数日前、駅の構内でトラブルに見舞われた。
朝の仕事場に向かう人の波の中で、突然前の人が立ち止りかがみこんだ。
とっさのことで私はその女性にからだがぶっかり立ち止まった。
「すみません」と自然に謝った。謝ってしまった。
「なにすんだよう!」連れの男性が叫んだ。二人は70代と思えた、
意味が解らない、私は普通に歩いていた、
前の女性は「距離見ればわかるでしょう!」とこれも意味不明なことをいう。
よく見ると女性は足が不自由のようだ。
靴が大きすぎるようで脱げしゃがみこんだようだ。
「私は何もしていませんよ」と静かに。二人の目を見ていった。
怒りは収まらない様子の二人に、私はかまっている時間はなかった。
「でも、謝っていますよ、取り敢えず、ぶつかりましたから」
静かに、でもきっぱりと続けた。
「それ以上どうしたらよろしいですか、仕事場に遅れる訳にはいかないのです」
「気オ付けろー」
捨て台詞を吐き二人は立ち去った。
次の日の朝も、鎌倉で老人にお寺の場所を聞かれお供をした。
炎天下、全く正反対に歩いてきた男性はケイタイもメモの類も無く
「こうそく寺」とつぶやくだけだった。
鎌倉には同名のお寺が二つある、いくつかの質問をして
電車に押し込んだ。心なしか、手にしていた花がしぼんで見えた。
あと5,6年もしたらこんなことは日常茶飯事に、
いやもうその状況に入っているのかもしれない。
老人が街に溢れ、何よりも、私もその一人で、誰かに迷惑をかけていて・・・、
イヤダ、考えたくない。
ちゃんとする、します。
私はちゃんとしたいです・・・。