ゲッチョのコラム

カマキリ広報パートⅡからゲッチョのコラムにタイトル変更しました。再開します。よろしくお願いします。

「ちりぼたん」掲載

2020-10-04 11:48:56 | イベントその他
小さい頃、最初にはまった生き物が貝だった・・・と言う話は何度も書いた。
『ぼくは貝の夢を見る』(アリス館)は、そのころの記憶をもとにして書いた本だ。この本の中に、中学生時代に出会ったイガワ君が登場する。イガワ君は、僕の身の回りにいた、唯一の貝に興味を持っている少年だった。そして彼は日本貝類学会の『ちりぼたん』という会誌を購読していて、ひどく僕を感心させた。

僕はどちらかというと、生き物の特定の分野の専門家にはなれない体質のようで、当時もそうした専門的な団体に所属しようという気をおこすことがなかったし、その後も貝も徹底的に集めたり調べたりする方向には進まなかった。

それからだいぶたって。大阪自然史博物館のマキコとあれこれしているときに、当時高校生だったヒラノ君という貝屋を紹介してもらった。高校生ながらばりばりの貝屋で、これまた僕をひどく感心させた。何度か沖縄の貝を送ったが、その後なんとなく交流がとだえた。
ところが、しばらく前、彼からこのブログをみたよという連絡がきた。なんでも今は東北大学で貝の研究を続けているらしい。で、琉球列島のカタツムリ化石を調べているのだとか。彼が僕のブログに気づいたのは、何かを検索していて、このブログの中で、喜界島の化石カタツムリを紹介しているのにいきあたったからだという。
何度かメールのやりとり。
彼に喜界島の化石カタツムリのポイントをいくつか知らせる。
で、その結果、『ちりぼたん』に報告が載ることになった。中学生のころに仰ぎ見ていた雑誌だなあと、個人的には、感慨が深い・・・。



本当は春、ヒラノ君が学会で沖縄にくることになっていて、再会を楽しみにしていたのだけれど、このコロナで流れてしまった。喜界島を始め、離島もしばらく訪れることができていない。
また、そうした今を、「ああ、あのときは」と振り返る時がくるのだろうか。