterもlineもない時代でした。筆者は東京での学生生活において、テレビもラジオもオーディもない中、ひたすら安く手に入る「文庫本」や「新書本」に明け暮れていました。あとは囲碁でした。
「読書」は、若いうちにある程度その習慣を身につけなければ、年を取ってからでは無理と言われています。本当にそう思います。特に「演劇」をするような若いみなさんは、世界的に「名作」といわれる「文学作品」をできるだけ多く読んでください。
一日に何回もtwitterやLimeをする時間があれば……。高い志を持った感性豊かな人は、そういう作品を読みたくてうずうずしているのではないでしょうか。
筆者は、昨年の12月17日より、とうとう「テレビ」そのものを見なくなりました。コードを抜いて、床においてあります。DVDを観るときだけにしています。もう10年以上、民放の「テレビドラマ」は見ていません(友人や知人宅で一緒に見ることはありますが)。
わずかにNHKの一部の「ドラマ」(大河ドラマももう12年見ていません)や「Eテレ」だけは見ていたのですが、それも当分は見ないことにしました。ベッキ―ちゃんの件も、smapの件もネットニュースで充分でした。それにしても『ゲスの極み』が「バンド」名だったとは……。今回、初めて知りました。
後悔のないよう、本当に読みたい本だけを、残りの人生の中で再確認のために読んでみたいと思っています。それに、もちろん「優れた舞台」です。ことに“高い精神性”の「小劇場」の舞台です。
え? もう“高い精神性”は飽きた? 実は、筆者もそうなんです。それで今回は特に、“高邁な精神” や “高雅な精神世界” ということに。
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陰湿集団 第4回本公演
『狂人なおもて往生をとぐ』
●脚本/清水邦夫
●演出/山本貴久
トルコ風呂で始まる “家族ゲーム“。そこにいた5人が家族を演じる。ゲームにはルールが必要だ。次第に何かがずれだして、彼らの過去があらわになっていく。
僕が長男だ。
私が長女ね。
一家心中でござい。
次は誰がパパをやる?
狂人なおもて往生をとぐ
-昔、僕達は愛した。
[キャスト]
白居真知、長野真結、丸尾行雅(以上、「陰湿集団」)
竹ノ内晴奈、成清花菜、馬場修平
[黒衣]
山本貴久、谷口陽菜実
■日時/2016年2月27日(土)、28日(日)
共に12時、17時開演
☝クリック! (福岡市博多区上川端町9-35)
【アクセス】
福岡市営地下鉄中洲川端駅5番出口より徒歩5分
西鉄バス川端町博多座前徒歩5分
冷泉公園と川端商店街の間の細い路地に入る
※駐車場はありません。
http://www.reizensou.com/access/
■料金:前売1,000円、当日1,200円
■詳細:http://insitusyudan.blog.fc2.com/blog-entry-273.html?sp
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090-4482-6976(谷口)
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みなさまのご来場、お待ちしております!
お 詫 び と 訂 正
1月26日の『ピーターパン・シンドローム』の演劇評の中で、「陰湿集団」の主宰を「山本貴久」君としていましたが、正しくは「白居真知」君でした。
今回、筆者も同劇団が今月1日よりスタートした「公式ホームページ」で知りました。訂正かたがた、関係各位に対し心よりお詫びを申しあげます。
こういうきちんとした「ホームページ」で、いつでも必要な情報が入手できるというのは、とてもよいことであり、必要不可欠なものと思います。
このホームページには、「劇団員」の紹介がきちんとしてあります。ご覧ください。
花雅美 秀理
※註1 「法然」の言葉とする説もあります。
※註2 倉田百三の戯曲。「親鸞」と息子の「善鸞」それに「唯円」等が出てきます。
※註3 親鸞の弟子の「唯円」の作と言われています。