☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『グロリア』(1980)

2016年01月31日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『グロリア』(1980)

監督:ジョン・カサヴェテス
ジーナ・ローランズ
ジュリー・カーメン

【作品概要】
 マフィアの重大な秘密を売ろうとして惨殺された一家から男の子フィルを助けた中年女グロリア。しかし問題の秘密はフィルが持ち出していたことを知ったマフィアは少年をかくまったグロリアをも狙い始める。子供嫌いなグロリアは生意気なフィルを見捨てようとするが、次第に母性本能が芽生え必死になってニューヨークを逃げまわるが……。リュック・ベッソン監督作「レオン」の原形とも思えるハード・ボイルド映画。(Yahoo!映画より)

【感想レビュー】
冒頭、セクシーな女がショッピングカートに大量の荷物を入れてバス乗っている。そのシーンだけで、なんだかこれから面白そうな展開が待ち受けていそうとワクワクする…が、徐々に不穏に…

『レオン』は十代の頃、好きで何度も何度も観た映画。『グロリア』その原形だそうだ。知らなかったからびっくりしました。『レオン』から入っている私としてはちょっと複雑な気持ちで観たのだけど…
男と女の子の方は『レオン』、そして、女と男の子の方は『グロリア』だ。
男の子の年齢設定が6歳で小さ過ぎるのと、男の子だからか精神的にもまだ幼い感じなので、二人の関係性は丁寧に描かれているものの何だか少し物足りない…
それで、ちょっとうーんって思うのだけど、予測する展開が毎度毎度少しずつ早くて、展開の瞬発力が半端ないので、飽きずに観続けられるパターンなのです

ジーナ・ローランズの煙草のふかし方、ヒールでカツカツ歩いている姿、もうその存在感たりや…
発砲するシーンは、毎回格好良かったな


『マイキー&ニッキー 』(1976)

2016年01月29日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『マイキー&ニッキー』(1976)

監督:エレイン・メイ
ピーター・フォーク(マイキー)
ジョン・カサヴェテス(ニッキー)
ネッド・ビーティ(キンニー)

【作品概要】
組織に切り捨てられ命を狙われる羽目になった男と、彼の幼なじみで同じ組織に属する男の一夜の逃避行を描いた人間ドラマ。夜の町をさまよう腐れ縁ともいうべき親友同士を、インディペンデント映画の巨匠ジョン・カサヴェテスとテレビドラマ「刑事コロンボ」シリーズのピーター・フォークという、実生活でも盟友であった2人がおかしくも切なく演じる。(Yahoo!映画より)

【感想レビュー】
おぉぉ…なんてフラストレーションのたまる映画なんだと思いつつ、それでも観続けたのは…きっとその瞬間がいつ来るのか待っちゃったからかなぁ…などとふり返りつつビールを飲みながらブログを書いています

幼なじみの二人の男の関係性がとってもとっても繊細に描かれていて…要は小出しなのですが…

カサヴェテスの演じるニッキーが、組織に消されるのではないか、という不安感から突拍子もない言動行動を繰り返すので、一見すると彼に狂気性を感じるけど、逡巡しながらも親友を粛清しようとするマイキーの方が実は狂気性が宿っているのではないか…と思ったりしました。

知り過ぎるほど知っている仲だからこその憎しみ…。怖いですね…。フレネミー…って女性間だけでなく男性同士もあるのか…

陳腐な内容になっていないのは、やはり繊細な展開と繊細な俳優陣の演技かなぁと思いました

『禁じられた歌声』(2014)

2016年01月23日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『禁じられた歌声』(2014)

監督:アブデラマン・シサコ/出演:イブラヒム・アメド・アカ・ピノ、アベル・ジャフリ、トゥルゥ・キキ
2014年/フランス・モーリタニア映画/97分/DCP/配給:レスペ

