ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

サプライズ!…と月例吟行会の報告です!

2024年06月16日 | 俳句

 先日のM俳句教室でのことです。13時半の定刻に句会場へ行くと…何だかいつもと違う雰囲気。いつもだったら私が到着するとすぐに開始の礼をして…

 あれ?教室のお世話をしてくれている幹事さんが何だかゴソゴソと…何処かに隠していたのでしょうか、立派な花束を持って前の方へ…〝先生、この度は受賞おめでとうございます〟と。エエッ、とビックリ。思いがけないサプライズでした。見て、見て…キレイでしょう!

 また、昨日(土曜日)の宇部馬酔木句会でも皆様からお祝いをいただきました。本当にありがとうございます。感謝、感激…あめあられで、涙が出そう。心からお礼申し上げます。

 それでは、今日は先日7日に実施しました月例吟行会の報告…、忘れないうちに書いておきましょうか。

 行先は、山口市の小鯖(おさば)地区方面。山口宇部空港の駐車場に9時集合して、さあ、出発です。天気は上々…もう暑いぐらい!最初に先ず目指したのは、小鯖地域交流センター。午後からこのセンターの部屋を借りて句会なんですが、その前にここで地域の案内パンフレットを貰うためです。

 この小鯖という地域は、平安時代の頃に山口の佐波・矢田などから移住してきた人々が住むようになって、小鯖村ができたんだとか。名前の由来は「佐波」からだそうですが、なぜ魚の鯖の字になったんでしょう。ここには〝佐波川〟という一級河川がありますが、鯖が捕れていたのかしら…?

 さて、この地の見所は四季それぞれにあって、〝おさば歳時記〟によれば、春は三世代交流大運動会、夏は小鯖体育大会・小鯖夏まつり、秋は小鯖八幡宮秋祭り・小鯖ふるさとまつり、冬になると小鯖消防団出初式・小鯖小学校竹馬大会などと。なかでも小鯖八幡宮での〝代神楽舞〟は、江戸時代から始まったもので、毎年10月最終日曜日に行い、県の無形文化財(無形民俗)になっているものです。また、この神社は桜や鬼百合、彼岸花などの花の頃もよい吟行地みたいですから、今度は花のある頃に来てみようかと思っています。

 では、今回どこを観て回ったかといいますと、先ずこの交流センターのすぐ裏手にある「正田山」。ここは標高111mで小鯖地域のほぼ中心位置にあり、頂上から棯畑(うつぎばた)以外の全域が見渡せます。山頂には野外活動広場があり、全長約46mのローラー滑り台が設置されていますし、春には桜が満開となって花見には絶好の場所です。

 ところで、私たちみんな童心に返って、このローラー滑り台を滑ってみたんですが、さて、これを俳句に詠込むとなると非常に難しい!なんせ〝滑り台〟だけでは理解して貰えませんので、17音中の9音を使ってしまうと…後がみんな似たり寄ったりになってしまうんですよね。

 次は、正田山からは見えなかった棯畑の「野花菖蒲」自生地へ行きました。標高380mの湿地帯に自生している〝ノハナショウブ〟は、県の有形文化財(天然記念物)で、花色が変化に富み、今がちょうど見ごろ。ラッキーでした。

 最後の吟行地は、「鳴滝」です。高さ10mの滝で、棯畑から流れ出る鳴滝川の渓谷にあり、滝は3段になっています。古来山口市の名勝として文人墨客が多く訪れている所です。中でも山口出身の有名な詩人・中原中也がここを詠んだという詩の碑が三の滝の傍に建っています。

 その詩は、この鳴滝を詠んだものとして、詩集『山羊の歌』に収められている〝悲しき朝〟です。

悲しき朝

河瀬(かわせ)の音が山に来る、
春の光は、石のようだ。
筧(かけい)の水は、物語る
白髪(しらが)の嫗(おうな)にさも肖(に)てる。

雲母(うんも)の口して歌ったよ、
背ろに倒れ、歌ったよ、
心は涸(か)れて皺枯(しわが)れて、
巌(いわお)の上の、綱渡り。

知れざる炎、空にゆき!

響(ひびき)の雨は、濡(ぬ)れ冠(かむ)る!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

われかにかくに手を拍く……

 中原中也は明治40年4月29日、山口市湯田に生まれ、昭和12年10月22日、30歳の若さで没しましたが、昭和の代表的叙情詩人として全国的に知られています。昭和9年に詩集『山羊の歌』を出版、その中にこの詩「悲しき朝」が収められています。

 他に滝に真向かうように建つ滝不動…出入り口には紅白のお地蔵様も。周りには蛍袋が沢山咲いていました。

 お昼になりましたので、この鳴滝の傍にある〝山口地ビールサン・レミ・ド・プロヴァンス〟で、ビュッフェ式のランチを頂きました。その後、小鯖地域交流センターへ戻って、4時半まで句会。それから山口宇部空港まで戻り、5時半には解散しました。皆様どうもお疲れ様でした。オシマイ!


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2 コメント

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おめでとうございます (ころころ)
2024-06-18 12:29:49
ちわきさん、お疲れさまでした
何より文学の森賞、受賞おめでとうございます

長旅と緊張とでさぞお疲れになられたでしょうね

俳句はどんな社会奉仕をしても有名とは無縁
秋櫻子先生くらいまでは俳句をしな人でもその名前を知っている程度ですね
でも俳句を学ぶものにとってはその指導者がどんな方かはどんな活躍をされていたかは重要なんですよ
大変でしょうがお元気でますますご活躍
されますようにお祈りいたします
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Unknown (ちわき)
2024-06-19 09:49:02
ころころさん、お早うございます!
毎日欠かさずにブログ更新されていますから、お元気なんだろうと何時も思って拝見していますよ。
この度はお祝のコメントありがとうございます。ころころさんにそう言っていただけると本当に心強いです。
東京へは何度行っても疲れるだけで、それが年々酷くなり…ということは私が歳を取って弱っていってるという証拠ですね。
いつまで続けられるものやらと思うと心細くなりますが、教室の皆さ力から力を貰って頑張っています。
やはり俳句は仲間が居てこそ楽しいものですものね。
ころころさんもガンバッテ下さいね。
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