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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

門番の飼猫

2015-07-09 22:37:48 | 読んだ本
E・S・ガードナー/田中西二郎訳 昭和52年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
前回に引き続き、ミステリもの。
ペリイ・メイスンシリーズは、スピード感あって、会話のやりとりが多くて、サクサク感が読んでて楽しい、新幹線や飛行機のなかで読むにはかなりいいって再確認してる昨今。
今回の依頼人は、「脚がわるくて、気むずかしやで、ペルシャ猫は飼ってるが金はない、という男」、門番のアシュトンさん。
アシュトンの主人だったのは、弁護士で、守銭奴だという評判だった、ピーター・ラクスター。彼は別荘の火事で焼け死んでしまう。
孫が三人あって、サミュエル・C・ラクスターと、フランク・オーフリーの二人は遺言状によって、遺産を相続する。もう一人の孫娘のウィニフレッド・ラクスターは相続から除外された。
それと同時に、遺言状には、門番のアシュトンにずっと死ぬまで勤めさせるという条項があった。
で、アシュトンは、クリンカーって名前の猫を飼ってたんだけど、遺産相続人であるサム・ラクスターが、その猫を追い出せと言い出したんで、メイスンのとこに相談にきた。
メイスンは、猫を追い出すんだったら遺言状そのものをぶちこわすぞと宣戦布告をして、「猫のためだ」なんてうそぶきながら、争いに参戦する。
相手方も、悪徳弁護士と評判名高いやつを雇ってくるし、そのほかにもひと癖もふた癖もある関係者を巻き込んで騒動は広がっていく。
んで、例によって、殺人事件に巻き込まれていくんだが。
放っときゃいいのにって周囲の意見をよそに、メイスンは、
>金なんぞ何だ! 殺人罪で訴えられた男が金持ちだったら、おれはたっぷり報酬をとってやる。もしできるだけの努力をして生活とたたかっている人間が苦しい立場に立って、無実の罪で訴えられた場合には、おれはその人間のために機会を与えてやりたいんだ
とか言って、門番のためだか猫のためだかわかんないけど、熱意をもって、バトルに臨む。
そんなことの引き起こす展開について、メイスンと懇意の探偵ポール・ドレイクが、
>きみの事件で一つだけ困ることは、登場人物がよく眠る暇のないことだね
って言うんだけど、メイスンはおかまいなし。
危ない橋を渡ることないっしょっていう、毎度毎度の秘書の意見に対する反論も含めて、ドレイクに対しても、
>おれは法律家じゃない(略)内職にやってるだけさ。おれは実は冒険家なんだ
なーんてウソぶく。


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