ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

最近とっても気になること!

2020年08月08日 | 俳句

 昨日は立秋、一応暦の上では今日から秋になる日ということです。今年は梅雨明けが7月の末から8月の初めにずれ込みましたので、暦の上での夏らしい夏は一週間もなかったということですね。

 というわけで、まあこれからが本格的な猛暑の夏を実感するような毎日なのでしょうが、俳句的にいえばこの暑さは〝残暑〟ということになります。

  秋たつや川瀬にまじる風の音       飯田蛇笏

 〝秋たつ〟が季語で、〝ああ今日からもう秋だなあ。そう思えばあの川の浅瀬の音にまじる風の音も何となく秋めいていることだよ〟という句意。恐らく蛇笏の心中には、あの有名な〈秋来ぬと目にはさやかに見えねども風のおとにぞおどろかれぬる〉という藤原敏行の歌(『古今集』)があったのでしょう。

 ところで、最近どうしても気になることがあります。それは、この8月になってからのブログをみると、あちらこちらで〝葉月(はづき)〟ということばが使われているということなんです。

 そもそも〝葉月〟というのは陰暦八月の異称で、語源は諸説ありますが、俳諧では葉がようやく色づく月だからだといい、あるいは葉落月を略したものだともいいます。だから陽暦ではほぼ9月にあたります。〝ハチガツ〟と〝ハヅキ〟と出だしの音が似ているのと、葉月という字面から夏の青々とした葉を想像するからでしょうか。なんの違和感もなしに今の8月のことを葉月と認識している人がかなりいるのではないかということです。

 この〝葉月〟のことを、〝月見月〟〝秋風月〟〝萩月〟〝雁来月〟などというのから見ても、この陽暦の8月ではないということが分るのではないでしょうか。

 今日でも陰暦の月の異称を陽暦に使っているものとしては、本来12月の〝師走〟だけなんです。それは師走の語源、経をあげるために師僧も走るほど忙しいということから、年末の多忙を表す語として陽暦でもおかしくないと定着してしまったのでしょう。他にも〝弥生〟を3月、〝神無月〟を10月というように使っているのもよく目にしますが、しかし、これはいいのだろうかとよくよく考えてみて下さい。

 陰暦の月の異称は、それぞれの気候や祭事などに関連してつけられたものが多く、陰暦ではその季節にあった名称だったのです。例えば、〝卯月〟は4月のことですが〝卯の花の咲く月〟ということ。ところが、陽暦4月では花は桜で、春でしょう。しかし、卯の花は初夏に咲く花ですから、卯月も初夏なんですよ。

 そこで、次に4月、8月、12月以外の陰暦の語源を、いろいろと諸説はありますが、その主なをものを書いてみましょうか。

 1月ー睦月(むつき…一年の初めに互いに往来してむつまじくする月)

 2月ー如月(きさらぎ…寒さのために衣を更に重ねる月)

 3月ー弥生(やよい…草木のいよいよ生い茂る月)

 5月ー皐月(さつき…早苗を植える月)

 6月ー水無月(みなづき…田に水を引く必要のある月)

 7月ー文月(ふみづき…七夕に託して文をしたためる月とか稲の穂を含む月)

 9月ー長月(ながつき…夜の長い月)

 10月ー神無月(神無月…神々が出雲大社に集まり、各国には神がいなくなる月)

 11月ー霜月(しもつき…霜の降りる月)

 こうやって見ていくと、その意味から陽暦とは少しずれているということがお解りでしょうか。だから〝葉月〟などは、今の草木の茂った8月ではおかしいのです。葉を落し始める…そう、秋も半ばになるんですね。

 今日は今から午後の句会と夜の句会へ…ダブルヘッダーですのできっと疲れて、夜はすぐにダウンかな。特にマスクが…早くどうにかならないのでしょうか。

 写真は、〝夏水仙〟、リコリスとも。この花は以前にも載せていますが、去年は8月24日、一昨年は9月9日と、全く日が定まっていません。このように何もかもが異常気象の影響なんでしょうか。だったらこの地球温暖化で陰暦の呼称もこの先どうなるか分りませんね。俳句人からするとコマッタもんです。

 今年は雨が多かったからか、よく伸びてかたまって咲いていますので、まるで花束みたい!とても綺麗でしょ。

 

コメント (4)
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