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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

難波杯のこと

2012-06-08 22:12:12 | 馬が好き
時間経っちゃって、もう記憶もあやふやだけど。
いちおう振り返っておきますか、火曜日に出場した馬術競技会のこと。
言っとくけど、すごい個人的なメモにしかすぎないことになります、こっから先。
(個人的なことは他人に見せる場所に書く必要はないんだけどね。ただ、2年前のメモ、今回もすごく役立ったんで、手軽なとこに書いとくのは私にとっては有用。)

私の出た競技は、「難波杯(なんばはい)」。100センチの障害である。
伝統ある競技で、なんつーか、ひとつの目標として定着してる感がある。たとえば、私が競技会に出るって話になると、たいがいのひとは「なに出るの?難波杯?」って訊いてくるくらい。これ出る・勝つのが、(プロぢゃなくて)乗馬してるひとの、ひとつのステータスみないなものとして、共有されてるものはある。
私は、5年前に出たことあんだけど、なんと、二つ目の障害を、三度やって三度飛べなくて、失権した苦い思い出がある。
(ちなみに、同じ馬に乗って出たもうひとりは、減点ゼロでジャンプオフ進出したんで、完全に人間(私)の問題である。)
100センチって練習だったら(それ飛べる能力ある馬に乗せてもらえば)飛ぶことはできるんだけど、試合となるとそれなりに難しく作ってあるんで、なかなか難しいんである。
(何が難しいかってのはイロイロあるんだけど、私も最近になってようやく薄々わかるようになってきた。よく「飛ぶのは馬。でも試合で(障害の前に)つれてくのは人」って私が言うのは、この競技の経路の難しさを指してたりする。)
で、今回も、試合出てもいいけど、それ(難波杯)はムリだよ、って思ってたんだけど、とうとうホントに出ることになってしまった。
私の頼みの綱は、騎乗馬がオリアンダーだってこと、だけである。

どうでもいいけど、オリアンダー、優秀なんだけど、意外なことに、けっこう寂しがり屋。
(ものに動じないイメージなんだけど、意外なとこある。こないだの乗馬苑お披露目式の馬術供覧のあとも、観客席の拍手の音に、(ほかのサラブレッドと比べても)いちばん反応=ビックリしてた。)
試合で遠征したぐらいの環境の変化では動じないと思ってたし、月曜日の午後にのぞいたときは、普通だった。
ところが、火曜・水曜のあるときには、となりの馬が見えなくて、そうなると落ち着きなくなって、ブヒブヒ鳴いてた。
自分が馬房にいても、向かいにいた馬とかが馬場に行っちゃってると、もうダメ。怪獣みたいな声で鳴いてた。
そして、なにより隣に馬がいないと不安らしい。
ふだんは、隣の馬房との間は格子窓なので問題はないんだけど、今回の出張馬房は、完全なる壁。(そりゃそうだ、全然別のチームと隣合わせになることもあるんだから。)
隣に馬が見えないもんだから、そしたら、壁の上のほうが空いてるんだけど、2.5メートルくらいはあるかな、そこまで立ち上がって顔を壁の上に出して、隣に誰か(馬)いるか覗こうとしてた。(ちょっとカワイイけど、ヘンなとこに頭ぶつけないかかなり心配。)
おいおい、無駄なエネルギー使わないでくれよ、って思うんだけど、結局、まあ、ふつうに窓から外に顔だしたときに、となりからも顔出したイマジンノココロヲが見えたりしたら、安心したみたいなんで、よかった。

