ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝爽やか〟

2021年10月19日 | 俳句

 最近の急激な寒さにびっくり…身体がつていきません。だって29度、30度あったものが突然20度に下がり、10度近くの温度差があるんですもの。年を取ってくると何事につけても徐々に馴らしていかないと…急激な変化は身体に悪いです!今朝はちょっと早くに目が覚めて、確か5時頃は13度だったかしら…寒いはず。

 今朝の嬉しいこと!ラジオ体操へ行く時にやっと〝アサギマダラ〟を3,4頭見かけました。いつも通る道に藤袴を植えてある家があって、もう満開なのにちっとも蝶が来てないわと見ていましたので…。でも今朝に限ってスマホを持って来てなかったので、証拠写真が撮れませんでした。ザンネン!更に家に戻ると庭に始めて〝ジョウビタキ〟の雄が来ていました。毎年来るジョウ君かしらと挨拶したら、こちらを見て逃げませんでしたので…ウレシイ!(写真はこの前の時に撮ったもの)

 ところで、昨日は久しぶりに広島へ。新幹線も久し振りでしたが、平日でしたのでコロナ以前と余り変らない感じ。しかし、広島駅が大改造されているみたい。北(裏)口の方はもう以前から綺麗になってたので分かるんですが、今表口の方が工事中、今後どうなっていくのか。行くたびに変って綺麗にはなっていくのでしょう。でも、私にとっては勝手知ったる馴染の駅の風景でなくなる方が淋しい。そう思うのは私だけでしょうかね。

 今回は俳誌「早苗」の運営委員会でしたが、昨今の高齢化と会員の減少からその運営維持の状況には厳しいものがあります。今後のことを考えると頭が痛い…。

 しかし、久し振りに皆さんの顔が見られて、嬉しい!やっぱり一緒にお喋りして食べたり飲んだり…それが次への活力にもなる。仲間が居て一緒になって何かを目指すということ、それが人には必要なことでは。一人では出来ないことも仲間がいればやる気にもなりますもの。

 でも今回のコロナ騒ぎでは、それが長引いた分だけ誰しもがやる気も根気も失ってしまって、お互いに〝年を取ったわね〟が実感でした。要するにコロナに罹らなくても、心身共に疲れ切っているんですよ。これは全国民にもいえることでしょうから、この損失はきっと大きいと思います。だから、その影響がいろんな所に見える形で徐々に現れてくるのではないでしょうか。考えてみれば世の変動というものには慣れていませんし、その先が見えない分だけ私には大きな恐怖なんです……。

 さて、さて、ブログに書くことはたくさんあるし、写真も溜まってますのに、身体が追いつかない…というより、書く時間がないという方が正解かな。とにかく優先順位の早いものから片付けていかないと…だからブログの方まで手が回らないというのが実情。ボチボチのUpですが、お許し下さいね。

 今日は先日の句会の話でも。兼題は〝爽やか〟でした。秋の季語です。これも先月がコロナ自粛で中止になりましたので、持越しの兼題でした。

 〝爽やか〟という言葉は、辞書で〝すがすがしく快いさま。気分のはればれしいさま〟という意味。でもそれがなぜ秋の季語になったのかというと、秋の大気の特色をよく表しているからなんです。

 秋になると大気が澄み切って、遠くの山々などもくっきりと見えますし、夏のように暑くもなく心身共にさっぱりとして心地よい。「さわ」は「さわさわ」から「さばさば」という語としても用いられ、「さっぱり」もこの語からの転用とされています。

 しかし、これは基本的には時候の季語なんです。それで、それを踏まえて詠まないといけません。概ね初心者は気分的なことだけで詠みやすいので気をつけましょう。詠みやすそうでも意外と難しい季語ですよ。

