☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『楽園の瑕 終極版』(2008)

2013年12月25日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『楽園の瑕 終極版』(2008)

ウォン・カーウァイ監督、レスリー・チャンさん、トニー・レオンさん、ブリジット・リンさん、マギー・チャンさん出演。


【概要】
1994年に発表した「楽園の瑕」を、監督自ら修正・再編集して映像と音声をデジタル・リマスターした。ウォン監督自身の意思で「終極版」ではアクションよりもドラマに重点を置いた内容に作りかえられた。2003年に死去したレスリー・チャンへの追悼の意を込め、チャンの出演シーンを増やしていることも話題となった。(映画.comより抜粋)

【感想レビュー】
ようやく観ました

先日、1994年な『楽園の瑕』を観た時に、終極版の方が見やすいよ、ってお話を伺っていたのです

確かにナレーション?とか台詞も少なかったし、画像も綺麗で、全体的にスッキリして観やすかったです


仏典曰く 旗なびかず、風なし
揺らぐは人の心なり



このナレーションから始まるのですが、これを読むだけで、心が安らぎます

それでまた、監督の脳内イメージを観るような感覚の映画で、音楽も癒されて本当に心地よく…
(心地よ過ぎて寝そうになってしまいましたが…

トニーさんのご出演時間が確かに減ってましたけど、それでもいきなりのキスシーンはありました
94年版と…違うテイク?と思いつつレンタルで借りているので、確かめられないのですけども

やっぱり、馬が出てくるシーンは見応えありました!!
格好良かったです!!


『台湾アイデンティティー』(2013)

2013年12月15日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『台湾アイデンティティー』(2013)

酒井充子監督、高菊花さん、黄茂己さん、鄭茂李さん、呉正男さん、宮原永治さん、張幹男さん出演。




【概要】
台湾の<日本語世代>と呼ばれる老人たちを追った「台湾人生」の酒井充子監督が、再び彼らの人生と戦後台湾の埋もれた年月を見つめ直すドキュメンタリー。舞台を台湾、ジャカルタ、横浜へと移しながら、日本統治時代を経て、第二次世界大戦、二二八事件、白色テロの時代を生き抜いた老人たちに寄り添っていく。(Movie Walkerより)
【感想レビュー】@theater
またずっと観たいと思っていた1本を観る事が出来ました!

日本が島国だからか、はたまた近代史を学校では端折って学習するからなのか…、海の向こうで日本語を話す世代がいる事を、一般的には忘れがちなのかなぁと思います。。

戦後68年…そう遠くはない昔に、何があったのか…。
日本が敗戦し、終戦した日、台湾にとっては祖国が返ってきた筈でした。
けれどもその時点で日本統治時代は約50年…。

ドキュメンタリーには様々な立場の方が登場します。

日本が敗戦してしまったから、日本人になりそこねた、とお話しする方。

あの機会に、当時大人だった世代が、もっとしっかり台湾の独立を声高に叫んでいれば、台湾の独立はもっと早まっただろうと、とお話しする方。

日本にとって代わって中国の圧政が始まり、台湾に帰ろうにも帰れなくなった方…。

白色テロで父親を亡くされた方…。

印象的だったのは、“生まれた時代が悪かった”とお話しされる方や“これが運命だった”とお話しされる方の表情…。

こういうドキュメンタリーは、当事者に聞く事など不躾過ぎて到底出来ない事を、質問するわけで…。

インタビュアーにとっても、答える側も、とても覚悟がいると思うのです。

ましてやこの世代の男性は、弱音や泣き言をよっぽどでなければ口にしない世代…。
始めは笑顔でお話ししているけれど、ふいに涙を見せる瞬間は、虚を突かれて胸が熱くなります…。
涙してしまいます。

高菊花さんは、父親を白色テロで亡くされ、ご自身も政治的な活動に関わっているのではないかという疑いをかけられ十数年にも及ぶ尋問を秘密警察から受け続けたそうです。

それでも彼女は、ご自身の人生を、色んな事を経験する事が出来て良かったと振り返ります。
女性は…強いですね!!


今年は、台湾映画を沢山観る事が出来ましたし、このドキュメンタリーを観る事が出来て、色んな事が線で繋がってきました。
ドキュメンタリーを観ると、いつも背筋が伸びます。
ノンフィクションだからだと思います。
その皺も、その嗄れた声も、その人自身の歴史なのです。

観て本当に良かったです‼









『悲情城市』(1989)

2013年12月14日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『悲情城市』(1989)

ホウ・シャオシェン監督、リー・ティエンルーさん(林阿祿)、チェン・ソンユンさん(林文雄)、ジャック・カオさん(林文良)、トニー・レオンさん(林文清)出演。




【STORY】
1945年から1949年までの台湾の激動の4年間を背景に、ある一家のたどる変遷を描くドラマ。

【感想レビュー】
さらさらと流れるように展開されるストーリーが心地良く、気付くと終わっていました。
159分もあるのに‼

あえて俯瞰で観るように作られているように感じました
映像を観ているのに、それはとっても不思議な感覚なのですが、本を読んでいるようなのです。。

そうすると、ある家族を中心に描かれているのですが、その背景にある時代の空気、動きが透けて見えてきます。

1947年2月28日に台湾の台北市で発生した二・二八事件は、当時、その話を口にする事すらタブーだったそうです。
傷ついた心を話す事で癒やす事も許されず、心の奥底に秘めてきた台湾の人たちにとって、この映画は、センセーショナルに受け入れられたのだと思います。