(↑これイマジンノココロヲ。今回馬場馬術デビュー。みんな周りで見てるぶんには「おお、いい馬だね」って言ってくれるんだけど、実際に乗ったひとは「きつい!」と言う。そんな微妙な評価になってしまったけど、乗りこなせることができればイイ馬なのは間違いない。)
さて、そんな寂しがろうがなんだろうが、いざ馬場に出れば、オリアンダーが100センチくらいの障害で飛ばないわけないんで、あとは私の問題である。
最後の一週間は、ひたすらイメージトレーニング。とにかく私には、障害の前でビタ止まり、投げ出されて一回転して障害の上に落下、っていうトラウマがあるんで、それに打ち克たなければならない。
技量的には、今回の競技に出るのは、大疑問なんだけど、出るからにはそんなこと言ってらんない。「勝つのは俺だ」と口に出して言い出すことまでした。
勝つイメージは簡単、コース設定が難しくて、みんな一つか二つ障害を落とすんである。そこへ出てきた私とオリアンダーが、ムチャクチャなビッグジャンプを織り交ぜながら、とにかく全部飛んできて、減点ゼロで勝つ。「おかしいだろ、あんなヘタが勝つなんて」「完歩も手前もデタラメじゃんか」とかいう納得いかない周囲の声をよそに、「知らないもーん、そーゆールールなんだから」って涼しく言う、というシナリオである。
これには伏線があって、今回、競技のルールがこれまでと変わって、ハンターシート方式になった。つまり、障害への誘導とか飛越姿勢とか、上手にキレイに飛んだひと勝ちなんだが、障害を落としたのに優勝ってのはナシというルールなんで、たとえば障害減点ゼロがほかにいなけりゃ、しっちゃかめっちゃかでも勝ちは勝ちである。
べつに私にとって、競技に勝つことはおろか、参加することでさえ、あまり興味がないはずだったのに、なんで、そんな勝つことなんか考えるかっていうと、やっぱそれなりの理由はある。
順不同だけど、ひとつにはオリアンダーのエントリーである。
これは私自身が何度も「オリアンダー出すの、反則だろ」と指摘したんだが、この馬は本来少年たちの教育を目的に美浦で仕事をしている馬であって、競技に出せば能力ずば抜けてることは分かってんだけど、今回なんか出場させたら「中学生のレッスンのための馬を、おまえの遊びのために使うとは何事だ!?」って私が怒られて仕方ないはずなんである。
(ちなみに、毎年のこの競技会は、競走馬を優秀な乗馬につくりかえたのを披露するという品評会(?)的な場という側面があって、完成された乗馬(しかもヨーロッパ輸入モノなんか)を出すんぢゃなくて、ほんとは新しく作り上げた馬を持ちよるのがひとつのスジではあると思う。)
それから、うちのチームの多頭数出しである。原則としては、障害2競技に2名程度ってキメがあるんだけど、今回この100センチの1競技に3名出した。まあ1名も出さないチームもあるので、そのぶんうちが余分に出すのも認められたんだけど、それでグダグダだったら、人数多いぶんだけ時間のムダである。そこはある程度の結果が出なくては、余分に出る意味がない。
さらに、うちのチーム内のことなんだけど、ことしはメンバーの層が厚くなって、だから私は「出ない」って言ってたんだけど、諸般の過程を経て、簡単にいうと結果としては、若くて実力があってヤル気がある者を押しのけて、私がこの100センチに出てる図式になっている。低い障害のクラスにまわされた人は不満だろうし、ここで私が無様な成績だったら、ますます納得しないだろうとは思う。
そんなわけで、私は、ふだんのポリシーに反して、今回はなんとかしなくちゃと思いつつ、試合当日を迎えた。
でも、やっぱ、いちばん大きいのは、オリアンダー騎乗だな。おそらくこのクラスの馬で競技に出ることは、もう二度とないだろう。ふつうに考えたら、出るはずもない、勝ち負けなんて考える余地もない、私に与えられた千載一遇のチャンスなんだから。