  爽やかや漕ぐにおくれて櫓の軋み   片山由美子

 まさに写生の句ですね。〈漕ぐ〉と〈櫓〉という語からボートか手漕ぎ舟かと思われますが、私的には川舟などの手漕ぎがいいな。それに作者はもしかしたら乗っているのかも知れませんが、それより岸辺で観ている景の方がいいような気もします。辺りが静寂なればこそ、櫓が舷とこすれあう〝きしきし〟という音は聞こえてくるでしょう。その音を更に際立たせているのが秋の澄んだ空気なんです。だから〈爽やかや〉と。この「や」で切っているところも妙味。ここを切らないで〈爽やかに〉としてしまうと櫓の音だけに絞られて、周辺の空気から空などの天地への広がりを失ってしまいます。ここは秋の澄んだ湖か川か…その景全ての爽涼感とそれを眺めている作者の清爽感が一体とならなければ…。またそれらの〝爽快感〟を一点で繋ぐのが〝軋む音〟、あとはまるで無音界のような。だから微妙な〈おくれて〉の把握ができたということかも。こういう実態のある季語の使い方、素晴らしいですね。真似をしたいけど、これがなかなか…。

 ところで、句会での最高点句は〈爽やかに白馬駈け抜く競馬場〉でした。この作者は〈爽やかに〉で随分迷ったらしく、句稿には〈や〉を消した跡がありました。やはりここは〈や〉で切るべきでしょうね。また出来ることなら、〈白馬〉がありますから〈競馬場〉を削りたい。〈爽やかやトップを白馬駈け抜けて〉と直しましたが、これで競馬場が見えてきましたかしら?

 昨日の夕焼…家に帰り着く寸前の近くのお寺から撮りました。〝夕焼〟は夏の季語、だからこれは〝秋夕焼〟になりますね。


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9 コメント

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こんにちは (ミルク)
2021-10-20 17:08:35
あいかわらず、お忙しくてたいへんですね。
コロナで、おうち時間が増え、俳句をなさる方が増えたと、
何かで見た感じがしますが、そうではないのですね。
私のように、歳をとってからですと、かなり難しいです(^^;
若い人が増えるといいですね。
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Unknown (ちわき)
2021-10-20 22:25:40
ミルクさん、こんばんは!
俳句人口がコロナの自粛でそれ程増えたとは思えないのですが…
テレビを観たり本を読んだりで…俳句に興味を持った人は、確かに増えたかも知れませんね。
でもそれはカルチュアクラブのようなところで楽しむ程度、結社に入会して本格的にしようとまでは思わないようです。
私の教室の人もそんな人が多いんですよ。
若い人でも言葉遊び的には面白がっても…なかなか本格的というのは難しい時代なんですね。
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Unknown (信州人)
2021-10-20 23:04:46
ちわきさま、こんばんは。
信州はぐっと秋が深まり、朝は10度以下5度で出勤です。
加速度的に冬が近づきます。

緋の袴、勉強になりました。
雲の峰は遠海に連なる水平の積雲、綿雲を雲の峰としておりました。
這松の隙、写生句の修行には具体化は大事ですね。
また俳句脳で改めて諏訪大社に穂高神社に行ってみたいですねえ。

<駅頭のひとりひとりに秋の暮>
<駅頭のひとりひとりの暮の秋>
二句作ってみましたが、
秋の暮vs暮の秋(晩秋)うーん、難しい。
暮の秋のほうが焦点が絞られますでしょうか。

自分は競馬は大好きなのです。
競馬場にも時々出向きます。
競走馬は白馬とは言わないです。
葦毛、ごく稀に白毛です。
だけど、俳句で事細かに動植物の名称を読んでも詩心にプラスにはならないですよね。
<秋天や尾花栗毛の遮眼革>
今週は菊花賞、競馬のレース名は季節ごとに風情があります。
忘れな草賞とか、矢車賞・・・

