ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝小春〟

2018年11月17日 | 俳句

 あ、テンプレート替えました!もう秋も終わって冬ですもの。いよいよ12月へ向けて…ホントはいやなんですけどね~。あまりにも一年が早過ぎて。せめて暖かい色でも…

 ところで、昨日は一日中曇、どんよりと…。俳句教室だったのですが、終了前の午後4時から避難訓練が始まるので協力をと頼まれて、終わるのが5時過ぎになってしまいました。すると、外へ出てみるとポツリポツリと…。本当は今日が雨マークでしたが、昨夜のうちに降ったらしく朝はもう上がっていました。

 それで、今日は朝から洗濯、その後二俣瀬の文化祭の展示準備、午後からは宇部馬醉木の句会と、忙しい1日でした。

 昨日の兼題は「小春」、初冬の季語です。陰暦十月の異称で、「小六月」ともいいます。「小春日」「小春日和」は、立冬を過ぎてからの春のように暖かい晴れた日のこと。

  玉の如き小春日和を授かりし    松本たかし

 私が俳句を始めた頃にすぐに覚えた大好きな句です。

 娘の結婚式が十一月の後半…もう20年近くも前になるので日にちまでは忘れましたが、とにかくよいお天気でした。式を神社で行いましたので、その記念撮影は外で…その時、まさにこの句が浮かんだのでした。きっと、作者はこんな気持ちを詠んだのだろうと。

 その後、この作者が江戸時代からの宝生流能役者の家の長男として生れ、将来を嘱望されて5歳から能の修業を始めた人だと言うことを知りました。ところが14歳の時肺尖カタルと診断され、その後病気が思わしくなくそのために能役者を諦め、俳句の道へと進んだ人でした。

 療養中に「ホトトギス」を読んで俳句に興味を持ち、17歳から高浜虚子に師事、23歳という若さで「ホトトギス」巻頭を取って同人に推されます。1946年、40歳の時に「笛」を創刊・主宰し、1956年、50歳で死去。

 この句は何年に詠まれたものかが分からないのですが、普通「小春日和」というだけで有り難く幸せな感じがするのに、更にそれを「玉の如き」とまで形容すると言うことは、作者の状態が健康ではなかったと思われます。病人の心が日々のちょっとした天候に大きく左右されるということ、大病をした者にはよく分かります。雨が降れば暗く沈むし、日が照れば気持ちも明るくなると…。ましてや寒い冬の到来、病状も悪ければ悪いほど、太陽の有難さを痛感することでしょう。そんな時口からポロッと零れたような何気ない言葉…そんな感じがします。しかし、その飾り気のない本音のような心情だからこそ誰しもが心打たれるのではないでしょうか。

 写真は、先日出かけた「小春日」の薔薇です。やっぱり植物も寒い時より暖かい方がいいみたい。だって薔薇は夏の季語ですものね。

   


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