ゲームホリック

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メディアとしての中古ゲーム店

2009年06月11日 | ゲーム
テレビゲームは今でこそ文化だ、作品だという声が大きくなってきていますが、黎明期においてはもちろんゲームは文化なんて大それたものではなくて、ゲーム産業を今の形にした任天堂にしてもゲームは子供の玩具であるという姿勢は今でも崩していません。たびたび海外のメディアに取り上げられ、著名な宮本茂さんもご自分のゲームを”作品”ではなく”製品”であることを再三強調されています。

ゲームが製品であった時代において、それは多くの消費財と同様に日々消費されてゆく類のものであり、保存されるべきなどとは考えられません。何と言っても子供の玩具なのですから、飽きたら、子供が大きくなれば捨てるまでです。でも現実としては、子供の玩具であったテレビゲームは捨てられることは少なく黎明期のファミコンですら未だに容易に購入することが出来ます。


何故そんなことが可能になったのかといえば、もちろん「ゲームが売却できた」からです。中古ゲーム店があったからです。新品としてリリースされたゲームはいつまでも生産続けるわけではなく、廃盤となれば流通から消えてしまい、それ以上新規のプレイヤーはそのソフトをプレイできなくなります。生産数の少なかったソフト、いわゆる糞ゲーと呼ばれるソフトをはじめとして、多くのソフトが新品とは別の流通で生き延びることが出来ました。

もしも”中古ゲーム屋に売却する”という選択肢・価値観が無ければ、今現在過去のゲームは遊べたのか、という疑問があります。中古ゲーム店という受け皿が無ければ、不要とされてしまったゲームは廃棄されていたと想像されます。また仮定での話しになりますが、仮に中古ゲームという市場が無かったら今のような巨大なゲーム産業が形成されたかどうか。定価の新品ゲーム、中古ゲームという価格の幅が生まれたことも幅広いユーザーを育てたのだと個人的には想像します。



文化になった今となってはそういった中古ゲーム店の機能に依存をせずとも、大学などの研究機関やもしくは一般のゲームオタクの人たちが個別にアーカイブスを持っています。そういう意味では中古ゲーム市場はもういらないかも知れません。またユーザーの視点に立ってみても、過去のゲームは今やダウンロードで安価に入手できるインフラ・サービスが整いつつあります。そういう意味でも中古ゲーム市場はもういらないかも知れません。



ただそうは言っても、ゲームにあまりお金をかけたくないライトユーザー、かけられない若年層には新品よりも安く入手できる貴重な手段だと思います。基本的にゲームは新品で購入しますが、新品在庫の入手が難しいレアソフトや定価を出してまで欲しいとは思えないソフトなどを購入する場合は中古ゲーム店で購入します。また良い感じで在庫密度を持った中古ゲーム屋さんでゲームを購入する楽しみというものは、大手量販店やアマゾンでゲームを買うことでは得がたい良さがあると思うのですが。

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