ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝雲の峰〟

2018年07月15日 | 俳句

 今日の暑さも相変わらず最高気温35度と…。明日はクーラーを取り付けに来ますので、部屋の片付けをと…、でもちょっと動いただけで汗が吹き出ます。午後からは先日の着方教室のある呉服屋さんに誘われて展示会へ。帯締めが一本100円という甘い言葉に釣られて娘と涼みがてらに出かけました。

 この前の着物に合う夏用のものがあるからと、…確かにオールシーズンの帯締めがあって定価は1800円。それが100円で一人二本までというので、色を変え娘と合せて4本…とこれで終るつもりが、そうは問屋が卸さない!ついつい、うまく載せられて買う羽目になってしまいました。夏用の長襦袢、草履、コート、挙げ句の果てに浴衣セット(浴衣・帯・下駄)まで半額というので…ああ、ダメですね~ホント誘惑に弱いんですよ、ワタシ。ついつられて、高い買物になってしまいました。

 土曜日のもう一つの兼題は「雲の峰」。夏の季語で、聳え立つ入道雲の威容を山並みにたとえたものです。

  雲の峰幾つ崩れて月の山   芭蕉

 この句については詳しく解説されたものがありますので、それをどうぞ。

【出典】 俳聖 松尾芭蕉・みちのくの足跡  第24集「芭蕉と出羽三山」  [文学館目録]より

[句解釈]   昼間の陽射しの中で、猛々しく起立していた雲の峰はいつしか崩れ、今は、薄明かりに照らされた月の山が嫋(たお)やかに横たえているばかりであるよ。

月山は、出羽山地の鳥海山に次ぐ大峰で、月の神・月読命を祭神として「月の山」とも呼ばれる。芭蕉が、出羽三山の里で見られた月は、月齢三から九の月で、曽良の随行日記をもとにすれば、月山登拝時の月は上弦の六日月だった。

六日月は、おおよそ、昼前に東の空に昇り、月山山頂に到着した申の上刻(午後3時半ごろ)には南寄りの天空にあるが、陽光の為にまだ判然としない。しかし、日没が進むにつれて南の空高くに鮮明となる。「おくのほそ道」の本文にある「日没て月顕る」は、六日月下のこうした情景を記したものと見られる。

そして本文に掲げた発句が「雲の峯幾つ崩て月の山」で、これの季語は、主として夏に、強い上昇気流で湧き上がる「雲の峰(入道雲)」である。「雲の峯幾つ崩て」とは、登拝の途に見た天地の営みで、月山を背景にして、天空を突く猛々しい雲の、湧いては消えてゆくありさまを言ったものだろう。

しかし、芭蕉と同じ道すがらに眺める月山は、これとは逆に、どこもかしこも円やかで柔和である。こうした視点に立って本句を鑑賞することにすれば、「雲の峯幾つ崩て」と「月の山」には、「剛」と「柔」を取り合わせた妙があって、昼に、大きく起立していた雲の峰はいつしか崩れ、夜に、嫋(たお)やかで神々しい月の山が六日月の光に照らされて横たえている、といった情景が見えてくる。

 以前〝あしかび会〟の吟行で、出羽三山のうち「羽黒山」「湯殿山」には行きましたので、機会があれば是非残る「月山」にも行ってみたいと思っていましたが、もう歳を取るばかりだし膝も悪くなってしまいましたので、どうも夢で終りそうです。残念!

 ところで、句会で次のような句が出ました。〈雲の峰スピネーカーは妊みたり

 雲の峰以外はさっぱり分かりません。もちろん誰も採る人はいませんでした。聞くところによると、ヨットの帆なんですって。じゃあ帆と言えばいいじゃないの…と言うと、作者曰く、それでは普通の三角帆になってしまう、これはヨットで、マストの前方に張る半球形の軽くて大きな帆で、追い風の際などに用いるものだと。それなら専門用語だから到底みんなに分かるのは無理ですよ!と言う。

 まあ、ダメだろうとは思ったけど、試しに出してみました、とは作者のわが夫。実は大学時代はヨット部でした。やはり俳句に専門的な用語は難しいので、その道の人にしか理解されません。ということは損なんですよ。ある程度の人々には理解されないと…句が勿体ないでしょう!

 昔、水原春郎先生がお元気なとき、〝予後〟という語が俳句によく使われているのをみて、これは医学用語で、罹病した場合、その病気のたどる経過についての医学上の見通しをいうので、〝病後〟とは意味が違います。気を付けて下さいと注意されたことがありました。なんでも生半可な知識で使うのはとても危険なことだということですね。みなさん気を付けましょう。

 今夜は、ウインブルドンの決勝とワールドカップの決勝戦が行われています。これで明日からは夜も少しは静かになりますね。写真は〝テンのお昼寝〟。テンも暑すぎてバテています。ここに貯めていた新聞を全部縛って廃品回収に出しましたので、その空いたところにテンがいつの間にかはまっていました。猫はこんなところがホント好きなんですよね。

 

 

コメント
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