同じ人と一日のうちで三度会う・・・、
藤沢の売り場に立っていて、ニコッと笑ってくれた幼い女の子。
お母さんは不機嫌そうに、ぐいぐい子供の手を引いて通りすぎたのに。
休憩時間に、階段の踊り場でまた会った。
女の子は私を見て、今度は不思議そうな顔をした。
私がはにっこり会釈をすると、女の子ははしゃいで数センチ飛び上がった。
「何してるの!」
お母さんの鋭い声、
何にもしてないのに、只嬉しさを体中で表現しただけなのに・・・。
帰宅時、ホームでまたさっきの親子を見かけた。
おかあさんは大きな紙袋を下げ女の子を抱きかかえていた。
女の子は寝ているようだった、重そうー。お母さんは大変だ、
にこにこばかりしていられない。
でもにこにこしていなければ。
そっと近くまで寄って、女の子の寝顔をお母さんの後ろから覗いた。
口をぽかんと開け、汗をかいて、それでも安心しきった顔をして夢の中・・・。
『良かった』
私は何にホッとしたのだろう。