☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『愛の記念に』(1983)

2013年11月14日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『愛の記念に』(1983)

モーリス・ピアラ監督、サンドリーヌ・ボネールさん、エヴリーヌ・ケールさん、ドミニク・ベズネアールさん、モーリス・ピアラさん、アンヌ=ソフィー・マイエさん、マイテ・マイエさん、クリストフ・オダンさん、ジャン=ルー・ラジョさん、シール・ボワタールさん、シリル・コラールさん出演。


【STORY】
日本で公開された初めてのピアラ作品。キャスティングを担当していた名スカウト、ドミニク・ベズネアール(本作で兄役も演じている)によって見出された新人女優サンドリーヌ・ボネールは、他の候補者を押しのけヒロイン役に抜擢され、その天才少女ぶりを発揮。また、ピアラ自身が監督・脚本のみならず、厳しくも愛情深い父親役を演じている。
シュザンヌは15歳。リュックという恋人がいるものの、他の男たちとも奔放に付き合っている。 毎晩のように男友達と連れ立って遊び歩く彼女は、家族にとっては疎ましい存在だ。 ある夜遅くに帰宅したところを父親と鉢合わせたシュザンヌ。しかし、そこで初めて2人は一対一で向き合い話をしたことで、 いつになく親しみを感じ合ったのだった。(公式サイトより)

【感想レビュー】@theater
ラスト、どんどん作品のテンションが昇って行く様は圧巻でした!!

パーセルの“ザ・コールド・ソング”の調べに乗って…

この曲、好きなのです

和声の一つ一つの変化と共に、狂おしく緊張していき、昇っていく感じ、そしてふと溶けて、救われる感じ、本当にたまらないです


そして!シュザンヌの魔性ぶり、生々しかったです。

何か実際に、男性を翻弄するかどうかは別にして、女性の中にある本質的な性とと言うか…、本能にも思えて怖かったです…

でもそれは、自分が“どうでもいい”と思っている男性、そして自分の身体しか見ていないような男性に向けて、強烈に発揮される女性性…のような

家族の中で起きる、ヒステリックなシーンは、誇張された表現が面白かったです

父役が、監督なんですね。
ラストの方で、いきなり帰ってきて、言葉でメチャクチャにするシーン、凄かったです。
えぇっ、ここからそんなエピソード入れるの…⁈っと。
それで、バタバタとラストに向かうのですが、まだまだ息をつかせてはくれません。…えっ⁈…ってなるシュールさが残されてます

でも何もかも、パーセルの調べに乗って、浄化されて、作品が昇華されて行くようで不思議です


今回、ピアラ特集の4本を幸せな事にすべて観れました
こういう見方は違うのかもしれませんが、『愛の記念に』→『ポリス』を観た事で、その後の作品である『悪魔の陽の下に』がより分かったというか、しっくりきたように思います。

心の中に巣食う悪しき側面…。
悪魔…。
罪深さと懺悔…。

真の安らぎとは…?



やっぱり監督作品特集は、同じ監督の作品が何本か観られるので、偏った印象を持たずにいられるのが魅力です



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2 コメント

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モーリス・ピアラ (PineWood)
2016-02-17 03:23:20
名画座でヴァン・ゴッホ→ポリス→愛の記念に→悪魔の陽の下で、の順番で見ました。愛の記念には初めて見ましたがどの作品にも驚かされます。愛の記念にで父親役がピアラ監督自身と知ってなおさら!いい役者ですね。エリック・ロメールや洪サンス監督作品と共通性があるのですが、更に過激なハイテンション振りが凄いです。(outside in Tokyo )の映画座談でその悪戯な邪悪さ振りは黒い太陽とか黒い悪質なエネルギーと評され、愛の記念にのラストシーン近くの父親帰還シーンが実際にも映画の如く唐突に撮影されたというエピソードが紹介されています。ラストでサンドリーヌ・ボネールが旅立つシーンが素敵でした。
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Re:モーリス・ピアラ (kakkochiman)
2016-02-17 13:44:45
コメントありがとうございます。
outside in Tokyoのお話しも興味深く拝読致しました!
ピアラ特集は数年前に観たのでおぼろげな記憶ではありますが、『愛の記念に』では、作品そして父親を演じる監督のエネルギーに圧倒され、心がザワザワしたのを覚えています。ラストも素敵でしたね。
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