ちなみに、唯一の心配であった、馬がふだん見たことのない・初めて見る障害を見て、うまく飛べなかったらどうしようという点については、私の出番より前に、80センチ障害の競技でオカベさんが出場してるんで、そこで払拭されている。
(結果は、優勝=前回から2連覇)
なんも言い訳できない状態。
緊張が高まるたんびに、馬房にいるオリアンダーの鼻面を撫でる。「俺が乗ったら、飛ぶんだぞ」って、この一カ月、ずーっと言いきかせているのを、繰り返す。
朝、障害経路が発表されてから、図面見て、何度も頭んなかでシミュレーション。馬場にすでに組んであって下見フリーなのは、最初にやる80センチ障害だけど、飛ぶ順番・向きと高さは違うが、だいたいの位置関係は見えるんで、目で追えば回転のイメージははっきりわかる。
どこが難しいのか、いまいちピンとこない。自分で馬場を歩いてみないと、実際の問題はみえてこないから。ただ「距離が長げぇなあ」とは思った。距離が長いと人間の息があがっちゃうかもという心配はある。
競技開始の15分前くらいから、下見。歩いて経路ひとまわりする。
どこが(障害と障害のあいだ)何歩、なんていうのは、気にしないことにする。
(私のイメージは、歩数が違っても完飛、ひとりだけ減点ゼロ、だからね。)
歩数を数えるより、シンプルな駈歩で障害に向かうことが大事。そうすれば飛ぶ。あえて言えば、ムリなく飛ぶとき、歩数は勝手に合ってるに違いない。
一か所だけ、ここ気をつけろと言われたとこ、注意する。回転して7番障害飛んでから、4歩で連続の8番のA・B。最初のに弱く入ると、次の連続は飛べないという。前出てるのをうけて飛べば大丈夫、連続障害は好きぢゃないけど、4歩はいいイメージがある、1・2で起こしてバランスバック、次の1・2で飛ぶ、去年オリアンダーと美浦の馬場で実現できたことを思い出す。(連続はここだけ。体勢戻すのヘタで連続苦手な私にはやりやすい。)
(※6月15日付記 4歩のイメージがいいというのは、それにくらべて5歩は「1・2、1・2・3」の最後の3!で先飛びしそうになるのと比較しての話である。)
全体に、障害間が長い(私には体勢直す猶予が与えられるからいい)けど、回転が難しいなって感じはある。ラチ沿いを進んで、中央へ向けて舵を切ったときには、障害までの残りの距離が短い(3歩くらい?)という気がする。回転が弱いと、障害を向いてから慌てて追い出すことになるが、それぢゃ飛べない。障害向いたらうけて待つ状態をつくろうと決める。
んぢゃ、準備馬場で、オリアンダーに乗るよ。
ちょっと迷ったけど、上らん着てく。天候は朝から曇りで、半袖ではちょっと肌寒い程度だったしね。
この上らんは、ちゃんとした乗馬用の衣装ぢゃなくて、ただの私の紺ブレのお古である。(あちこち擦り切れてる。)けっこう前から、乗馬の試合のとき着てる。
チームメートに、「お?上らん着るの?」って言われたときは、「寒いから」とか「ハンターシートだから、(騎乗姿勢を採点されるときに)ケツ浮いてんの見えないよーに」とか答えたけど、着るホントの理由は、馬に対する礼儀みたいなもんである。
そして、ネクタイしめて上着きてる姿を、馬が見てくれるのを期待している。いつもと違うんだなって理解してくれた馬は、ちゃんと気合い入れて飛ぶもんである。まちがいなく馬はそういうことをわかる。
またがったけど、出番は10番。けっこう時間がある。
それにしても、アブミが短いなあ。オリアンダーでのアブミの長さは、実はあんまり決めてこなかった。練習もいつも適当な感じで飛んでるし。先生の下乗りのまま、そのまま乗ってみる。メーターだからなー、短いほうが、飛んだとき上で前傾姿勢とりやすいかなー、程度のアバウトさ。「短いほうがいいでしょ」って言われたんで、直さずそのまま。
拍車は?って訊かれたけど、「つけたことないんで、要りません」って答える。たぶん、今日の障害も、明日の馬場も、拍車しないで乗ってんのは、私ぐらいのもんだな。
常歩で、ちょっと脚つかって、反応したとこ拳でうけとめる。だいじょうぶ、グイーンと前に引っ張ったりしない、いうことをきく。ウォーミングアップは完了している、これから始まることをオリアンダーはわかっている。