映画を観ると、確かにその時代の空気感や考えが伝わってきます。歴史の本をいくら暗記しても分からない、その温度を強く感じる事が出来るのです

観る事が出来て良かったです‼またまた大切なDVDをお貸しくださったさるお方に、感謝したいと思います

【二・二八事件】
1947年2月28日に台湾の台北市で発生し、その後台湾全土に広がった、当時はまだ日本国籍を有していた本省人(台湾人)と外省人(在台中国人)との大規模な抗争。
約40年後、戒厳令の終了と政府側の遺族への謝罪によりようやく終結した(Wikipediaより)







『友だちのうちはどこ?』(1987)

2013年12月14日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『友だちのうちはどこ?』(1987)

監督・脚本・編集 : アッバス・キアロスタミ
ババク・アハマッドプール - アハマッド
アハマッド・アハマッドプール - モハマッド・レダ・ネマツァデ
ホダバフシュ・デファイ - 先生
イラン・オリタ - 母さん
ラフィア・ディファイ - おじいさん
(Wikipediaより)




【STORY】
友だちのノートを間違って家に持ち帰ってしまった少年が、ノートを返すため友だちの家を探し歩く姿を描いた、子供についての映画。

【感想レビュー】@theater
主人公の少年の表情!!惹き込まれました

先生、母親、お祖父さん、二階のおばさん、ドア業者のおじさん…出てくる大人、出てくる大人、皆ちゃんと彼の話しにまともに耳を傾けてくれないのです

だんだんに、私まで心細くなっていきます。
思い出すのです、きっと。
小さい頃の自分を。

子どもの頃に、周りの大人に何を言っても、子ども扱いされて聞く耳を持ってくれなかった時の事。
上手く説明が出来なかった時の、相手の大人の困惑した顔…。

そうすると、たちまち胃がキュッとして、心細くなって、もうこの世の終わり位な気持ちになってしまった事…

今から思うと、そんな風に途方に暮れてしまう子どもを愛おしく思うのですが…

また、友だちのノートを持って、違う地域に行く時の、画面を下から上に向かってジグザグに行く道が、なんか好きです

隣街まで走って走って、走る!!
気分は最悪でしょう。
肝心の、その友だちのうちを知らないのですから!!

自分のせいで、友だちに迷惑をかけられない!という、そのひた向きさにグッときます。


冒頭の、教室で隣の同級生が泣くシーンは凄かったです。
本当に、わぁわぁ泣くのではなくて、掠れた嗚咽を上げながら泣く男の子の同級生…いたなぁ!!って、思い出して、一気に自分もその教室に座っている心地になりました

実はこのシーンには裏話がありました。
上映後の横浜聡子監督のトークで知りましたが、撮影日誌によると、そのシーンは助監督が全然別の事を言ってその少年を泣かしたとの事
先生の声は、後から入れたそうで…。

横浜監督によると、子ども達の自然でリアルな表情を引き出す為に、キアロスタミ監督は、ストーリーとは全然関係のない面からアプローチをしている。そこがキアロスタミ監督の映画の撮り方で、映画って怖いなと思うのだそう。
(ちょっと違うかもしれませんが、確かこのようなお話しをされていました。)


大人の言い分は、実に自分勝手!
それで絶対に自分が正しい!という言動になんとも辟易しますが…自分も気を付けないとイケマセンね…



『秋のソナタ』(1978)

2013年12月13日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『秋のソナタ』(1978)


イングマール・ベルイマン監督、イングリッド・バーグマンさん、リヴ・ウルマンさん、レナ・ニマンさん出演。




【STORY】
 スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンが「カサブランカ」のイングリッド・バーグマン主演で描いた母と娘の物語。バーグマン演ずるは、国際的に著名なピアニスト。その娘リヴ・ウルマンは母に対し、音楽的な才能の上でも、生き方の上でもコンプレックスを持っている。母親には、奔放な恋に生き、幼い彼女をあまり顧みない過去があった。公演旅行から戻ってレッスンに専念する母親の世話をやくうち、娘は感情の爆発を抑えられなくなる……。(Wikipediaより)

【感想レビュー】@theater
心に、痛い痛い映画でした…‼

観てから数日経つのですが、やっと感想が書けそうです。

母と娘は色々ありますから…。しかもそこに、ピアノ!!も絡んできた事も合間って他人事ではなくなって…

人間の醜いところを、隠さずにグイグイ、グイグイと描いてくるので、もうただ、ただ、圧倒されながら、浴びるように観ました。

相手が弱っている時は、ホロっと優しくなれるけれど、相手が元気で憎たらしい時は、攻撃したくなる…人間の一番醜いところです…。
しかもそれが親子間なら尚の事、複雑です。

…『赦す』。
確か、この言葉がリヴの演じる娘の台詞にあったように思いますが、やっぱり、そこから解き放たれたいのなら、この境地になるしかないのでしょうかねぇ…。
いずれにしても葛藤なのでしょうね…。

そして、女優陣がとっても素晴らしかったです