ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

藍の生葉染め

2018年07月28日 | 俳句

 今日も山口地方は最高で38度、宇部も35度ぐらいまであがりました。もう何を言ってもと思いきや、今度は台風12号があらぬ方向から来るじゃあありませんか!

 もう日本が…いや地球が狂ったんでしょうか。昔からのことわざにありますよ。〝泣きっ面に蜂〟〝踏んだり蹴ったり〟〝弱り目に祟り目〟と…。復興にはまだほど遠い西日本にわざわざ進路を曲げなくても、それも西日本全部を横断する形で進路を取らなくってもいいものを!被災された方がまた災害を受けたとしたら、きっと何かに祟られているのではと思いますよ。

 私たちもいつどんな災害に遭うかと思うと、とても怖くなります。でもニュースで見ると関東の方は雨で…ある意味羨ましいかな???しかし、台風の被害が出たりしたらそんなことは言えないけど。

 今日は、この暑い中を物好きにも山口市阿知須の「いぐらの館」へ出掛けました。10時から〝藍染ワークショップ〟があったんです。すぐに申し込んだんですが、もうすでに定員一杯と断られ、しかし、見るだけならどうぞと言われたのでやってきたんです。私は以前に体験したことがありましたが、初めてという人たちを連れて5人で来ました。

 季語に「藍刈る」というがありますが、藍はタデ科の一年生草木で、8月頃に花柄を出し、紅色の小花を穂状に群生します。葉にはアイ物質(インジゴ)を含み、上位葉ほど高く、7月上・中旬、花柄抽出前にアイ物質が最高になるのでこの時期に収穫する。収穫したものを乾燥させ葉だけにして、数日おきに水をかけ二ヶ月ほど発酵させ、これをひき砕いて玉にする。これが藍玉で、藍染の原料です。

  一番の藍より出づる夕べの木  松澤雅世

  藍刈るや三番藍も育ち初め   大森扶起子

 今回のはそのアイ物質の高い時期に生葉を摘んで直接染めるという方法です。この藍の「生葉染め」は、タデアイが育つ夏にしかできない染め方で、葉を摘み取ったその日に短時間ですぐに染めることができます。約2時間ほどで仕上がり。だから参加者は夏休みの親子連れが殆どでした。それでは一緒に見てみましょう。

 1,藍の葉を摘み取る。(50グラム)

 2,葉とぬるま湯をミキサーにかけて、ジュース状にする。(ぬるま湯500㎖)

 3,ボールにネットをセットし、ジュース状の藍の液を入れて絞る。

 4,絞り汁に消石灰をスプーン4杯入れてよくかき混ぜ、次にハイドロサルファイト(還元剤)をスプーン2杯入れてまた良くかき混ぜる。

 5,泡だって黄緑色になってきたら、藍染液の出来上がり。

 

 6,布を藍染液に5分ほどつける。模様をつけるために絞ったところは手でもんだりしてつける。

 7,5分経ったら布を取り出し、盥の水ですすいだり、空気に触れさせる。これを繰り返すと、次第に青く色づいてくる。

 8,再び3分ほど藍染液につける。後また水ですすいだり、空気に触れさせる。

 9,最後に3分ほど藍染液につけて、水ですすぎ、日陰に干して終り。

 今回の模様は、ここ阿知須の町のシンボルの「居蔵造」(いぐらづくり)の「なまこ壁」を染めました。乾くと色が薄いブルーになります。

 ところで、ここ阿知須は、室町時代は阿知須浦という小さな漁村でしたが、江戸時代中頃から廻船業によって栄え、海岸埋め立てにより町並みを拡大していったところです。廻船業は、商品の購入から輸送、販売まで行う「買積み」と年貢輸送で運賃を得る「賃積み」があります。阿知須は、最初は「賃積み」が行われていましたが、季節や天候で利益が安定しないので、江戸後期には「買積み」へ移行していきました。そこで、廻船業を営んで富を築いた人々が火災などから財を守るために「瓦葺屋根、大壁造漆喰塗り込みの防火機能を有した住居」を建てるようになりました。それを「居蔵造」といい、阿知須の町の特徴になっています。その中でも阿知須浦廻船業の中心となった〝中川家〟は、当時最大級の居蔵造の建物でした。それが山口市に寄贈され、山口市教育委員会の施設として利用されるようになり、今回の会場ともなったのです。

 だから見所がいろいろとあるのですが、今日は「藍の生葉染め」の写真だけにしました。他のものはまたぼちぼちとお見せしますね。

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