【作品概要】
西アフリカ・マリ共和国のティンブクトゥで、少女トヤは、父キダン、母のサティマ、牛飼いの孤児イサンとつつましくも幸せな生活を送っていた。しかし街はいつしかイスラム過激派のジハーディスト(聖戦戦士)に占拠され様相を変えてしまう。兵士たちが作り上げた法によって、歌や笑い声、そしてサッカーでさえも違法となり、住民たちは恐怖に支配されていく。影のように潜みながら生きていく者がいる一方で、尊厳をもってささやかな抵抗を試みるものもいた。が、悲劇と不条理な懲罰が繰り返されていく中、トヤの家族にも暗い影がすこしずつ忍び寄り、ほんの些細な出来事が悲劇を生もうとしていた…。世界遺産にも登録されている古都ティンブクトゥの美しい砂の街を舞台に、愛と憎しみを通して、人間の「赦し」とは何かを描いた壮大な叙事詩。(ユーロスペースHPより)

【感想レビュー】@theater
イスラム映画祭で見逃した作品をようやっと観てきました

スーッと流れていく展開に引き込まれて観ました。時代の流れにじっと耐え、心の芯から湧き上がる思いを歌や音にかえ、精一杯の抵抗を試みるタマシェクの人々。
イスラム映画祭でかかった『トンブクトゥのウッドストック』で、同じ地域の問題を垣間見ていたことで、理解しやすい部分が沢山ありました。
男性は尊厳の象徴である鼻をベールで隠すことが多いことやイスラム世界では珍しい女系社会なことなど。
また、貧困から抜け出すために過激派の手先になってしまう若者達の存在。
負の連鎖は止まらない。。
イスラム過激派に、真のコーランの教えを諭す宗教指導者のシーンは、とても印象的でした。
エアサッカーをするシーンも美しく、気高く…グッときました。
美しい砂の街を捉えた映像の美しさと強いメッセージ性が共存する作品でした

『復活の日』(1980)

2016年01月10日 | 邦画(クラシック)
『復活の日』(1980)

原作:小松左京
監督:深作欣二
出演:草刈正雄、オリビア・ハッセー、ジョージ・ケネディ、千葉真一、緒方拳

【作品概要】
 小松左京の同名SFを映像化。1982年、東ドイツの研究所から猛毒ウイルスMM-88が盗まれた。ところが盗み出したスパイの乗った飛行機はアルプス山中で事故に遭い、ウイルスが蔓延した地球は、南極にわずかな人類を残して滅亡する。その生存者の一人、地震研究者吉住は、さらに大きな危険が近づいていることに気づく。アメリカ東部に大地震がおきる可能性があり、それは核ミサイルの発射を誘発するものだった……。(Yahoo!映画より)

【感想レビュー】
久しぶりに感想をUP

ネットレンタルで観たのですが、夏八木勲さんの出演作品の旅でチェックしていたのが忘れかけていた頃に送られてきたものです

ストーリー設定といい、登場人物の多さといい、ロケ地といい、スケールの大きい作品でした
潜水艦のシーンにもテンションがあがったなぁ
いやぁ、それにしても面白かったです‼ 現実にこんな事になったら…怖いけど…と思っていたら、北朝鮮の水爆実験のニュースが入ってきて…、改めて考えさせられました…。

映画としては、細々と辻褄が合わないところとか、ツッコミどころ満載ですが、そんなことを吹っ飛ばす面白さでした(なんなら逆にそういうところも含めて面白かった…!)

結局、冷戦の影響で世界が破滅していくわけだけど、タイトル通り、一筋の希望があるわけで、そこはSFといえど救いでした。
人が作り出したウイルスによって、ではあるけど、どんなに社会的権力があっても、ウイルスから逃れることは難しく、等しく死が訪れる様子や、権力の象徴的な衣服を纏ったまま骸骨になっている様子、ラストの廃墟となった教会、ボロ布を纏ったヨシズミ(草刈正雄)が丘をヨタヨタと歩き進めるシーンなど、第七の封印を彷彿とさせるものがあって、引き込まれました。。

音楽も良かったし、とにかくスケールの大きさに、こんな日本映画もあったのかとびっくりしました

あと、草刈正雄さんのお若い頃のルックスが伊藤英明さんに似ていて、そこにもびっくりもしました