若い人は俳句をやらなくなってきたのでしょうか。
というよりコミュニケーションが面倒くさくて薄くなってきたかなあ。
コロナ騒動も拍車をかけました。
<蓑虫の蓑の重ね着コロナの禍>
おやすみなさいませ。
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Unknown (信州人)
2021-10-20 23:12:11
重ね着、季重なりでした。師匠、ごめんなさい。
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Unknown (ちわき)
2021-10-21 18:52:21
信州人さん、こんにちは!…あ、もうこんばんは!ですかね。
昨夜から今日一日中は目一杯忙しくてPCも開く暇がありませんでした。
お返事が遅くなってゴメンナサイ!
信州の朝は5度ですか…わあ、寒そう!
もうそれはこちらでは完全に冬の気温です。今のところ10度以下にはなっていませんもの。
となると今年の冬は…雪が多いのかも。
雲の峰は入道雲と同じですが、何でもよく調べてみましょう…とにかく秋は俳句脳になるにはもってこいの季節です。しっかり吸収して下さいね。
<駅頭のひとりひとりに秋の暮>
<駅頭のひとりひとりの暮の秋>
さて、どっちがいいか?そうですね、前句は平凡になるかな。これが〈春の暮〉でも〈冬の暮〉でも…ということは季語が動くということですよ。後句の方がちょっと意味深になるかしら。
一人一人がみんな〈暮の秋〉…晩秋になっている、人生もということに…でもイマイチでしょう。〈駅頭をみな黙々と暮の秋〉としたらどう感じますか。これが〈秋の暮〉だったら、秋だし夕方なのでちょっと寒くなって、また淋しくもあるから、みんな急いで家へ帰ろうとしている…それは当たり前の景で…だから平凡と。
私、競馬場に行ったことがないんですよ。一度行ってみたいとは思うのですが…
そうですね。〈白馬〉というと神馬のような感じですね。〈葦毛〉とか〈栗毛〉とか言うんでした。
<秋天や尾花栗毛の遮眼革〉…
面白い!でも〈遮眼革〉は意味は分かるけど、折角の詩的な雰囲気がそがれる言葉ですね。季語の秋天も効かなくなりますし。〈尾花栗毛〉を生かして動きを詠みましょう。秋っぽい馬だから…
でも、競馬が好きとは…それならきっといい句が詠めるでしょうから、ファイト!
<蓑虫の蓑の重ね着コロナの禍>
これも面白い!でもどうして〈コロナの禍〉なの?
〈重ね着〉とすると確かに季重ねですね。でも〈蓑虫の蓑重ぬるか信濃の夜〉とでもすれば、季重ねはなくなるでしょう。工夫することですね。
また、頑張って下さい。
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こんばんは (ミルク)
2021-10-23 23:05:21
フォロー新着一覧に、「・・・の吟行」と
出ていたので
クリックすると、記事がありませんって、でるのです。
あれ??? 間違えたかしら~と、再度見ても
「記事がありません」と2度も出て、
修正しようとして、消しちゃったのかしら~。

渋柿をたくさん頂いて、焼酎で渋抜きしました。
渋柿や呪文かけつつ渋抜きす
川柳ですね(笑)
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Unknown (ちわき)
2021-10-24 09:34:17
ミルクさん、お早うございます。
ゴメンね!昨日のブログにそのいきさつ書いたから読んでくれたかしら?
何というドジでしょう。情けなくなりますよ。
書き直しというのはスゴくパワーが要りますので、気がついたときは本当にガッカリしました。
〈渋柿や呪文かけつつ渋抜きす〉…
時々忘れずに俳句詠んでくれているんですね。ウレシイこと!(*^▽^*)
中七の〈呪文かけつつ〉がとてもいい。できれば同じ言葉を使うとくどくなりますので、〈渋柿〉を何か名前…例えば〈西条柿〉とか…そちらでは渋柿は何という種類なのかしら…にするともっといいですよ。
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Unknown (ミルク)
2021-10-24 22:05:39
こちらで、植えているのは、たいてい庄内柿です。
山形県の庄内のことです。
<庄内柿呪文かけつつ渋抜きす>
でいいのですか? 上句6文字になりますが。
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Unknown (ちわき)
2021-10-25 04:29:40
ミルクさん、お早うございます。
昨日の朝が早かったので、夜も早くに寝て仕舞いました。
すると、こんな時間に目が覚めちゃって…まあ、睡眠時間は同じですからどっちがいいのかしらね。
俳句の字余りは、上五なら気にならないからいいんですよ。
中七下五さえ守れば…だから字余りになるときは上五に持って行くように工夫してくださいね。
この句はこれで立派に完成です。二重丸!
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