速歩して、やがて駈歩、歩度の詰め伸ばし。伸ばすとこグンとアクセル踏んで、しっかり詰めるようにする。オリアンダーは前進気勢満々。あたりまえだけど、飛ぶよ、これ。
ぢゃあ練習障害、垂直、左右一回ずつ。回転んとこから障害みて、向いたら左右ふらつかないように、しっかり真上にすわってろ、うけてジタバタしないで駈歩を持続。リズムをくずさないで馬にまかせて待っていれば、ドーンっと地の底から持ちあがって来るような力強いジャンプ。
飛んだあと、投げ出されるように、前のめりになる。馬の頭がけっこう下がるこの着地を嫌うひともいるみたいだけど、私ゃ馬は安定してんで自分自身の姿勢の問題だけだととらえている。戻れ、戻ったら駈歩フラフラしないように、次あるんだから、脚使って詰めなきゃダメだ、真っ直ぐ行ってから回転だ。
んぢゃ、オクサー。まっすぐ駈歩。ブオンッ!って飛び上がる。「高っけっ!」って思ってたら、着地、馬のクビのとこまで身体行っちゃった。下半身も崩れちゃってるし、戻れないよ。少しこらえたけど、戻りきんなくて、左に飛び降りるように、落馬。
けっこう踏ん張ったんだけど、なんか落ちてみたら、あれれ、アブミが抜け落ちてる。どんな落ち方なんだよ。
とにかく、練習馬場で落馬すると、周囲はけっこう混みあってるんで大迷惑、すいません。
乗ったら(アブミはひとつ伸ばして乗ったけどね)、もう一回。また高い飛越。どうにか落ちずにこらえるレベル。
高いっつーか、遠いんだろうな。ただ、オリアンダーは、遠くから飛ぶときでも、踏み切り前の最後の一歩が大きくなるとか、少し沈むとか、飛ぶぞぉって全身が緊張するとか、そういうとこが全然ない。だから、横木をまたぐときのように軽々と、当たり前のリズムのまま、バーンッ!て高さだけがあがってくる。私に恐怖感とか迷いを与えるヒマがない。ただ飛んだあと戻れないだけ、障害飛越は慣性の法則との戦いだあ。
「アブミ踏んづけてってください」と言われる。そう言われてもなあ。常歩してる間に、コソッと、アブミさらに二つ伸ばす、これでどうやら落ち着いた感じ。
もう今さら細かいこと言ってもしょーがねーやと思ったか、先生がいい具合に投げてくれて、「あと常歩しといて、最後、垂直いちど飛んでから行きますか。気持ちよく飛んでってください」とだけ言う。
まあ、そうだよな、これ以上やって、悪いイメージもってもしょうがない。なんもしないでも飛んでいく、オリアンダー乗ったときのゾクゾクする楽しさ、あれを持って試合に出ていきたい。
あとひとりのあたりで、ポーンと垂直飛んで、あとは入口のとこで待機。オリアンダーは平然としている。乗ってる私まで落ち着いてくるくらい。
さあ、そしたら出番だ。
速歩でトコトコと真ん中のほうへ入ってく。どうしようと決めてたわけぢゃないけど、真ん中へんのゴチャッと障害があるあたりを、軽く巻乗りしておく。
そしたら、スタートラインから(まちがって横切んないようにね)少し離れた広いほうへ行って、敬礼。
試合始まるときの馬って、スタート待ち受けてウズウズしてたりすること多いんだけど、オリアンダーは落ち着いてるよ。
左駈歩発進。さあ、行こう、頼むよ。オリアンダーは練習馬場よりはるかに落ち着いた駈歩をはじめる、だいじょうぶ、この馬は仕事を知っている。
朝最初にみたときは、どっから1番に入るのか分かんなかったんだけど、試走も見たことだし、おんなじように10番最終障害の向こうを通って、大きく左回りして向かうことにする。(右手前で入ると、飛んだあとトーホヘンカン(フライングチェンジ)しなきゃなんないしね。)
カーブしながら障害を見る。まっすぐ入ろう。いいリズムの駈歩だ、これなら心配ない。1番から私のキライなオクサー、高さは最初にしては十分高い85センチくらい。ヒラリと、オリアンダーが飛ぶ。
飛んだら、まっすぐ行って、6番の手前を曲がるまで十分な距離がある。体勢直して、推進しながら、180度くらい回転だ。微妙に真っ直ぐ入るのが難しいオクサーなんだけど、茶色い色した見慣れない障害なんだけど、グイグイと進めてって、飛越。

