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☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『ハーメルン』(2013)

2013年09月11日 | 西島秀俊さん☆映画
『ハーメルン』(2013)



坪川拓史監督、西島秀俊さん(野田)、倍賞千恵子さん(リツコ)、坂本長利さん(校長先生)出演。

【STORY】
廃校となった学校で一人静かに暮らす元校長と、過疎が進むその村の人々の記憶を幻想的に描き出すヒューマンドラマ。

【感想レビュー】@theater
映画の中では、とってもゆったりとした時が流れています。

圧倒的な映像美で、一足早くすっかり秋を体感しました

昭和村の美しい風景に溶け込むような、俳優陣のほっこりした衣装もとても素敵でした

赤や黄色の紅葉も、もちろん素敵でしたが、雪景色もまた…

西島さん演じる野田が一歩一歩、雪をキュッキュッと踏みしめる音が、静かに響きます。

パッヘルベルの“カノン”の健やかで浄化されるメロディーと、ドビュッシーの“小さな羊飼い”の冒頭の異国情緒漂う浮遊するメロディーとが、繊細で感受性の強い野田少年の心の冒険を映し出しているようで、その表現の対比がとても印象的でした

そして、小学校の廃校や大切な人との別れという状況を、静かに受け止める登場人物達。

始めは“ふにゃふにゃ”の“カノン”のアンサンブルが、最後はどうにかこうにか、エネルギーを感じさせる“ふにゃふにゃ”でない“カノン”へ…

ぽっかりと空いた心に、“カノン”が優しく響きます

音楽を愛している監督のお気持ちが作品に溢れていて、とっても幸せな心地になりました

人々の想いや祈りが重なり、そして一面に拡がっていくような、希望を感じさせるラストだったと思います

いちょうの木!!

美しかったです



『田園詩』(1976)

2013年09月11日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『田園詩』(1976)

オタール・イオセリアーニ監督、ナナ・イオセリアーニさん、Kale Rezo Charkharashvili、Musicians Tamara Gabarashvili。

【STORY】
リハーサルのために田舎を訪れた弦楽四重奏団と村人の交流を通して、自然と人間をみずみずしいタッチでとらえ、祖国への思いをつづった映像叙情詩。

【感想レビュー】@theater
ロシア映画傑作選がシネマヴェーラで始まっています。

牧歌的な風景。

宿の素朴な娘を始めとする、そこに住む人々の日常。

弦楽四重奏のリハーサルで訪れた、70年代ファッションに身を包む都会の若者達が非日常を持ち込みます。

ニワトリのけたたましい鳴き声や山羊の群れ。

着いてすぐのアンサンブルに目を輝かす子ども達がとっても心に残りました


都会の生活やその人々と田舎の生活やその人々の是非を問うような作品では無く…淡々とグルジアのとある夏の様子を映し出していく。

そんな風に思いました。

ドン・ジョバンニのアリアが少しだけ流れるのも印象的です

一夏の爽やかな交流と思い出…


オタール・イオセリアーニ監督と言えば…。

西島さんは以前、俳優だけでなく他の事もしないとお前はダメになる、とご指摘されたそうで…。

オタール監督作品を観れて良かったです