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『水の影』 (2019) Shadow of Water @東京フィルメックス2019

2019年12月01日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『水の影』 Shadow of Water

【作品概要】
インド / 2019 / 116分
監督:サナル・クマール・シャシダラン (Sanal Kumar SASIDHARAN)

マラヤラム語映画界の俊英シャシダランがインドの女性問題を3人の登場人物に凝縮して描いた問題作。若い男がガールフレンドを連れ出し、先輩格の男の運転する車でドライブに出るが……。ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で上映。
(フィルメックス公式ホームページより)

【感想レビュー】
観てから1週間ほど経ちましたが、思い返しては胸が塞いでおります。。

涙、雨、シャワー、川を流れる水、滝壺に激しく落ちる水。
ほぼ全編、あらゆる水の音、それらの表現の多彩さが凄まじい映画でした。

ドライブ中に、若い男が車からガールフレンドのストールを戯に落とすフリをしつこく続けるシーンも、

先輩格の男が川で素潜りして魚をたくさん捕まえ、川岸の女性に向かって次々と投げるシーンも、

女性からしたら苛立ちしかない…。
彼女はただ、ただ泣くばかり。
なすすべもなく泣くばかり。

男性に対する女性の積年の苛立ち、嘆きが比喩的に描かれていました。

そうかと思うと、先輩格の男に酷い事をされたにも関わらず、妙に従順に彼に付いて行く女性も描かれています。

そこには、積年の根深い苛立ちがありつつも、男性に従順になってしまう、あるいはならざるおえない、という病んだ社会の深い絶望を感じます。。

インドの女性達の性の孤独さに思いを致します。

でもこれって…。
現代の日本でもグラデーションこそあれど、ある問題だよなぁと思いぐるぐる考えております

結局、性のことはなかなかオープンにはならないので、どんなに親しい人が悩んでいても、それを察するのは難しい。。

鬱屈した表現が続きますが、116分を感じさせない、最後まで、結局どうなるの!?と、惹きつけられる映画でした



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