(↑6月15日 もらった写真を追加)
飛んだら、微妙に左に角度あって、3番の垂直へ。あいだ何歩かは、もう気にしてない。3歩か4歩まっすぐ行って、左に微修正して3歩か4歩ってとこだろ。垂直は飛べないわけがない、飛越。
飛んだら左180度回転。振り向くように次を見ながら回る。だんだん高くなってきて、七色したオクサー、思わず人のほうが見ちゃうよ。向こうに使役のメンバーが数人いるのが、出番の前から気に食わない。回転してから障害までが短いけど、向かえば、ブオンッて感じでオリアンダーが飛ぶ。
飛んだあと、体勢が前に崩れる。戻んなきゃ、座れ、次、右に角度振ってあって、垂直。ムリに急いで曲げるとこぢゃなくて助かった、イメージとしては4歩くらい真っ直ぐいくうちに起こす、そしたら右向けて、また4歩くらいって感じ。
アラアラと思ってるうちに、飛越。バーを落とさなかったのは、ほんと幸い。っつーか、オリアンダーにオンブにダッコだなあ。
どこでどうってハッキリしてるわけぢゃないけど、放送原稿を読み上げてるのが耳に入って来る。意外と冷静なのかも。「乗馬歴は6年」って、自分で書いた原稿なんだけど、「週イチなのに『6年』って言っていいのかなあ、トータルでも365日になってないだろうに」なんて思いながら乗ってたのを今でも思い出す。
5番から6番への回転が一番きつい。ラチ沿いまで行って、使ってない障害の向こうを通って、270度以上回る。どこから曲がるか、ラチと桜の木を目印にしといたんで、つい次の障害から目を離して外側も見ちゃう。回転を強く、強く。障害向いてからスピードアップしない。オクサーを飛越。
さあ、次が今日いちばんの課題。ラチのほうまで行って、左に大きく180度回転。最終的に曲がる前までに、強く、強く。10番の障害すれすれにカーブを切ってけば、7番の正面に入れるはず。これを弱く向かうと、次の連続が飛べないはず。でも、向いたら仕掛けない、そこで慌ててもリズム狂うだけ、カーブしたときに勝負はついている。
真っ直ぐ、真っ直ぐって思う。回転したあと内や外に傾いたままの駈歩で向かってはいけない。真っ直ぐ、前後のバランス正しく、シンプルな駈歩だ。
あんまり向こうの8番A・Bに気をとられて目を向けると、手前の7番を落としかねないかもって、下見のときに思ったんで、まずは直前のひとつに集中する、7番飛越。
1・2で起こす。うまくいったろ。次の1・2ではジッとしてる、8番のA=垂直を飛越、無心で続くB=オクサーを飛越。
また前に崩れかけるのを座りなおして、右へ回転。馬場の出口に向かうとこは要注意。オリアンダーは勝手に帰ったりはしないけどね。
それでも少し弱くなった気がしたので、ラチ沿いを右手前で進みながら、内側の脚をあらためてドンと一回入れる。「あと2つ!行くぞ!」 反応する、感じたらかえす、同時に右へ舵を切る。向いたら、左右に傾かない真っ直ぐな駈歩だけを心掛ける。100センチの垂直を飛越。

