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漢方薬が効かなくなった 3-3

2011-03-14 10:28:24 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

 

日中医薬研究会会長・薬学博士故渡辺武先生の著書からの一部を掲載させていただきます。

 

漢方薬が効かなくなった 33

 

米寿記念 渡辺武著作集 P1216

 

 第三の理由は、戦前戦後の日本人の体質の変化である。社会環境・自然破壊による生活環境の悪化・ストレスの激増、それに加えて食生活の混乱が・老齢化社会の陰に一億半病人時代を控えている。

 

漢薬はそれを支えるのが精一杯で、賽河原を演じることになる。

 

従ってこれまでのように単方ではかたづかなくなり、加方・合方・併方が必須条件になってくる。

 

 これらの中でも、最も公害が大きく、漢方家が直接関与改善が図れるのが、五味の調和による正しい食養(食物療法)の分野である。五味調和

 

身土不二の原則、自然の恵みの旬の物を健康に安価に食べることを忘れた、自然の原則に反した愚かな食文化の是正である。

 

精製糖の氾濫と欠陥食塩の専売制度による強制と欧米人のための減塩普及運動の蔓延の阻止活動である。

 

古来健康のバロメーターとした「塩梅」の復活である。

 

「塩梅」を忘れた酬いが、肝胆疾患と腎疾患の激増を来たして、腎不全から透析・腎移植と今や泌尿器疾患は治療から外れて、人間の機械化と部品交換作業に転落しているではないか。

 

動物食と貯蔵食の増加に反して、刺激物の名のもとに、腐敗・発酵・黴を防ぐ、香辛料の摂取不足による皮膚疾患・アレルギー体質・花粉症・神経症の蔓延など、現代日本人の歪の阻止と改善は、正しい食養の実践にかかっている。

 

漢方薬の効果を阻む要因がこれだけ山積しては、漢方薬が効かなくなったの誹りが出ても不思議ではないし、それは医聖張仲景先生の責任ではない。(漢方臨床 一九九五年十一月)

 

賽河原=賽の河原・さいのかわら・死んだ子供が父母供養のため小石を積んで塔を作ると言われる、三途の川の河原。積んだはしから鬼がくずすという。

 

賽の河原の石積み=むだな努力のたとえ。

 

張仲景(150?~219)=後漢の後期の人で、漢方医学史上最高の名医、傷寒論雑病論の著者。

 

上記五味調和にあるように、鹹味・塩辛い味が体内に入らないと、腎蔵は骨から塩の代りにして小便を出すために骨は弱り骨粗鬆症になり、耳の病気が増えてくるでしょう。

 

腎蔵にとって悪いのは甘味です、甘味に腎蔵を守るために塩を入れるのは東洋の食養の基本なのです。

 

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