ゲッチョのコラム

カマキリ広報パートⅡからゲッチョのコラムにタイトル変更しました。再開します。よろしくお願いします。

ドゥーチムニー(独り言)

2019-09-20 20:35:49 | イベントその他
県内高等教育機関の学長・校長(高専)があつまり、米軍のヘリ・航空機が高等教育機関の上空を飛ばないように要請書を提出したことの共同記者会見をする(ただし今のところOISTは入っていない)。
ほとんどほかの先生方の話されることを聞く形であったのだけれど、考えることがあった。
もともと、この要請は15年前の夏、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落したことに端を発している。このとき、僕は沖縄国際大の非常勤をしていた。ちょうど夏休みだったので、僕はこのことは新聞で知るばかりだったが、ふだん授業をしている校舎の向かいの校舎がヘリによって破壊された事を知って、ぞっとした。
これはオリンピックの頃だった。
手に取った新聞の一面は、ヘリ墜落とオリンピックがわけあっていた。それを見て、県外の新聞ではおそらく、ヘリ墜落の記事はもっとずっと押し込められたところにあるだろうという思いをもった。
子どもの頃、オリンピックに夢中になった時期がある。
やがて、距離があき、たまたま目にとまった競技や選手に注目するぐらいになった。
しかし、このときからオリンピックは、もう見ることがないものとなった。
来年、またオリンピックがやってくる。そのカゲで押し込められてしまう物が多くあるだろう。いや、すでにそうなりつつあるのだろう。

やんばるでの出合い

2019-09-20 20:30:37 | イベントその他
やんばるの森へ。
ちょっと、悩ましい問題で頭がぐるぐるしている。森の中でも、しばらくは、だめ。1時間ほどうろうろしていたら、ふっと、セミの声が耳に入った。いや、それまでも鳴いていたのだけれど、セミの声さえ耳に入っていなかった。
とらわれすぎてはいけない・・・と思う。
と、落ち葉の中に、白いものが。小さな菌だ。ハナサナギタケ?とりあえず手にとって、ルーペでみてみる。

ああ。ちゃんと子のう殻がついている。

先端のとがった白い子のう殻のついた子実体。以前、この森で見たことがあるけれど、種類がわからなかったものだ。ホストは菌糸におおわれていてよくわからないが、おそらく鱗翅類の幼虫だろう。
これでようやく目がさめる。
とはいっても、また気づくと同じことをぐるぐる考えたりしているけれど。そして3カ所の森で、結局これしか見つからなかったけれど。それでも、森の中で、ずいぶんと癒やされた。

台風15号の脅威

2019-09-20 20:21:31 | イベントその他
9月9日月曜日
台風が千葉を襲った。徐々にその被害の大きさを伝え聞き、驚く。実家に電話をすると、実家も停電、断水中。しかし、沖縄から身動きがとれない。ようやく、木曜日の夕方の会議を終えて、非常食を買い込んだザックとともに上京。翌金曜日の朝のバスで館山へ。
途中はさほどひどい状況にみえなかったが、鋸山をこえたあたりから、木々が倒れている様が目にとまる。実家につくと、案外、被害はない。母親もデイケアの人のお世話のおかげで、割と平静。幸い、実家辺りは、木曜日には水も電気も復旧していた。外回りの掃除をして、買い出しをして一休み。自転車で周囲をめぐってみる。同じ館山でも、洲崎や西岬あたりは、かなりひどい。屋根が本当に吹き飛んでいるような家もあるし、瓦が落ちている家はそこかしこに見られる。
土曜日に又、大学の仕事が入っているので、夜の内に東京へ。
沖縄に戻ると、自由の森の卒業生で、千葉で農家をしているタツヤから電話。「実家、館山?水、大丈夫?とどけようか?」そんな内容。本当にありがたい。幸い、断水は復旧したから・・・と話す。
いつ、どんな形で自分が災害の当事者になるかわからない時代になっている。

授業 in 神奈川県

2019-09-20 20:15:10 | イベントその他
週末、神奈川の風の谷幼稚園の卒園者向け、科学教室へ。
もう、この活動へ関わってから何年たったろう?
一番最初は、自由の森で最初に担任をしたクラスの生徒の子どもが園児になって、その子が卒業をしたときに、こんな話がもちあがり・・・だったっけかな。
今回、担当したクラス(一回のクラスが3年間で1クールの科学教室のプログラムを体験する仕組み)も、今回で最後。上京ついでに、千葉の母親の所にもよって・・・と思っていたら、どうやら台風直撃。で、土曜日の朝一に上京し、授業を行って、その日の最終便で沖縄戻りというばたばたの日程に(母親の所にはよれずじまい)。
今回の授業は、「化石の教室」。

アンモナイトのレプリカを作り、化石の正体あてをしながら、化石とは何かを考えて・・・。
大学でも、一部似たような内容の授業をしているのだけれど、大学生より、風の谷を卒園した小学生のほうが、生き物のことは、よく知っている!
授業には、自由の森の卒業生(とはいっても、まったく教えたことのない世代)で、現役大学生のルリも見学にきていた。
園長先生からは「だれか幼稚園の先生になりたいと思っている、骨のある若者、知らない?」と聞かれる。風の谷の先生、なりたいと思う人、いませんか?

読谷へ聞き取り

2019-09-05 22:21:18 | イベントその他
久しぶりに、聞き取り調査の機会がある。
トーヤマ先生と一緒に、読谷へ。
話をうかがったのは昭和3年生まれというIさん。亡くなった父と同年生まれの方だが、90を越えてなお、耳もご達者だし、記憶力も抜群。1時間半、あれこれ語ってくださった。
おもしろかった話の一つが、カイコのサナギをトーヤマーと呼んで食用にしていたという話。
沖縄ではガのサナギをつかっての遊びがあって、このとき「トーヤマーヤガ、ヤマトマーヤガ」と唱えるのだが、これに由来するらしい。
ちなみにトーヤマヤガ~というのは「唐はどっち?大和はどっち?」と言う意味。サナギの頭をつまんでお尻を上にむけると、お尻がぴくぴく動いてとまるので、「中国の方をさしてごらん~」とはやすのだ。
ずいぶん前に『ぼくらの昆虫記』という本に書いたけれど、これは日本で「西どっち?」とサナギをはやしたてて遊ぶのと、同根の遊びだ。
西・・・は西方浄土をさしているのだけれど、琉球王府時代の「唐」という言葉も、中国だけでなく、異国全般、ひいては異界をさす意味合いもあったよう。
このところ、あらためて虫をめぐる文化にも興味があるので、このやりとりが印象的だった。
写真はIさんのお住まいの集落の井戸。

井戸の説明を読むと、赤ちゃんが生まれると、この井戸でとった小エビやカニを赤ちゃんの上に這わせて健康を祈るなんていうこともしていたとのこと・・・。