(↑6月15日 もらった写真を追加)
さあ最後だ、右に角度振ってある、4歩くらい真っ直ぐいって、ジワッと右に向けたらまた4歩くらいあるはず。100センチのオクサー、幅110センチだ、でかいな、最大の難関だ。
でも、もう細かいことは気にしない。向かって行けば、オリアンダーがすべてをわかっていてくれる。ドーンと大きくジャンプ。

(↑6月15日 もらった写真を追加)
(※あと10センチは楽勝だな、馬は。人は知らんけど…。それにしても、拳、ゆずれよ、俺。)

バー落とさなかったよな。飛んだらすぐゴールだから、減点なしで飛びきったんだよな。全部を上手に飛んだわけぢゃないけど、やりきった満足感がこみ上げる。
出口は反対側なんで、大きく馬場の外側を駈歩のまま走って退場に向かう。何度も何度もオリアンダーのクビをポンポンする。「オリー、偉いぞ、偉いぞ!よくやった!」 オリアンダーは、涼しい顔だけどね。
退場したら、軽く速歩して、ジャマになんないように試合会場の外に出て、常歩。「楽しかったなあ、オリー」って何度も言うんだけど、「そお?」って感じのオリアンダー。
最後の選手が終わったあとくらいに、クーリングダウンも終えて、厩舎に帰る。ポクポクしたオリアンダーの常歩の揺れが、いつも以上に気持ちいい。
手入れしてる最中に、結果発表。(どーでもいーけど、全選手の競技終了待ちの採点競技って、やっぱまだるっこしいな、私には。多くの球技みたいに、対戦式スコア競技のほうが、勝ち負けがすぐわかっていい。)
1位ナモンゼウス・美浦、2位エアサンタムール・美浦、3位オリアンダー・美浦。
美浦的には万々歳なんだけど、3位の私は飛びきった直後ほどの晴れやかな気分には正直なれなかったな。
だって、これで、平成20年クロス障害3位、平成21年部班競技3位、平成22年80センチ障害3位、(昨年は開催なし)そして今年も100センチ障害3位なんだもん。もうブロンズメダル要らないって(笑)
それはともかく、オリアンダーに乗って、(サラブレッドに)負けちゃいけないよね、って時間が経つたびに強く思う。
まあ、ヘタな飛びかたしたから、勝てるとは思ってなかったし、並みいる強豪が障害落としたりしてるなかでの、減点ゼロ・3位なんで、健闘したのは確かで、これ以上のゼータク言っちゃいけないのかもしれないけど。
(※6月9日付記 3人出て3着独占できたんで、来年うちの若手たちが大勢出たがったときに、また原則を超える多頭数出しを認めてくれるんぢゃないかと、期待している。だったら3位になった甲斐もあろうというもの。)
しばらくしたら、結果表が貼り出されたんで、見てみる。
火曜日ここに速報として書いたとおり、飛越の部94点、誘導の部105点である。
飛越は、飛ぶたんびに前のほうに崩れて、正しい位置に戻るの遅かったからな、しかたない。
要は、拳が馬の動きについてかないんで、肩・ヒジ・拳が助走の姿勢でロックされたまま飛ぶもんだから、そのまま上体が前に倒れてんだよね。わかっちゃいるけど、直せない。直すも何も、場数の問題である。90センチから上のカラダの使い方、知らないまんまに試合に出てんだからね、しょうもない。
そもそも、1ヵ月にわたる直前の集中練習でも、うまく飛べた、こうやって飛べばいいんだ、って思えたことはない。いつも、飛び越えてはいるんだけど何だかなー、とか、もうちっとスムーズというかカッコよく飛べないのかねえ、とか思う毎日であった。つまり私は目の前に障害があるから無理やり飛んではいるけれど、正しい飛びかたを今もって知らないでいる。
ただ、誘導については、二年前の80センチでグダグダだったんで、今回まあまあなのは満足している。
反省しつつも、結果表ながめながら、なんか主張するとこねーかなって思ってたら、あった、あった。
タイムが84秒18で、基準の85秒からは0.82差でかつ内輪のもの。これは障害減点ゼロの人馬のなかでは最高である。
「えー?ハンターシートだったの?聞いてねーなー!(普通のルールだったら俺の勝ちでしょの意)」って言ってみることにした。
もちろん冗談だけど、私自身はそのペースで走行できたことに満足はしている。
それにしても、また当分、オリアンダー様には、頭が上がんねーなー。

※おととしのハンターシートは、10点から0.5ずつ減じていった得点だったのに、今年の採点結果は100点前後だったから、ハンターシートの採点がどうなされてたのか知らなかったんだけど、帰ってきてから採点表をもらったら、飛越・誘導とも170点満点だった。
それで94点と105点かよって気もするけど、実際のところ、良くても付くのは7点が相場だから、119点満点みたいなもんだとは思うんだけどね。
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